【729】 ○ 佐藤 敦 『65歳雇用延長時代の人事担当者のための年金ガイド (2007/01 九天社) ★★★☆

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初学者向けの参考書として使える。よく網羅している分、基本ポイントの解説にとどまる。

65歳雇用延長時代の人事担当者のための年金ガイド.jpg 『65歳雇用延長時代の人事担当者のための年金ガイド』〔'07年〕 60代社員の手取りを下げずに人件費を下げる方法教えます.jpg 『60代社員の手取りを下げずに人件費を下げる方法教えます!―5年間で1人あたり最大1,000万円の削減も!』〔'06年〕

 全10章の構成で、厚生年金だけでなく国民年金についても、また老齢給付だけでなく障害給付、遺族給付についても解説されていて、初学者向けの参考書としても使えます。

 その中で、タイトルの「65歳雇用延長時代」ということに最も深く関わってくるのが第8章の「高齢者雇用における最適賃金設計」で、在職老齢年金、高年齢雇用継続基本給付金、併給調整について解説したうえで、60歳以降の最適賃金設計について実務的観点から解説されています。

 さらに、法改正等を踏まえ、第9章で「年金の繰り上げ・繰り下げ受給」、第10章で「離婚時の年金分割」について解説されていて、よく網羅されているという印象を受けました。

 網羅的である分、章あたりの解説があっさりしたものになってしまった感じもしますが、基本的なポイントを押えるという意味では、かえってこの方が簡潔明瞭でわかりよいということも言えるかも知れません。
 
 高年齢者雇用対策に的を絞った再雇用制度の構築を検討するのであれば、同じ著者の前著『60代社員の手取りを下げずに人件費を下げる方法教えます!―5年間で1人あたり最大1,000万円の削減も!』('06年/九天社)の方が参考になるかも。
 本書は、そうした本を読む際の前提知識を得るための参考書的ガイドブックとみていいと思います。
 
《読書MEMO》
●章立て
序章 公的年金の概要
第1章 厚生年金に加入する事業
第2章 厚生年金・国民年金に加入する社員
第3章 厚生年金・国民年金の保険料
第4章 老齢基礎年金
第5章 老齢厚生年金
第6章 障害給付
第7章 遺族給付
第8章 高齢者雇用における最適賃金設計
第9章 年金の繰り上げ・繰り下げ受給
第10章 離婚時の年金分割

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