【062】 △ 梅森 浩一 『面接力 (2004/11 文春新書) ★★☆

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この本と相性が合う人は、今まで面接で相当苦戦をしている?

面接力.jpg 『面接力』(2004/11 文春新書)  梅森浩一.jpg 梅森 浩一 氏 (略歴下記) クビ.jpg

 ベストセラーとなった『「クビ!」論。』('03年/朝日新聞社)から『「サラリー」論。』('04年/小学館)と読み進んで、この著者の著作には特定の外資系企業で行われていることを過度に一般化して語る傾向があると感じ、少し気になっていたのですが、本書に関しては、的が「面接」に絞られているせいか、それほど違和感が無く、内容的にもマアマアまとまっています。

 ただしこうした本の当然の帰結ですが、結局のところ対話力、コミュニケーション力が大切という当たり前の話に落ち着いてしまいます。
 面接のテクニックも一応は示していますが、ダメな例はよくわかるものの、良い例というのは今ひとつピンときません。
 これは、良い受け答えというのは本来ユニークなものであって、こうして本に書かれ一般化されてしまえば陳腐化してしまうということもあるのではないかと思います。
 それでも、面接を受け続けている間は、結果に一喜一憂し、逆に自分のことがわからなくなることもあるので、セルフチェック用に読めなくもありません。「そっかあ〜」みたいな感じでしっくりくる人もいるかもしれません。
 まあ、相性のようなもので、皮肉な見方をすれば、この本と相性が合い過ぎる人というのは、今まで面接で相当苦戦をしているかも知れない...と勝手ながら思うのです。

 それと、タイトルが、面接を受ける側にとっての「力」なのか、面接をする側にとってのそれなのかわかりにくいのもどうかと。
 結局双方にとってのことのようですが、時々どちらに対して言っているのかわからなくなるような書き方が気になりました(この人の今までの著作も大体において、企業・人事部担当者と一般サラリーマン・学生の両方に向いているのですが)。
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梅森 浩一 (アップダウンサイジング・ジャパン代表)
1958年生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、三井デュポン・フロロケミカルに入社。1988年チェース・マンハッタン銀行に転職。1993年、35歳でケミカル銀行東京支店の日本統轄人事部長に就任。以後、チェース・マンハッタン銀行、ソシエテ・ジェネラル証券東京支店で、人事部長を歴任。
主な著書に『「クビ!」論。』(朝日新聞社)『面接力』(文春新書)『残業しない技術』(扶桑社)『超絶!シゴト術』(マガジンハウス)『梅森浩一のサクッ!と手帳2007』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など多数。

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This page contains a single entry by wada published on 2006年8月13日 12:29.

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