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最初の頃は2メール半と小さくて、ボディの光沢も影も無かった鉄人28号。

『鉄人28号』1.jpg『鉄人28号』1-3.jpg 『鉄人28号』24.jpg
鉄人28号 原作完全版 1 希望コミックス』 『鉄人28号 24 (希望コミックススペシャル)

『鉄人28号』少年.jpg『鉄人28号』終わり.jpg 横山光輝(1934-2004/69歳没)の漫画『鉄人28号』は、月刊誌「少年」の1956(昭和31)年7月号別冊付録として連載が開始され、1966(昭和41)年5月号別冊付録まで続きました。1966年「少年」での人気第1位を続けている中、作者はストーリー展開の限界を感じて漫画の連載を終了していますが、その後繰り返しリメイクが行われ、派生作品が制作されたりしています。

アニメ 鉄人28号2.jpg テレビアニメ版の方は漫画連載が始まって8年目、1963(昭和38)年10月20日から 1966(昭和41)年5月25日までフジテレビ系列で放送され、全84話でした。ただし、一旦終了した後、3か月後に新作13話が放送され、それ等を加えると全97話となります。ただし、こちらも、漫画の連載終了と同じ頃に放送終了していることになります。

『鉄人28号』1-24.jpg 漫画版は、2005年11月より「巨匠・横山光輝『鉄人28号』執筆50周年記念」プロジェクトとして潮出版社と光プロダクションの共同企画の元、コミックス未収録の読み切り8本を加えたこの「原作完全版」の毎月の刊行が始まり、2007年9月に全24巻で完結しています(横山光輝の元アシスタントとコンピュータによる最新技術で痛んでいた原画を復元したとのこと)。

鉄人28号 カッパ・コミックス1.jpg鉄人28号 1 (サンデー・コミックス).jpg 今読み直してみて興味深いのは「鉄人の開発計画」がどのようなものであったかで、連載版とカッパコミックス版の2種類が存在しますが、「原作完全版」はカッパコミックス版ではなく連載版を収めています。太平洋戦争時、日本軍が敷島博士を中心とした開発陣により乗鞍岳の地下の研究所で進めた軍用ロボット開発計画が発端で、1号から26号まで失敗して27号でやっと成功するもこれも実用に至らず、さらに28号の起動実験が行われるが失敗、戦争末期、ロボット研究を諦めた敷島博士らは孤島の秘密兵器工場へ特攻機の研究のため移されるが、研究所を米軍に空爆され、鉄人の真実を知る者はいなくなり、戦争は終わる―。
『鉄人28号(カッパ・コミックス)(1)』['64年]『鉄人28号 1 (サンデー・コミックス) 』['89年]

鉄人27号
『鉄人28号』誕生.jpg『鉄人28号』27.jpg ある日(現在)、敷島邸にギャング団が強盗に押し入ったところへ、鉄人26号を駆使する怪人が現れ、さらに各地でロボットによる強盗事件が相次ぎ、続いて鉄人27号(このときは鉄人28号と思われていた)も登場し、市街地で大暴れします。一方、敷島博士は実は生きていて、乗鞍岳の研究所内で鉄人28号の開発にあたっており、そこへ鉄人27号とギャング団とそれを追う警察が乱入、正太郎(職業は探偵)たちに敷島博士は開発中のロボットを指し、「本物の鉄人28号はあれなんだ」と言う。ただし、本物の鉄人28号も制御不能で、27号と闘ってやっつけた後に暴走する―。

 ということでやっと本物の28号の登場ですが、その後、正太郎がリモコンを手にするのはまたずっと先で、手にした後も、敵にリモコンを奪われたり、それを取り返したりで、このあたりは「ある時は 正義の味方 ある時は 悪魔の手先」という主題歌の通りであることはよく知られているところです。

『鉄人28号』1-2.jpg 気になるのは鉄人の大きさで、光文社文庫「鉄人28号」第11巻に収録されている作者本人の「"昔の漫画"と"今の漫画"」というエッセイでは、「身長が2メートル50センチ」と書かれてい「鉄人28号」アニメ.jpgて、そう大きくなかったようです。実際、漫画版の最初の頃はそれくらいの大きさで、それが大きな相手と戦ううちに次第に大きくなっていったようで、1963年のモノクロアニメ版では10メートルくらいにまでなったようです。さらにその後もリメイクなどに際して巨大化がなされ、2004年のリメイク版アニメでは、担当プロデューサーと監督が横山光輝氏の元を訪問し、その時18メートルに決定したそうです。

