【030】 ◎ 浜辺 陽一郎 『執行役員制度―導入のための理論と実務』 (2003/08 東洋経済新報社) ★★★★★

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執行役員制度導入にあたってまず何を決めるべきかがわかる。

執行役員制度―導入のための理論と実務.jpg執行役員制度―導入のための理論と実務』('03年改定版) 浜辺陽一郎 (はまべ・よういちろう).jpg 浜辺 陽一郎 氏(弁護士・早稲田大学大学院法務研究科教授)

030.gif 執行役員制度について、執行役との違いも含めた法的な位置づけから、規程の策定など導入の実務までが、詳しくわかりやすく書かれています。
 初版が'99年で、その後'00年、'03年と改版されていますが、当初から貫かれている本書の特徴として、執行役員とは委任契約なのか雇用契約なのかを先ず論じ、結局は導入する会社によって自由に定められるものであるとしていることがあげられるかと思います。
 そして、それぞれを採用した場合のメリット・デメリットを示し、以降に続く制度や規程の作り方、選任や解任、報酬や退職金の問題もすべて、委任型・雇用型・混合型に区分してそれぞれ説明していることにあります。

 わかりやすく言えば、「委任型」とは取締役に近いもので、就任するときに社員身分を喪失するため、退任したら役員と同じで後が無い(顧問や参与という形で残ることは考えられますが)もので、「雇用型」は社員としての雇用身分を維持しながらの就任となるため、退任しても原則として一般社員の身分に復帰するものです。
 
 執行役員制度を導入するにあたってまず決めること、それは委任契約とするか、雇用契約とするか、それとも双方が混合した契約とするかを明確にすること、それによって制度の意味合いから作り方まで大きく違ってくるということがよくわかる良書です。

 【1999年初版/2000年第2版/2003年第3版/2008年第4版】

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