【183】 ○ 宮城 まり子 『キャリアカウンセリング (2002/03 駿河台出版社・21世紀カウンセリング叢書) ★★★★

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キャリアカウンセリング理論をバランスよく網羅している。

キャリアカウンセリング959.JPGキャリアカウンセリング.jpg      clip_image002.jpg 宮城まり子氏(略歴下記)
キャリアカウンセリング』('02年/駿河台出版社)

 キャリアカウンセリングの理論・方法・進め方、意思決定のプロセスなどがバランスよく網羅された入門書だと思います。
 キャリアコンサルタントの資格試験の参考書としてよく纏まってるという点ではベストで、この1冊でほぼ合格点は取れるのではないかと思います。自分自身、マーカーで線を引き引きして使いましたが、記述問題で出たアセスメントに関する質問は、本書に書かれている内容で完璧に対応できたと思います(試験主催機関の出題傾向にもよるが)。
 つまり別な言い方をすれば、択一問題レベルにとどまらず、記述問題に対応できるレベルであると言ってよいかと思います。と言っても、この1冊で終わらないようにしたいものです(自戒をこめて)。

IMG_3163.JPG もともと「受験参考書」ではなく(そうした本はキャリア・コンサルタント、キャリア・カウンセラーの養成機関などから別に出版されています)、キャリアカウンセリングの「入門書」であり、また本書において解説されているキャリア・アンカー、プランド・ハップンスタンス、トランジションといった言葉は、最近多いキャリア行動に関する書籍にしばしば登場する言葉ですので、その方面に関心がある人が読んでも、概念把握を誤らずに基礎知識を得る上で参考になるかと思います。

《読書MEMO》
●特性因子理論(43p)/職業指導の父パーソンズ(20p)
●スーパーの理論...(発達論的アプローチ)→ライフステージ・自己概念
●ホランドの理論...(パーソナリティアプローチ)→6つの性格タイプ(現実・研究・芸術・社会・企業・慣習)
●クランボルツの理論...(意思決定論的アプローチ)→計画された偶然性
●シャインの理論...キャリア・アンカー
●シュロスバーグの理論...トランジッション・ノンイベント
●ハンセンの理論...人生の4要素...仕事・学習・余暇・愛)の統合、意味ある全体

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宮城 まり子
早稲田大学大学院心理学専攻修士課程修了。臨床心理士として臨床活動を行い、1992年より産能大学、2002年より立正大学心理学部助教授。大学教育の傍ら外部EAP機関(精神科)にて臨床活動を行う。専門はカウンセリング、キャリア心理学、生涯発達心理学、産業組織心理学。主著「キャリアカウンセリング」(駿河台出版)など。

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