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海馬や扁桃体の機能を楽しく知ることができる。
『海馬/脳は疲れない (ほぼ日ブックス)』['02年/朝日出版社] 池谷 裕二 氏 (大脳生理学者)
若手脳研究家の池谷裕二氏とコピーライターの糸井重里氏の、頭のよさや脳の使い方などをテーマとした対談。
脳科学の本を何冊も読んでしまった人には物足りなさもあるかもしれませんが、自分にとっては、海馬や扁桃体の機能を楽しく知ることができる本でした。
シナプスをうまく作れない神経細胞は死んでいく(アポトーシス)というのが、免疫システムにおける「自己」を識別できないキラーT細胞がアポトーシスにより死ぬのと似ていて面白いと思いました。
系統立てて対談が進行しているわけでは無いので、断片的なウンチクしか残らないのですが、自分の脳の可能性はともかくとして(諦めてはいけないか!)、脳の不思議さを改めて感じます。
【2005年文庫化[新潮文庫]】
《読書MEMO》
●脳の中で好き嫌いを扱うのは扁桃体、情報の要不要の判断は海馬(24p)
●区切りのいいところからあと数行書いて休憩をとった方がうまくいく(72p)
●海馬の大きさは小指ぐらい、ネズミの海馬は脳の半分ぐらいを占める(122p)
●海馬が無くなったら新たな記憶を製造できなくなり5分位しか記憶がもたない
●扁桃体の「感情」記憶はより本質的、蛇を怖いと思う→生命を守る(128p)
●海馬は記憶を蓄えるのではなく、情報の要・不要を判断し、他の部位に記憶を蓄える(134p)
●夢は、海馬が行う睡眠中の情報整理(寝ないと1日の記憶ができない)(199p)
●シナプスをうまくつくれない神経細胞は殺される(アポトーシス)(222p)
●モーツァルト「2台のピアノのためのソナタ」聴いたあとIQがあがる(ただし、30分から1時間しか効果は続かない)という研究がある(242p)
●池谷裕二は学部進学のときも大学院進学のときもトップ成績だったが、いまだに九九ができない(261p)-暗記メモリーでなく、経験メモリー