【364】 △ 濱田 隆士(監修) 『恐竜を掘りにいく―謎だらけの生態を解き明かす最新恐竜学』 (2002/06 青春出版社PLAYBOOKS INTELLIGENCE) ★★★

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大人が読み物として気軽に読める恐竜学の入門書。

恐竜を掘りにいく.jpg 『恐竜を掘りにいく―謎だらけの生態を解き明かす最新恐竜学』 プレイブックス・インテリジェンス 〔'02年〕

大恐竜を掘りにいく.jpg 「恐竜」は子どもだけでなく大人のロマンも誘います。本書は、地球科学、恐竜学研究の第一人者で福井県立恐竜博物館館長でもあり、児童向けの恐竜本などの監修も多く手がけている濱田隆士東大名誉教授の監修によるもので、大人が読み物として気軽に読める恐竜学の入門書になっています。
 地球の歴史は地質年代上、
 ◆「先カンブリア紀」(46〜5.4億年前)、
 ◆「古生代」(5.4〜2.45億年前)、
 ◆「中生代」(2.45億年前〜6500万年前)、
 ◆「新生代」(6500万年前〜現代)
 に分けられ、生物は35億年前、多細胞生物は6億年前に地球に登場しますが、恐竜の時代といわれるのは「中生代」であり、恐竜が地球にいたのは1.5億年の間で、これは〈地球の歴史〉の33分の1に過ぎないけれど、〈人類の歴史〉の80倍にあたるとのこと。

 「中生代」はさらに、
 ◆「三畳紀」(2.45〜2.08億年前)、
 ◆「ジュラ紀」(2.08〜1.45億年前)、
 ◆「白亜紀」(1.45億年前〜6500万年前)
 に分かれます。
 例えばティラノサウルス(Tレックス)が出てくるのは白亜紀後期になります。

ブロントザウルス.jpg こうした基本事項をしっかり押さえた上で、よく挿絵や映画であるような、 ジュラ紀の巨大恐竜が鎌首を白鳥のように持ち上げているのは嘘であるとか、一般の思い込みを覆す指摘も多く、興味深く読めます。

 一般にも関心が高いと思われる「恐竜絶滅」に関しては、有力説から俗説まであげて説明しています。
 やはり、「巨大隕石衝突説」と「大規模火山活動説」が有力みたいです。
 近年の研究では「隕石説」が一歩リードのようですが、最近のNHKスペシャル「地球大進化 46億年・人類への旅」('04年)では「火山活動説」を結構推していたような気がします。
 サイエンス・ファンには目が離せない論点の1つだと思います。

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This page contains a single entry by wada published on 2006年9月 2日 01:10.

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