【747】 ○ 島 悟/佐藤 恵美 『ストレスマネジメント入門 (2007/04 日経文庫) ★★★★

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「ストレスの認識→コントロール→より良いキャリア発達」というトータルな解説。

ストレスマネジメント入門.jpg 『ストレスマネジメント入門 (日経文庫)』 メンタルヘルス入門.jpg 『メンタルヘルス入門』('07/04 日経文庫)

2579464422.jpg 同著者の、同じ日経文庫の『メンタルヘルス入門』と同時刊行で、『メンタルヘルス入門』では、マネジャーや人事労務担当者による"組織で取り組むストレスマネジメント"を扱っていますが、本書では、勤労者に向けて、個人が"自らのストレスをマネジメントできるようにするにはどうすればよいか"という観点で書かれていて、産業カウンセラーとの共同執筆になっています。

 本書ではまずストレスとは何かを解説し、とりわけストレスとの関係が深いとされる「うつ病」について重点的に述べていて、うつ病の場合、睡眠など生活リズムの変調が徴候として表れることが多いわけですが、生活リズムを整えることでストレスマネジメントに取り組む基盤ができ、タイムマネジメント(時間使い上手)でストレスは減らせるとしています。

 さらに、物事の捉え方が変わればストレスも変わるという「認知的ストレス対処法」や、アサーション(上手な自己表現)、アンガーコントロール(怒りやイライラを処理する方法)などが紹介されていて、このあたりは、セルフカウンセリングの手法といった感じで、その他にも筋弛緩法や自立訓練法などのリラクセーションの手法が紹介されています。

 更には、キャリアカウンセリングの視点から、キャリアデザイン、キャリア・アンカーなどのキャリア理論の概念が解説されていて、最後に事例をあげてそれまで述べてきたことを応用した具体的な対処法を示しています。

 全体としては、ストレスの認識→ストレス・コントロール→より良いキャリア発達、という流れになっていて、チャレンジングといった概念も組み込まれていて、目先のストレスからの脱却のみを目的としていないトータルな観点から捉えた構成になっている点が共感できました。

 結局、うつ状態などから回復して仕事をしていたとしても、キャリア発達などの点で充足感が無いとまた同じ状態に戻るかも知れず、これは、別にうつ病で入院した人に限らず、うつ的気分に陥りがちなビジネスパーソン全般に言えることかも。

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This page contains a single entry by wada published on 2007年10月 8日 01:36.

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【748】 ○ 上野 玲/江花 昭一 『デキるヤツほどウツになる―ビジネスマンのためのメンタルケア読本』 (2003/06 実業之日本社) ★★★☆ is the next entry in this blog.

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