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「●日経文庫」の インデックッスへ
ネーミングの実践的な手法解説と併せて、新たな発見が満載。
『ネーミング発想法』 日経文庫 〔'02年〕
コピーライターの書いたネーミングの本というのは職人芸を披露しているようなところがありますが、本書は日経文庫らしく(?)、ベーシックな入門書という感じです。
「DoCoMo」「au」「BIGRLOBE」などのネーミング開発を手掛けた「ジザイズ」という会社(この会社名がネーミングの法則から外れて濁音を敢えて多用しているというのが面白い)の社長である著者は、ブランド戦略の第一歩としてネーミングを位置づけ、造語メカニズムを解き明かし、商標登録など権利問題にも触れています。
ですから、本書で「方法」を知ることができても、「発想力」がつくかどうかは別の話だと思います。
ただし、本書の中核を成す、「方式に則って造語する『言葉の発明』」、「辞書の中から見つけ出す『言葉の発見』」、「視点を変えたネーミング発想法」の各章は、たいへん面白かったです。
実践的な手法の解説と併せて、「クルマの名前ってこんなにラテン系言語が多いのか」といった新たな発見が満載です。
そう言えば、著者も大阪外大のイスパニア語学科出身でした。
《読書MEMO》
●ネガティブミーニング(カルピス、モスバーガー、クリープ...)(37p)
●混同されやすい3文字(UFJ (United Financial of japan) とUSJ)(72p)
●雑誌名...サライ(ペルシャ語で「宿」)、じゃらん(インドネシア語で「道」(77p)
●乗用車(98p)...
ラテン語...アルデオ(輝く)、イプサム(本来の)、プリウス(より前に)
スペイン語...セフィーロ(そよ風)、ドミンゴ(日曜日)、エクシード(盾)
イタリア語...アルテッツァ(高貴)、ジータ(小旅行)、ピアッツァ(広場)