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情報環境の急速な変化とともに読み方が変わらざるを得ない本。
『「超」整理法〈3〉』中公新書 〔'99年〕『「超」整理法2 捨てる技術』中公文庫
『「超」整理法』('93年/中公新書)からのシリーズ第3弾ですが、中公文庫版の方では本書が『「超」整理法2』となっているように、『「超」整理法』の「押し出しファイリング」論の続編のような内容です。
「押し出しファイリング」で溜まってきた情報を捨てるノウハウとして、"とりあえず捨てる仕組み"である「バッファー・ボックス」を提唱しています。さらに「バッファー・ボックス」には、「受入れバッファー」と「廃棄バッファー」があると。
本書の提案の中核である「廃棄バッファー」は、PCの「ごみ箱」にあたるとしていますが、多分、そのPCの「ごみ箱」から逆発想したのではないでしょうか。
しかし以前は「ポケット一つの原則」を提唱していたのに、どんどんボックスが階層化してくるのは仕方ないことなのでしょうか。
この本の通りやると、ボックス(箱)だらけになることはある程度覚悟する必要があるのではという気もしますし、個人で仕事している人などで、実際にそうなっている人もいます。
でも、サーバーやハードディスクにある電子情報がマスターで、紙情報は大体の所在がわかればいいという人も多い。
そうした人の中には、「本」についてもPC内に書庫データベースを持てば同様だと言い切る人もいます。
著者のように、大量の蔵書や学生レポートなどを扱う大学教授などはそうはいかないのかも知れませんが...。
本書は'99年の刊行ですが、すでに(著者の予見通り)PCの(ハードディスクの)"大容量時代"を迎え、情報環境が当時と変わってしまった部分もかなりあると思いました。
【2003年文庫化[中公文庫(『「超」整理法2』)]】