【1225】 ○ 森 一郎 『試験にでる英文法―合格を実証した135の急所・94の盲点』 (1971/12 青春新書) ★★★★ (○ 森 一郎 『試験にでる英文解釈―死命を制するツボ の公開』 (1972/11 青春新書) ★★★★)

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『でる単』より役に立った『でる文法』。

試験にでる英文法.jpg試験にでる英文法.jpg試験にでる英文法』['91年改訂版]試験にでる英文解釈.jpg試験にでる英文解釈』['01年改訂版]

 森一郎と言えば累計で1500万部以上売れ、今も改版・増刷を続けている『試験にでる英単語』('67年/青春新書)が有名ですが、参考書としては本書『試験にでる英文法』('71年12月/青春新書)の方が画期的だったのではないでしょうか。

英文法解説 江川 泰一郎.jpg その画期的な点の1つとして、普通の文法書だと、例えば江川泰一郎『英文法解説』('64年/金子書房、'91年第3版)がそうであるように「名詞」から始まり「代名詞」、「形容詞」と来るところを、本書は章立てのトップに「不定詞」が来て次が「動名詞」になっていて、要するに試験に出る順、間違え易い順に並べられているという点が挙げられます(因みに、一般書だが、マーク・ピーターセンの『日本人の英語』('84年/岩波新書)は「冠詞」がトップに来ていて、これは、「日本人の苦手な順」?)。

試験にでる英文法 森一郎.jpg 『試験にでる英単語』にも実は試験に出やすい順に英単語を列挙した章がありますが、文法書でそれをやるとは、大胆と言えば大胆。英文法を体系的に理解する上での良し悪し論はあるかと思いますが、自分には合っていたし、今読んでも、文法書として優れているのではないかと。 

 著者が言うように、『試験にでる英文解釈』('72年/青春新書)と併せて活用すると効果的だと思います(『試験に出る英文法』にある例題の設問形式自体はやや古い。一方、『試験にでる英文解釈』は、目次を見ればわかるが実質的には「英文法の本」であって、こちらの方が練習問題用には使える)。

 森一郎(1923-1991)は日比谷高校の教諭だった人で、同じシリーズの『試験にでる現代国語』『試験にでる古文試験にでる現代国語.jpg単語』の著者試験に出る古文単語.jpg勝山正躬.jpg勝山正躬(1912-1989)は灘高校の校長でしたが、両著者のこのシリーズの本は2人の没後も改訂されています。日比谷・灘両校はかつては東大進学者数を巡ってのライバル校同士でしたが、ここでは今も競い合ってる?


勝山正躬(1912-1989)

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