【1174】 △ 松本 順市 『上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか? (2008/04 ナナ・コーポレート・コミュニケーション) ★★★

「●上司学・リーダーシップ」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【1175】 小松 俊明 『デキる上司は休暇が長い

部下のモチベーションをどうやって維持するかがテーマ。管理職初級レベルの啓蒙書?

上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか?.jpg 上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか.jpg
上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか? (Nanaブックス)』['08年/ナナ・コーポレート・コミュニケーション]

 「上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか」って、それはそういうものでしょう。社員が上司に辞める話をする時は、既に大方辞める決断をしているわけで、その時には辞表も既に書き終えているというのが往々にしてありがちな事ではないでしょうか。
上司にすれば青天の霹靂でも、周囲の方がむしろ傍目八目なのか、やっぱりという感じだったりすることもあります。

 本書は、リテンション(人材引き止め)について述べたものと言うより、部下のモチベーションをどうやって維持するか(勿論それが部下の人材の引き止めに繋がるのだが)ということに主眼を置いたもの言え、趣旨としては、大田肇氏の「承認欲求」論(部下の承認欲求を満たすことがモチベーション向上に繋がるという考え)を大体において踏襲しているように思えました。

 やさしく噛み砕いて書かれていて、「(部下のモチベーションを下げないために)部下をよくほめる」「つるし上げ会議から脱却する」「部下がしてほしいことを本当に把握できているのかを把握する」「取り組むべきテーマを決める」などといったことは1つ1つが尤もですが、当たり前と言えば当たり前のことで、あまり新味はありませんでした。

 「上司と部下の"評価の不一致"を正すことから始めよう」というのには大いに共感しましたが、このことも含めて、実際に本書に書かれていることをやるかやらないかということが問題であり、そうした意味では、管理職初級レベルの啓蒙書という感じでしょうか。

 問題上司というのは人格レベルの問題でもあったりし、そうした人はこのような本を読んでも本人自身は変わらなかったりして...(大体、そういう人はこうした本は読まないか?)。

About this Entry

This page contains a single entry by wada published on 2009年5月 9日 23:40.

【1173】 △ 矢幡 洋 『困った上司、はた迷惑な部下―組織にはびこるパーソナリティ障害』 (2007/01 PHP新書) ★★★ was the previous entry in this blog.

【1175】 △ 小松 俊明 『デキる上司は休暇が長い』 (2008/08 あさ出版) ★★☆ is the next entry in this blog.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1