【1462】 ○ 本多 猪四郎 「宇宙大怪獣ドゴラ (1964/08 東宝) ★★★☆

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地上で繰り広げられるドタバタ劇はともかく、宇宙怪獣ドゴラはなかなかいい。

宇宙大怪獣ドゴラ.jpg ドゴラ vhs.jpg 宇宙大怪獣ドゴラ dvd.jpg 宇宙大怪獣ドゴラ  サントラ.jpg
「宇宙大怪獣ドゴラ」ポスター/「宇宙大怪獣 ドゴラ [VHS]」/「宇宙大怪獣ドゴラ [DVD]」/「宇宙大怪獣ドゴラ」サントラ

宇宙大怪獣 ドゴラ ポスター.jpg  日本上空を周回中のテレビ中継衛星が突然消え、時を同じくして世界各国の宝石店が襲われて多量のダイヤモンドが盗まれる事件が頻発し、警視庁は宝石強盗団一味の仕業として捜査を開始、警視庁の駒井刑事(夏木陽介)は、ダイヤの研究を行なっている宗方博士(中村伸郎)のもとを訪れるが、マークという謎の外国人(ダン・ユマ)に襲撃されてダイヤを奪われ、そのマークも強盗団にダイヤを奪われる。一方の強盗団も、盗んだダイヤを積んだトラックが突如浮遊して落下するという異常事態に見舞われる―。

宇宙怪獣ドゴラ2.jpg 1960年代半ばの東宝映画は、「ゴジラ」シリーズの全盛期でしたが、この頃東宝はゴジラを主役にした映画ばかりではなく、こんなのも撮っていました。こんなのと言ってもどう言えば良いのか。クラゲのお化けみたいな巨大宇宙生物が出てくる作品ですが。

 この巨大クラゲ、エネルギー補給のために炭素を必要とし、そのためダイヤや石炭を地上から吸い上げるようにして補給するということで、この「ドゴラ」と命名された巨大クラゲが、炭田(ボタ山)から石炭を吸い上げるシーンはなかなか見応えがあります(今観れば、水槽に落とした黒い粉末の塊が拡散していく様を、逆モーションで撮っていたのが分かるが、それにしても大した創意工夫)。

 クラゲの全体像がなかなか見えないのもイマジネーションを駆りたてるし、実はこのクラゲ、ビニール製だそうですが、CGの無い時代にジェームズ・キャメロンの「アビス」('89年/米)顔負けの映像作りをしているなあと感心しました(「ドゴラ」の原案イメージは小松崎茂)。

ドゴラ 若林.jpg若林映子.jpg 映画公開の前年に完成したばかりの「東洋一の吊り橋」若戸大橋を破壊するなど、その"活躍"は派手ですが、ちょっとしか画面に出てこないのがやや残念。
 映画の大部分は、地上で繰り広げられる警察と強盗団のダイヤ争奪・奪回戦に費やされ、盗んだのがダイヤだと思ったら氷砂糖だったとか、ドタバタ喜劇調でもあります(勿論、主演の夏木陽介や、後にボンドガールとなる若林映子などの演技陣は真剣に演じているのだが)。

 ストーリー映画としては星3つに届くか届かないですが、ドゴラだけはなかなかいいと思いました。
 今観ると、特撮映画としてもユニークだし、実際に筑豊産炭地区でロケをしているため、石炭産業華やかなりし頃の当地の様子や石炭積出港であった若松港の様子を収めた貴重な記録映像としても鑑賞できるかと思います。


ドゴラ 夏木.jpg「宇宙大怪獣ドゴラ」●制作年:1964年●監督:本多猪四郎●特撮監督:円谷英二●製作:田中友幸/田実泰良●脚本:関沢新一●撮影:小泉一●音楽:伊福部昭●時間:81分●出演:夏木陽介/ダン・ユマ/中村伸郎/小泉博/藤山陽子/若林映子/藤田進/河津清三郎/田島義文/天本英世/田崎潤●公開:1964/08●配給:東宝 (評価:★★★☆)

     



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和田泰明

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