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使えば Excel の100倍便利!と思える。データベースは使う人が自分で作ろう!
『Accessはじめてのデータベース―Access2003/2002/2000対応』 (2004/03 技術評論社)
電卓計算した数値を Word で入力していた人が、同じことが Excel で出来ることを知ったとき、「ああ、Excel は Word の100倍便利だ!」と思っても不思議ではありませんが、ある意味それは、Access と Excel の関係でも言えます。
1つの数値を訂正するだけで、関連する100個の表の数値も一瞬にして直る―これを Excel でやろうとすると、使用関数やリンク設定を記憶しておく必要がある場合が多く、Access が使えれば「ああ、Access は Excel の100倍便利だ!」と思えることになるのでは。
本書は、「住所録を作る」で終わっているように、入門の入門、基礎の基礎というべきレベルのものですが、データベースの概念について若干触れている点で、初学者には薦めやすいものです。
この本のデータベース理論の解説も、ほんのサワリだけで充分とは言えませんが、世の中には、こうした話も端折って、テーブル、クエリ、フォーム、レポートの関係さえ充分に示さないまま、「さあ、テーブルを作ろう」みたいな感じで各論に入っていくマニュアル本が多く、学習者は今学んでいることの「意味」が判らず、マニュアルの最後まで辿りついた"奇特な"人だけが、「ああ、こういう関係性の中でのテーブル、クエリ、フォーム、レポートだったのか」と事態が飲み込める―だったら最初にそう言ってよ、と。
データベースは(Accessd で作れるような一定レベルのものであれば)、仕事でそれを必要としている人がプレーンな状態から自分で作るのがベストで、外注先などとのプロジェクト作業で作成してもよいのですが、仕事の流れがよく判っていない人に丸投げしたばっかりに、使いづらいものを我慢して使用している(あるいは、更新しなくなり死んでいる)ケースも結構ありますネ。もったいない。
【2009年改訂3版】