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プレゼンを総体的に把握。欠点もあるが、得るところが大きかった。
『プロフェッショナル・プレゼンテーション』 (2003/02 東洋経済新報社)
◆プレゼンテーションの全体像 (まとめ)
本書ではプレゼンテーションの構成を「コンテンツ」と「デリバリー」に分け、さらに前者を「ストーリーライン」と「ビジュアルエイド」に分けて考え方や技法を提示しています。
「コンテンツ」とは言うまでもなく、中身をどう作るかということであり、「デリバリー」とはオーディエンス(聞き手)にどう届けるか、つまりどう発表するかということですが、この構成を最初に示すことで本自体の全体像が掴みやすくなっていて、また"説得的プレゼンテーション"という概念提示をすることで内容がシャープになっています。
世の中には企画の書き方の本も、Power Pointの使い方の本も、発表の仕方の本も多くあり、それらは本書で言うところの「ストーリーライン」、「ビジュアルエイド」、「デリバリー」にそれぞれ該当するわけですが、3つ揃って初めてプレゼンテーションと言えるはずなのに、こうした3つ揃えてしっかり解説した本を今まで見かけなかったのが不思議です。
◆ストーリーラインをつくる (まとめ)
「ストーリーライン」構築の説明部分が特にしっかりしていて(〈演繹法〉と〈帰納法〉の部分など一部において説明がやや"くどい"部分もありましたが、人事企画やコンサルティングなどの実務でも念頭に置くべきことが多く記されているように思いました。
最終章「デリバリー」部分(高橋氏の執筆部分)が口述筆記か書き流しという感じでいかにも"箔付けのための名前貸し"という印象を受けるなど、いくつか欠点もありますが、全体としてそれを補うだけの得るものがある本でした。
《読書MEMO》
●プレゼンの構成=コンテンツ(ストーリーライン・ビジュアルエイド)とデリバリー
●コンテンツ作成の流れ= キーメッセージの明確化 → 論理構築 → 根拠の証明 → ストーリー設計 → ビジュアル作成
●MECE(ミーシー)...モレがなくダブりがない(42p)
●政策メッセージの3つの根拠=必然性・効用・実現可能性(68p)