【1165】 ○ 布施 直春 『イザというときの労働基準法―トラブル発生!そのときあなたは・会社はどうする?』 (2008/12 PHPビジネス新書) ★★★☆

「●労働法・就業規則」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【1163】 國部 徹 『図解による労働法のしくみ 〈増補版〉
「●PHPビジネス新書」の インデックッスへ

一般サラリーマン向けの解説書として見るならば、オーソドックス。

イザというときの労働基準法.jpg 『イザというときの労働基準法 (PHPビジネス新書)』 ['08年]

 著者は元(長野・沖縄)労働基準局長。同じ著者の『わかる!使える!労働基準法―「知らない」ではすまされない仕事のルール』('07年/PHPビジネス新書)の続編とも言えるもので、この新書のメインターゲットである、企業で働く一般サラリーマン向けに、Q&A方式で、賃金や労働時間に関する問題をわかり易く解説しています。

 新書にしては項目数も多く、その点では充実しているかと思われ、用語索引もついて親切です。
 経営者・管理職向けにも書かれている部分があり、その点で一般サラリーマンが読んでどう思うかというのもありますが、経営者・管理職に求められる労働法の知識というのは、一般サラリーマンが知っておいても結局のところ無駄にはならないと思うので、いいのではないでしょうか。

 ただ、人事担当者や実務担当者が読むとなると、少し浅いかも(初任者レベルか)。
 大学教授である大内伸哉氏の『どこまでやったらクビになるか―サラリーマンのための労働法入門』('08年/新潮新書〉もそうでしたが、判例などを挙げても具体的な判例名がない、と言うより、本書の場合、項目数が多い分、判例解説にまでは言及しきれず、「...という場合もあります」的な解説にとどまっている部分が多いように思えました。

 でも、パート、契約社員、高齢者等を巡る問題も含め、現時点では最新の内容となっており、あくまでも一般サラリーマン向けの解説書として見るならば、手に取りやすいというメリットがあり、内容的にもオーソドックスな線をいっているのではないでしょうか。

《読書MEMO》
●章立て
序章 まずは知っておきたいトラブル解決の基本ルール
第1章 賃金に関するトラブル
第2章 労働時間、割増賃金、休日・休暇のトラブル
第3章 企業内のさまざまなトラブル―配転、出向、男女差別、企業合併、労災保険など
第4章 退職、解雇、雇用保険に関するトラブル
第5章 パート、契約社員、高齢者を巡るトラブル
第6章 「あっ、労働基準法違反!」そのときどうする?―イザというときの労働者の解決手段
第7章 経営者、管理職なら知っておきたい!労基署、労基監督官への対応法

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1