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「普通の京都」コースは「じゃらん」、「特別の京都」コースは「日経おとなのOFF」?。
『極みの京都』 (2007/10 光文社新書)
著者は京都在住の開業歯科医で、グルメ・紀行エッセイストでもあるとのことで、紹介文から、行楽地として四季を通じて人気が高い京都の、その人気の秘密を探るか、または、一風変った視点での京都観光の楽しみ方を教えてくれる本だと思ったのですが、読んでみて、観光ガイドを新書にしただけという印象を受けました。
前段の、「京都検定」の問題の出し方に対する異議や、「ぶぶ漬神話」(京都の知人宅を訪ねた際に「お茶漬でも...」と言われたら、辞去を促す婉曲表現であると一般には言われていること)はウソであるという話ぐらいまでは面白かったけれども、すぐに、寺や店を次々紹介する普通のガイド本になってしまった...。
京都を"極める"のに、「普通の京都」コースと「特別の京都」コースがあるらしいけれど、「普通の京都」コースは「じゃらん」、「特別の京都」コースは「日経おとなのOFF」などに書かれていることとさほど変らないような...(何れにせよ、「特別の京都」コースの方は、さほど自分には縁がなさそうだなあ)。
文章にも、旅行ガイドの定型表現が多く見られ、最初からガイドブックと割り切って読めば、京都への旅行を計画している人には足しになる部分もあるかも知れないけれど、これで「新書」になるのなら、この手の本の書き手はごろごろいるのではないだろうか。