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バランスがとれ、わかりやすく、かつ深みのある考察。
佐々木直彦 氏(略歴下記)
『キャリアの教科書』('03年/PHP研究所)
エンプロイアビリティの基本能力を 専門能力/自己表現力/情報力/適応力とし、雇われ続ける能力に限定せず、転職を可能にする能力、やりたい仕事を続けるための能力という観点を示しているのが新鮮でした。
企業のエンプロメンタビリティ(雇う力)にも言及していてバランスがとれています。
本論では、エンプロイアビリティ向上のために実践し(フィールドワーク)考え(コンセプトワーク)人とつながる(ネットワーク)ことの重要性を、図解やケーススタディと併せ、またキャリア行動に関する理論を引きながら、わかりやすく具体的に説いていています。
プレゼン能力の大切さを特に強く訴えている点など、プランナーでありコンサルタントである著者の体験からきているかと思いますが、何のために自己表現するかというところまで踏み込んでいて、考察に深みを感じます。
ただ、図説の中にはいかにもプランナーが描きそうな矢印の多用が見られ、洗練されたイラストや写真も時には邪魔に感じられることがあったのが残念でした。
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佐々木直彦 (ささき なおひこ)
一橋大学社会学部卒業。リクルート、産業能率大学研究員を経て、現株式会社メディアフォーラム代表取締役。組織変革、営業・顧客リレーション改革、リクルーティング、キャリア創造などのコンサルティングに携わる。一方、トップから内定者まで、さまざまな階層を対象とした「プレゼンテーション」「問題解決」などに関するセミナーの講師をつとめる。著書に『大人のプレゼン術』『キャリアの教科書』(いずれもPHP研究所)、『コンサルティング能力』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仕事も人生もうまくいく人の考え方』(すばる舎)ほか。
《読書MEMO》
●エンプロイアビリティの基本となる4つの能力...
1.専門能力
2.自己表現力
3.情報力
4.適応力(26p)
●エンプロイアビリティの3つの観点...
1.雇われ続けるためのエンプロイアビリティ
2.好条件での転職を可能にするためのエンプロイアビリティ
3.やりたい仕事をやり続けるためのエンプロイアビリティ
●企業のエンプロイメンタビリティ(45p)
●3つのワーク(フィールドワーク/コンセプトワーク/ネットワーク)(60p)
●グランボルツ博士のプランド・ハップンスタンス・セオリー(96p)