【1217】 △ 山田 咲道 『ダメ上司論 (2009/05 日経プレミアシリーズ) ★★★

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「プレミア(最高級)」と言うより「プライマリー(初心者向け、基礎編)」という感じかも。

ダメ上司論.jpg 『ダメ上司論 (日経プレミアシリーズ 49)』 ['09年] バカ社長論.jpg 『バカ社長論 (日経プレミアシリーズ 5)』 ['08年] 

 大手監査法人を経て独立し、現在は自ら会計事務所を経営する公認会計士が書いた本で、日経プレミアシリーズの同著者の『バカ社長論』('08年)に続くもの。

組織を壊す」(第1章)とか「会社も恐い、すぐキレる上司」(第3章)とかいったことを、リアルな具体例を挙げて説いていて、若い読者が読むと、大いに「ある、ある」感を満たすのではないのでしょうか。

 そうした事例を通して、上司と部下のコミュニケーションが組織の効率を決めることを全体としては説いており、また、「すべては内省から始まる」(第5章)とあるように、最後には部下の側に対しても謙虚さを求めています。

 この著者の本、「バカ社長」とか「ダメ上司」とかきつい言葉を使っている割には、二宮尊徳を"偉大な先哲"としているように、書いてあることは読者の想定内のことと言うか、比較的クラシカルな感じがしました。

 書かれていることそのものに異を唱えるようなものではないですが、本のべースになっているのが「メルマガ」であるためか、日々の部下に向かう姿勢、上司に対する対応の心構えを説いているような感じで、どちらかと言うと後者(部下向け)だろうなあと。

 「日経文庫」とは別に「日経プレミアシリーズ」というのが創刊されたのが'08年5月で、実務書としての「日経文庫」に対し、同じビジネス関係でも読み物的なものを考えて、「ビジネスにも役に立つような内容だったり、オフの過ごし方だったり、ビジネスパーソンが興味のありそうなテーマを選んでいる」(野澤靖宏編集長)とのこと(元々は「新書にこだわった創刊ではなかった」とも)。

 「プレミア」というのは、「最高級の好奇心」というこの新書のコンセプトに呼応したネーミングのようですが、本書に関して言えば、「プレミア」と言うより「プライマリー」(初心者向け、基礎編)という感じかも。

2009年05月14日 日経朝刊.jpg 2009年5月14日 日経朝刊

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