【735】 △ シェリル・レイモルド (小林 薫:訳) 『最高の上司とは何か―リーダー実践マニュアル』 (1987/02 PHP研究所) ★★★

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'80年代のリーダーシップ・マニュアルの1つ。マニュアルであると同時に啓蒙書。

boss.JPG  最高の上司とは何か  リーダー実践マニュアル.jpg  Being a Boss.jpg
最高の上司とは何か―リーダー実践マニュアル』['87年]『リーダー実践マニュアル―最高の上司とは何か (PHP文庫)』['94年] ペーパーバック版

1分間マネジャー.jpg '80年代に多く訳出されたリーダーシップ・マニュアルの1つとも言えるもので、1時間で読める手軽さは、『チーズはどこへ消えた?』('00年/扶桑社)のS・ジョンソンらが書いた『1分間マネジャー』('83年/ダイヤモンド社)の流れを汲むものと言えます(訳者も『1分間マネジャー』と同じく小林薫氏)。

 原題は"Being a Boss"で、第1章に「ナンバーワンの上司になるための7つの秘訣」とあり、その中で、「専門家としての専門知識・技能領域を拡げること」を最初にもってきているのには共感しました。
 やはり、専門知識が無い、現場を知らない、誰が何しているのか状況が掴めていない上司というのは、部下から頼られる存在とはなりえないでしょう。

 以下各章にわたり、「勝つチームづくり」や「仕儀の委ね方」「部下に最善を尽くさせる方法」などが、ビジネス場面における事例とあわせ述べられていますが、至極真っ当なことが書かれている分、以前読んだときよりはインパクトを感じませんでした。
 書かれていることは現代でも充分に通じることばかりなのですが、タイトルから過度の期待を抱かないほうがいいのでは...。

 第2章に「いかにして権威をもつか」というのをもってきていて、落ち着いた態度の見せ方や信頼と権威を表すボディランゲージなどについて解説されており、このあたりはアメリカ的だと思いました。

 この「リーダー実践マニュアル」シリーズでは、ほかに、G・ホーランド『ビジネス会議の運営術』('87年)なども読みましたが、ともに、マニュアルであると同時に啓蒙書であるという印象を持ちました(定期的に読み返せば、それなりに効果があるかも)。

 【1994年文庫化[PHP文庫]】

《読書MEMO》
●「ナンバーワンの上司になるための7つの秘訣」(第1章)
1.専門家としての専門知識・技能領域を拡げること
2.コミュニケーションの技術を磨くこと
3.熱意を涵養すること
4.拓かれた心を保つこと
5.実績に対して考慮を払うこと
6.上司に近づきやすい環境をつくること
7.自分のスタッフを尊敬すること


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