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2009年01月26日   書評:HUREC AFTERHOURS 人事コンサルタントの読書備忘録

【1088】 ○ ヴァレリオ・ズルリーニ 「激しい季節」 (59年/伊) (1960/04 イタリフィルム) ★★★★ (△ クロード・ルルーシュ 「男と女」 (66年/仏) (1966/10 UA) ★★★)

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トランティニャンの未亡人相手の2作。ロッシ・ドラゴが“凄い”「激しい季節」とCFを観ているような「男と女」。

Estate Violenta2.jpg 「ESTATE VIOLENTA(激しい季節)」 ビデオ(海外版) 男と女 DVD.jpg 「男と女 [DVD]
                                          Jean-Louis Trintignant & Eleonora Rossi Drago
Estate Violenta.jpg 「激しい季節」(Estate Violenta、'59年/伊)の舞台は1943年のアドリア海に面した高級避暑地。別荘に滞在する上流階級の娘(ジャクリーヌ・ササール)が、パーティーの場に現れたファシスト党高官の息子(ジャン・ルイ・トランティニャン)に恋をするが、彼の方は浜辺で知り合った海軍将校の未亡人(エレオノラ・ロッシ・ドラゴ)に惹かれ、2人は深い関係に―。

 それを知った娘ジャクリーヌ・ササールは泣きながら去り、後半は、ムッソリーニ政権の崩壊、新政権の誕生、イタリアの降伏という動乱の戦局の下、刹那的な恋に激しく燃える高官の息子トランティニャンと未亡人ロッシ・ドラゴの愛と別離が描かれています。

 とにかく、未亡人役のエレオノラ・ロッシ・ドラゴの魅力(色香)がその眼差しからボディに至るまで凄く、それまであまり脱がない女優だったそうですが、この映画に関しては、検閲でカットされている部分もあるぐらいで、彼女は’07年12月に82歳で亡くなっており、考えてみれば相当旧い映画なのですが、何か“今風”のセクシーさを醸す女優でした(この映画に出演した時は33、4歳ぐらい)。

Valerio Zurlini Estate violenta 2.jpgValerio Zurlini Estate violenta.jpg 2人の「出会い」は海岸で、独軍機の威嚇飛行に人々が怯え逃げる際に、転んで泣いていた幼子をトランティニャンが助けたのが、ロッシ・ドラゴの娘だったというもの、「別れ」は、トランティニャンが兵役逃れを図りロッシ・ドラゴと逃避行を図る際に、列車が米軍機の爆撃を受け大勢の死者が出て、その中にその娘の亡骸を見つけて、彼女が現実に(乃至“罪の意識”に)目覚めるという、「出会い」も「別れ」も共に「爆撃機」と「娘」が絡んだものです。

 戦時下の恋の物語ですが、当時のイタリアの上流階級の一部は、そうした戦局の最中に合コンみたいなパーティーをやったり、海水浴に興じたりしていたというのは、実際の話なのだろうなあと(集団的な“刹那主義”的傾向?)。
 この作品は日本ではDVD化されていないし、元々ビデオにもなっていないけれど、なぜだろう。

                              「男と女」 ポスター/パンフレット
男と女 パンフレット.png男と女 ポスター.bmp 「男と女」(Un homme et une femme、'66年/仏)もジャン・ルイ・トランティニャンが未亡人(スタントマンの夫を目の前で失った女アヌーク・エーメ)に絡むもので、こちらはトランティニャン自身も妻に自殺された男寡のカーレーサーという設定で、2人が知り合ったのは互いの子供が通う寄宿学校の送り迎えの場という、「激しい季節」同様に子供絡みです。

 ストーリー的には結構俗っぽく、トランティニャンが鬱々として煮えたぎらずしょぼい恋愛モノという印象しか受けないのですが、例の「ダ~バ~ダ、ダバダバダ、ダバダバダ」というフランシス・レイのボサノバ調のテーマ曲と共に間に挿入されるイメージフィルムのような映像が美しく、クロード・ルルーシュはコマーシャルフィルムのカメラマンから映画監督に転身した人ですが、この作品自体がプロモーションフィルムまたはコマーシャルフィルムであるような印象も。

 共にジャン・ルイ・トランティニャン主演の作品ですが、トランティニャン自身は、繊細な演技が出来る、日本人が感情移入しやすい俳優であるとは思うものの、この2作については、片や相方のエレオノラ・ロッシ・ドラゴの突き刺すような魅力が圧倒的で、片や映像美と音楽だけが取り柄の作品であるような気がしました。
俳優座劇場.jpg
「激しい季節」●原題:ESTATE VIOLENTA●制作年:1959年●制作国:イタリア●監督:ヴァレリオ・ズルリーニ●製作:シルヴィオ・クレメンテッリ●脚本:ヴァレリオ・ズルリーニ/スーゾ・チェッキ・ダミーコ/ジョルジョ・プロスペリ●撮影:ティノ・サントーニ●音楽:マリオ・ナシンベーネ●時間:93分●出演:ジャン・ルイ・トランティニャン/エレオノラ・ロッシ・ドラゴ/ジャクリーヌ・ササール/ラフ・マッティオーリ/フェデリカ・ランキ●日本公開:1960/04●配給:イタリフィルム●最初に観た場所:六本木・俳優座シネマテン(84-11-17)(評価:★★★★)
                                              六本木・俳優座シネマテン

男と女  66仏.jpg「男と女」●原題:UN HOMME ET UNE FEMME●制作年:1966年●制作国:フランス●監督・製作:クロード・ルルーシュ●脚本:クロード・ルルーシュ/ピエール・ユイッテルヘーヴェン●撮影:クロード・ルルーシュ●音楽: フランシス・レイ●時間:103分●出演:ジャン・ルイ・トランティニャン/アヌーク・エーメ●日本公開:1966/10●配給:UA●最初に観た場所:高田馬場パール座(78-10-02)(評価:★★★)●併映:「さよならの微笑」(ジャン・シャルル・タッシェラ)

   



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和田泰明

投稿者 wadamy : 2009年01月26日 00:00