『鉄人28号』24-1.jpg 漫画の方は、本編連載終了の10年後の1976年に「月刊少年ジャンプ」に掲載された最後の読み切り作品では、正太郎と敷島博士が鉄人の手に乗って運ばれるシーンがあり、これは「原作完全版」の第24巻に収録されているほか、第24巻の表紙絵にもなっていて、これを見るとゆうに20メートル以上はありそうです(因みに、「原作完全版」の表紙絵は、第1巻からほぼこの大きさで統一されている)。この1976年版に限らず、本編でも最終話の「怪物ギャロン」(1966)の頃には初登場時より鉄人はかなり大きくなっているようにも見えます(本稿上右の「連載終了の挨拶」ではやや元のサイズに近い大きさに戻している感じもするが)。

   第24巻収録「新作鉄人28号 コンピューター殺人事件の巻」(1976)

第1巻収録「鉄人28号」(1956)/第3巻収録「一大決戦」(1957)
『鉄人28号』1-1.jpg『鉄人28号』32.jpg また、鉄人の描かれ方として、当初はボディの光沢と影を描かず、見方によってはゴム製にでも見えるようなタッチが続いていましたが、次第にメッシュ状の影などが描かれるようになり、遂にはボディの光沢と影は必須表現となり、重量感が強調されるようなタッチに変貌を遂げています(これも「原作完全版」の表紙絵は、第1巻から光沢と影のあるボディとなっている)。

 第1巻には前述のとおり鉄人28号が鉄人27号とを取っ組み合いするシーンなどがあるし、初期の鉄人は後の鉄人と顔つきや体つきが違って見えたりすることもあったりして、なかなか興味深いです。また、これは第1巻に限ったことではないですが、同じストーリの中でも鉄人の描かれるサイズがどう見ても変わっているというマニアックな発見もあります。


アニメ 鉄人28号 1.jpg「鉄人28号」アニメt.jpg「鉄人28号」●演出:庵原和夫/渡辺米彦/山本功/若林忠雄/上金史朗/瀬古常時/河内功/松木功●脚本:岡本欣三/大野満男●音楽:越部信義(主題歌:西六郷少年合唱団(一部資料ではデューク・エイセス))●原作:横山光輝●出演(声):高橋和枝/矢田稔/富田耕生/久野四郎/加茂喜久/田畑明彦/安藤敏夫/高津杏子/梅屋かおる/浦野光/安田隆/白石冬美/はせさんじ/森山周一郎/永山一夫/藤本譲/兼本新吾/富山敬/坂本新兵●放映:1963/10~1965/05(全84回)●放送局:フジテレビ

 
『鉄人28号』オリジナル版.jpg
復刊ドットコムは2016年から2017年にかけて、「鉄人28号」連載60周年を記念し、雑誌掲載時の体裁を忠実に再現した「鉄人28号《少年 オリジナル版》 復刻大全集」全7ユニットを刊行していた。そして今年['22年]4月から、新たに「鉄人28号《オリジナル版》」が刊行されることになった。これは、その「鉄人28号《少年 オリジナル版》復刻大全集」をベースにしたもので、同じ収録作品を新たな仕様で楽しめるようになっているとのこと。

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昭和30年代から40年代にかけての忍者ブームの「牽引役」に。

伊賀の影丸 少年サンデー.jpg伊賀の影丸1.jpg 隠密剣士放送開始50周年記念 甦るヒーローライブラリー.jpg 忍者部隊月光ポスター.jpg 仮面の忍者赤影 (第1巻).jpg
伊賀の影丸 (第1巻) (Sunday comics―大長編忍者コミックス)』/「隠密剣士放送開始50周年記念 甦るヒーローライブラリー 第1集 隠密剣士 傑作選集 デジタルリマスター版 [DVD]」/「忍者部隊月光」ポスター/『仮面の忍者赤影 (第1巻) (Sunday comics)
「週刊少年サンデー」
「週刊少年サンデー」 1966年第6号 2月13日号
年サンデー 1966年2.jpg 『伊賀の影丸』は、漫画家の横山光輝(1934-2004/69歳没)が1961(昭和36)年か'ら1966(昭和41)年に「週刊少年サンデー」に連載して人気を博した作品ですが、個人的にも面白かった(というかハマった)記憶があります。貸本版が復刻されていますが、「少年サンデー」の連載の思い出があり、リアルタイムで読んだのは後半の方でしょうか(影丸は幕府隠密だったんだね)。子ども時代に夢中で読んだ人は多かったと思います。

