【1155】 △ 「心とからだの悩み解消プロジェクト」特別取材班 『もういやだ!この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人 (2009/03 三楽舎プロダクション) ★★★

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カウンセラーの数だけ手法があるということを実感。スピリチュアル系に偏り過ぎ?

もういやだ!この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人.jpg 『もういやだ!この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人』 ['09年/三楽舎]

 全国の心理カウンセラー50名の、1人1人のプロフィールや得意とする相談内容、手法、料金、連絡先など紹介した本で、心理療法やカウンセリングというのはカウンセラーの数だけそのやり方があるということを実感させられました。

 とりわけ最初の約10人のカウンセラーについて、インタビュー取材を中心としてかなり詳しく紹介されていて、冒頭の日本催眠心理研究所の米倉一哉氏の話などは、カウンセリング事例としても興味深く、また、心理療法の現場の雰囲気が伝わってくるものでした。

 前の方で紹介されているカウンセラーは催眠療法を主としている人が多いようですが、その中にも、ロシア軍が開発した高度健康チェックシステムを導入しているとか、退行催眠療法だけでなく「前世療法」もやっているとか、いろいろな人がいるなあと。

 その後にも、「チャネリング」とか「遠隔ヒーリング」を得意とする人が多く登場し、ソウルヒーリングやインターチャイルド、レイキといった用語が出てくるし(こうした用語については冒頭に用語集で解説されていて、その点は親切)、クライアントのオーラーが見えるとか霊感が強いとか、結構スピリチュアル系の人が多いように思いましたが、実際にカウンセラーとして開業している人たちにはこうした人が多いのでしょうか。

 透視鑑定とか自然療法まで出てきて、どこまでを心理療法と呼ぶかということもありますが、相談に訪れる人がいる限り、絵画セラピーであろうとフラワーセラピーであろうとセラピーなのだろうなあ。後は、カウンセラーを選ぶ側の自己責任の問題であって。

 カウンセラーのパブリシティ記事を集めたような本かなとも最初は思い、実際、インタビューではなく本人の自己PR形式のものも一部にあったものの、全体としては、「薬に頼らず、じっくり相談者の話を聴いてくれる先生を取り上げよう」という取材班の意向は反映されているように思いました(価格1,000円も良心的)。

 紹介されている心理カウンセラーの前職は様々ですが、その多くが、かつて自分自身が「心の病」を抱えた相談者の立場だったというのが興味深かったです。

 あまり偏見を持つのもよくないけれど、やはりどうしても、スピリチュアル系に偏り過ぎているように思えるのが残念。

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