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世に出るのが早過ぎた(?)エコロジー映画。
「ローカル・ヒーロー 夢に生きた男 [DVD]」「ローカル・ヒーロー [DVD]」
バート・ランカスター/ピーター・リガート
テキサスに本拠を置くアメリカ最大の石油会社のエリート社員マッキンタイヤ(ピーター・リガート)は、石油コンツェルンの会長(バート・ランカスター)から石油コンビナートの土地買収を命じられて、スコットランドの漁村へ派遣されるが、地元住民の反対に合うかと思われた土地買収は、村人の方が「金が入るなら」と意外と積極的で、ところがいよいよ契約という段階で、ベン(フルトン・マッケイ)という入江の小屋に住む老人が所有地を手放すことに強く抵抗していることが判り、交渉が難航し始める―.
一応はビジネスドラマみたいな体裁で話は進みますが、まさかラストがこうなるとは―。エリート社員マッキンタイヤの趣味は天体観測で、石油コンツェルン会長からは土地買収の交渉状況と併せてスコットランドの星空の模様を電話で知らせることも命じられていたのですが、そしたら、偶然に大流星群を発見することになり、会長はそれを見るため現地へ飛びますが、その前にベン老人との交渉を片付けてしまおうと彼の小屋に寄ることになります。
バート・ランカスター
マッキンタイヤと村人の間で土地買収に向けて親和的基調で話が進むなか、老人との直接交渉のために出向いたバート・ランカスター演じる会長、いかにも強面(こわもて)の石油王と、村の頑固老人の、絶対に「他人の言いなりにはならなさそうな者」同士の一騎打ちの結末はどうなるのか、これは本編を観てのお楽しみといったところでしょうか。
英国風ユーモア、スコットランド美しい自然と純朴な人々、心地良い音楽―振り返ればどれもが旨く調和していて、しかも最後に観る側を満たされた気分にしてくれる作品だったと思うのですが、ロードの際もロード終了後も一部でしか評判にならなかったのは、ビジネスドラマなのか、ある種のメルヘンなのか、規定の仕様が無かったという面があるためではないでしょうか(誰をターゲットに告知してよいのかが難しい)。今ならば、「エコロジー映画」ということでドーンと打ち出せるのだろうけれども...。そうした意味では、ちょっと世に出るのが早過ぎた作品です。
「大井武蔵野館」ぼうすの小部屋 - おでかけ写真展より/大井武蔵野館 1999(平成11)年1月31日閉館
「ローカル・ヒーロー/夢に生きた男」●原題:LOCAL HERO●制作年:1983年●制作国:イギリス●監督・脚本:ビル・フォーサイス●製作:デイヴィッド・パトナム●撮影:クリス・メンゲス●音楽:マーク・ノップラー●時間:112分●出演:バート・ランカスター/ピーター・リガート/デニス・ローソン/ピーター・キャパルディ/フルトン・マッケイ/ジェニー・シーグローヴ/ノーマン・チャンサー/クリス・ロジツキー●日本公開:1986/04●配給:ヘラルド・エース●最初に観た場所:大井武蔵野館 (87-11-03)(評価:★★★★☆)●併映:注目すべき人々との出会い」(ピーター・ブルック)
大井武蔵野館 閉館日(1999(平成11)年1月31日)