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著者の本でジュニア向けで1冊と言えば、今('08年)はこれか。
『宇宙はきらめく カラー版 (岩波ジュニア新書 579)』 ['07年] 『見えてきた宇宙の神秘』['99年/草思社]/ 『カラー版 ハッブル望遠鏡の宇宙遺産 (岩波新書)』〔'04年〕
天体写真に解説文章を添えた野本陽代氏の本は、最初、単行本(『見えてきた宇宙の神秘』('99年/草思社)など)からはいって、その後、岩波新書の「カラー版ハッブル望遠鏡が見た宇宙」シリーズの3冊を読みましたが、ハッブル宇宙望遠鏡が映した天体写真などは、最近ではかなりインターネット上のウェブサイトでも見ることができるようになりました。
わし星雲M16(へび座)の「象の鼻」(本書第3章「夏は天の川」より)
ただ、美しい天体写真もさることながら、この人の解説のわかり易さはピカイチであると個人的には思っていて(全くの素人でも読める)、今回は「岩波ジュニア新書」ですが、特に今までと文調を変えておらず、要するに、元々、大多数の人が読んですんなり頭に入る書き方がされていたということの証しかもしれないと思いました。
特に今回工夫しているのは構成の方で、四季に合わせて章立てし、章の頭に季節ごとの全天恒星図をもってきて、写真との連関を番号で示しており、実際の天体観望に役立つものとなっています。
ハッブル宇宙望遠鏡による星や星雲の写真がメインであるという点では、岩波新書のカラー版シリーズの第3冊『ハッブル望遠鏡の宇宙遺産』('04年)に内容的には最も近いかも知れませんが、こちらは太陽系まで含まれていて、(単行本の版元も潰れたりしているので)今、ジュニア向けで1冊買うとするならば、本書がお薦めと言えるのではないでしょうか、天文ファンの中にも、本書を薦める人は多いようです。
俗事にかまける日々ですが、時に悠久の宇宙に思いを馳せるのもいいのでは。
超新星残骸N63A (大マゼラン星雲)(本書第5章「南天はマゼラン雲」より)