【077】 ○ 山田 秀雄 『Q&A 「社員の問題行動」対応の法律知識 (2003/08 日経文庫) ★★★★

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ジェンダーハラスメントなど今日的テーマを多くとりあげている。

Q&A%20「社員の問題行動」対応の法律知識.jpg 『Q&A 「社員の問題行動」対応の法律知識』 (2003/08 日経文庫)

may I help you?.jpg 雇用リストラを行ったり成果主義の浸透する企業内では、窒息するかのようにトラブルや問題行動を起こす社員が増えている傾向を生じやすく、企業側としてはそれらへの対応を一歩誤ると、不当解雇とされて訴訟問題に発展したりする恐れもありますし、セクハラ問題などが表ざたになれば企業イメージや社員のモラールの低下にもつながりかねません。

 本書は、問題が起こる前に企業がとるべき予防策としてのコンプライアンス徹底と、問題が起きた場合の迅速な対応について、勤務時間、勤務態度、私生活上の問題、セクハラや人間関係、仕事能力や人事考課・賃金、情報漏えい、会社との対立、転勤・異動、退職といった広い範囲にわたり、それぞれに起こりうる具体的な問題例とその対応をQ&A形式でコンパクトにまとめてあります。

 女子社員のお茶くみの問題(ジェンダーハラスメント)や内部告発の問題(ホイッスルブロワー)など、今日的テーマや問題を多くとりあげているところに特徴があるかと思います。
 中には実際にそうした状況に遭遇してみなければ判断の難しい問題もありますが、企業側と社員の双方が、他人を尊重する人権意識と品格ある行動規範を持つことが大切であるという本書の主張を前提に置いて対処すべきなのでしょう。

《読書MEMO》
●会社の裁量で欠勤を有給休暇に振りかえることは可能(56p)
●架空領収書は、他人印章を使用したり、記載業者が実在のものであれば、「私文書偽造罪」(66p)
●業務上の人身事故は、車の所有者でなくとも、会社が責任を負う(「運行供用者責任」)(76p)
●女性社員の意に反しての不要なお茶汲みはジェンダー・ハラスメントの恐れ(106p)
●ホイッスルブロワー(内部告発者)(170p)
●社宅契約は、利用料が相場の数分の1だと賃貸借契約にあたらない(182p)
●退職願の撤回...通常、「合意解約」の申し込み。

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