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「●光文社新書」の インデックッスへ
読みやすいが、一般の人が応用するのは難しい面も。
『すべてはネーミング』光文社新書 〔'02年〕
"売れる"ネーミングとは何かを、自らの経験をベースに、読みやすい語り口で説いています。また、ネーミングの"売り込み"におけるプレゼンテーションの重要性にも触れていて、広告宣伝の世界を垣間見ることができます。
以前に、業界の草分け的存在である土屋耕一氏の『コピーライターの発想』('84年/講談社現代新書)という本を読んで、なかなか面白かったのですが、土屋氏の弟子第一号を自認する著者も、すでにベテランの域に(何だか職人の系譜という感じ)。
「11PM」の企画で「ふんどし」に名前をつける話などは面白いけれど、ちょっと年代を感じます。
洗濯機の「からまん棒」や新宿「MyCity」、雑誌「saita」などもこの人の仕事。
六本木ヒルズに新規出店('01年11月)した食品スーパーマーケット(FOO:D magazine)のネーミングの話もあります。
本書にはありませんが、「新生銀行」「JAL悟空」なども著者が手掛けたもので、トップランナーとしての息の長さを感じます。
都市型スーパーマーケット「FOO:D magazine」のそのネーミングに至るまでの話は、名付け作業以前のマーケティングの重要性を感じました。
西友が展開する店ですが、店舗内に「SEIYU」のロゴは一切使われてませんね。この高級スーパーは。
それと、特に感じるのは、近年の仕事に共通する、ロゴなどのビジュアルの重要性でしょうか。
こうなってくると、専門家と職人のコラボレーションの世界で、興味深くはあるものの、一般の人が応用するのは難しい面もあるかもしれません。
、体系的な入門書ではないけれど、こうした本をキッカケにコピーライターを目指す人もいるのだろうなあという気はしました。