【848】 ? 齋藤 孝 『ちびまる子ちゃんの音読暗誦教室―子どもたちとすべての大人のために』 (2003/09 集英社) ★★★? (? 齋藤 孝 『声に出して読みたい日本語 (2001/09 草思社) ★★★?)

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どちらかというと大人になってからの「ボケ防止」にいいのでは?

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ちびまる子ちゃんの音読暗誦教室』 『声に出して読みたい日本語』『子ども版 声に出して読みたい日本語 1 どっどど どどうど 雨ニモマケズ/宮沢賢治

 齋藤孝氏の『声に出して読みたい日本語』('01年/草思社)(2002(平成14)年・第56回「毎日出版文化賞」特別賞受賞)がミリオンセラーとなって第5巻まで刊行され、それに続いた『子ども版 声に出して読みたい日本語』('04年/草思社)は12巻まで刊行、但し、版元の草思社は民事再生法を適用申請するに至り、出版社の経営が今いかに厳しいかということなのか、1つのヒットに頼りすぎるのはよろしくないということの教訓なのか...。

 本書は、『子ども版』シリーズの前に出たもので(版元は集英社)、「大人・子ども共用版」みたいな感じです。石川啄木、夏目漱石、宮沢賢治」、中原中也、太宰治、シェークスピア、ランボーから落語の寿限無、徒然草、枕草子までの多彩な名文を収録、引用文については大活字を使用していて、「齋藤メソッド」セミナーでは、本書がそのままテキストになっているそうです(三色ボールペン持参で受講するらしい)。

誤読日記.jpg斎藤美奈子.jpg 『声に出して読みたい日本語』に対し一部に疑問を投げかける人もいて、斎藤美奈子氏などは『誤読日記』('05年/朝日新聞社)の中で、「こんなのに束になって押し寄せられたら『参りました』というしかない」と認めつつ、「あえて因縁をつけてみたい」として、カール・ブッセのような翻訳詩の類がないことなどを挙げていました。しかし、『声に出して読みたい日本語2』にはしっかり収録されていて、本書にもありました―「山のあなた」が。コレ、『海潮音』所収ではなかったでしょうか。
     
陰山英男.jpg川島 隆太.jpg "音読"は多くの小学校でこぞって採用され、齋藤孝氏は、NHK教育の「にほんごであそぼう」の監修もしている―。ではホントに学習上の効果があるのかというと、その点では、東北大の川島隆太教授が、「音読や単純計算をしているときは脳が活性化している」ことを実験的に証明していて、これが、斎藤孝氏の"音読"と陰山英男氏の「百ます計算」の"科学的"根拠になっている?
     
 個人的には、私立・公立を問わず全ての学校が、誰かが提案したものを一斉に採り入れる、その風潮が、やや気味悪いなあと。効果のほどはよくわかりませんが、「子どもたちとすべての大人のために」と副題があり、齋藤孝氏自身、「小学校の時に名文を覚えておくと、七十や八十になって思い出した時、大きな楽しみになる」と本書に書いています。
 だとすれば、どちらかというと大人になってからの「ボケ防止」にいいのでは?

 斎藤美奈子氏は、棒読みでよし、とする齋藤式暗誦は、音声言語を平板化するのではないかとの疑問も呈していましたが、逆に、本書を読んで、小学唱歌「あおげば尊し」の歌詞の意味を一部誤解して覚えていたことに気づきました(「あおげば尊し」の場合、歌詞の教え方が"棒読み"的と言えるかも)。向田邦子のエッセイ集に「眠る盃」とか「夜中の薔薇」というのがありましたが、何れも「荒城の月」「野ばら」の歌詞を彼女が勘違いして覚えていたことからとったタイトルで、それとほぼ同じだなあ。

               



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This page contains a single entry by wada published on 2008年1月26日 23:15.

【847】 ○ 高橋 由佳利 (監修:森まゆみ) 『ちびまる子ちゃんの樋口一葉―満点人物伝』 (2004/12 集英社) ★★★☆ was the previous entry in this blog.

【849】 ○ 佐藤 正午 『小説の読み書き』 (2006/06 岩波新書) ★★★☆ is the next entry in this blog.

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