「●M&A」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【734】 中村 聡一 『企業買収の焦点』
一般社会人向けのM&Aの入門書として最適。刊行時の直近の話題も豊富。
『これくらいは知っておきたい>図解でわかるM&A』 (2005/07 日本実業出版社)
本書は1項目を見開き2ページずつまとめ、右ページに必ず図解を配していますが、この図やイラストがそれぞれに本文内容のエッセ ンスをうまく表していて、理解の助けとなり、後で読み直すときも便利です。
なぜM&Aが行われるかその目的を示し、狙われやすい会社や、買収が実際にどのように進められ防衛策はどのようなものがあるのかを、事例をあげながら解説しています。
やはりライブドアとフジテレビを巡る話が、単独の事例としても、また様々な用語の解説の中にも多く出てきます。
そうしたものをうまく解説に取り入れているので、一般書としてはかなり広い範囲を網羅しているにもかかわらず身近な感覚で読めるのも特長です。
本書は'05年7月刊ですが、制御機器メーカーの「ニレコ」が計画していた新株予約権を活用したポイズン・ピル(毒薬条項)を裁判所が差し止めた('05年6月)といった本書出版直近の事例までカバーしていて、"時機"を捉えて発刊された本と言えます。
《読書MEMO》
●札束の脅迫、グリーンメール(114p)
●生え抜きがオーナー社長になるMBO(116p)
●相手のフンドシで相撲をとるLBO(118p)
●ポイズン・ピル(134p)
●企業を救うゴールデン・パラシュート、ティン・パラシュート(136p)
●白と黒の騎士、ホワイトナイト、ブラックナイト(138p)
●パックマン・ディフェンス(140p)
●焦土作戦、スコーチド・アース(142p)
●クラウン・ジュエル・ロックアップ(144p)
●サメよけ戦略、シャーク・リペラント(146p)
●株式の非公開、ゴーイング・プライベート(118p)
●委任状の争奪戦、プロキシ・ファイト(158p)