【791】 ○ 岩合 光昭 『地球動物記 (2007/04 福音館書店) ★★★★

「●動物学・古生物学」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【823】 寺越 慶司 『寺越慶司の恐竜
「●写真集」の インデックッスへ

野生動物写真家・イワゴーのこれまでの活動の集大成であり真骨頂である。

地球動物記.jpg 『地球動物記』 ('07年/福音館書店) iwago.jpg 岩合 光昭 氏 (野生動物写真家)
(30.4 x 23.4 x 3.4 cm)
 
1994年12月 ナショナルジオグラフィック誌.jpg1986年5月 ナショナルジオグラフィック誌.jpg 野生動物写真家は日本にも多くいますが、米国の"ナショナル・ジオグラフィック"誌にその写真が紹介された日本人の野生動物写真家は、これまでに、岩合光昭(1950‐)、星野道夫(1952‐1996)、原田純夫(1960‐)の3氏のみだそうで、カムチャツカ半島でヒグマに襲われて亡くなった星野道夫氏や米国に住みロッキーの自然を撮り続けている原田純夫氏に比べると、パンダや猫のカレンダー写真を多く撮っている岩合光昭氏に対しては、他の2人ほどの「野生動物写真家」というワイルドなイメージを持たない人もいるかも知れません。

 しかし、"ナショジオ"に最初に写真が採用されたのは岩合氏で(しかも表紙を2度飾っている)、北米・アジア・アフリカ・オセアニアなど世界の各地で37年にわたり野生動物の生態を撮り続けてきたベテラン中のベテランです。
book2.jpg 本書は、そうした岩合氏のこれまでの活動の集大成と言えるもので、四季を通しての野生動物の生態を捉えた900枚の写真は、野生動物写真家としての真骨頂が発揮されたものです。

 動物の生き生きとした表情を捉えることで定評のある岩合氏ですが、この写真集では、温かい動物親子の写真ばかりでなく、弱肉強食の掟や厳しい自然環境の中で生き死にする動物たちを"活写"していて、地球で生きているのは我々人間だけではなく、そうでありながら多くの野生動物を絶滅の危機に追いやっている人間とは、地球全体にとってどういう存在なのかということを、一時(いっとき)考えさせられました。

 値段は少し張りますが(本体価格4,700円)、解説文にひらがなが振ってあるので親子で楽しめ、保存版として購入して損はないと思います。

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1