 司馬遼太郎のところで、1958(昭和33)年に発表された『梟の城』が「昭和30年代の忍者ブームの火付け役にもなった」と書きましたが、漫画では、白土三平の『忍者武芸帳 影丸伝』(1959 -62年)が丁度この頃であり、白土三平はこの後、『サスケ』(1961-66年)、『カムイ伝』(1964 -71年)といった作品を発表していきます(『忍者武芸帳』は'67年に大島渚により原画をそのまま写すスタイルで映画化された)。

 これらを忍者ブームの「火付け役」とするならば、この『伊賀の影丸』は、その後長く続くことになるブームの「牽引役」であったと言えるのではないでしょうか。この漫画によって黒装束に鎖帷子という忍者の視覚的イメージを確立したそうです。
 個々の忍者同士の忍術合戦と伊賀チーム・甲賀チーム(甲賀七人衆)としての駒(コマ)取り合戦の複合というスタイルは、やはり、本作以前に人気のあった山田風太郎の小説『忍法帖シリーズ』の影響なども受けているようですが、一方で、この作品自体も、「仮面ライダー」など後の多くの作品やテレビ番組に影響を与えたようです。

隠密剣士op.jpg隠密剣士2.jpg 忍者ブームを作ったと言えば、当時、「隠密剣士」(1962-65年)というチャンバラ時代劇もありました。大瀬康一(デビュー作は「月光仮面」)演じるヒーローである柳生新陰流の使い手・秋草新太郎は、腹違いの兄が11代将軍・徳川家斉であるという設定。当初は普通の時代物チャンバラ劇でしたが(早稲田大学グリークラブ出身のボニージャックスが主題歌「江戸の隠密剣士22.jpg隠密渡り鳥」を唄っていた)、ある時期からこの秋草新太郎の敵役がすべて忍者になり、剣戟シーンが特撮化していったという経緯がありました。
 この番組の特撮は、今見ると手作り感があってレトロムード満点ですが、当時としてはなかなかのものだったのではないかと思います。海外でも放映されて人気を博し、出演者は放送終了後から何年も経ってからオーストラリアへ海外公演に行っていますが、大瀬康一ら当時の役者たちは、テレビで演じたことと同じことをステージで生で再演することが出来たそうで、オーストラリアでの公演は大好評だったそうです。

忍者部隊月光02.jpg 「隠密剣士」がほぼ"忍者もの"化した時分には、「忍者部隊月光」(1964-66年)という現代版忍者が活躍するアクションドラマまで登場しました。これも人気を博し、オーストラリアでも放映されて、月光役水木襄3.jpg水木襄は、取材に来たオーストラリア人記者に、「今この場で消えて見せてくれ」と言われたそうです。水木襄は後に実業家に転じてスナック経営などをしていたものの、最近になって、'91年に53歳で自殺死していたことが明かされています(遺体の発見された自宅には、自身の出演した作品のポスター等が所狭しと飾られていたという(2010年9月14日付「デーリー東北新聞」))。

 最初の頃はオープニングで、女性隊員・三日月(森槙子)がダムの向こうにいる敵を拳銃で撃つと、リーダーの月光(水木襄)が「バカ!撃つ奴があるか、拳銃は最後の武器だ。我々は忍者部隊だ」と一喝する忍者部隊月光 三日月/銀月 33話.jpg場面があったりもしました。これ、ある種"忍者の美学"でしょうか。デューク・エイセスが唄う山上路夫作詞の主題歌が懐かしいです(「鉄人28号」の主題歌もデューク・エイセス)。主題歌の他にエンディング曲の「忍者部隊のマーチ」というのも良かったです(因みに、月影の殉職、三日月の交代について水木襄はスナック経営者時代に、男女問題による降板であったことを仄めかす証言をしている)。
「忍者部隊月光」(第33話)三日月(森槙子・中央)と銀月(加川淳子・右)の交代シーン

忍者部隊月光.jpg 空をとび 風を切り
 すすみゆく忍者 正義の味方
 姿は見せずに 現れ消える
 弾丸の中も なんのその
 おお 命をかけゆくぞ
 月光 月光 忍者部隊

(山上路夫作詞)

写真中央:水木襄('91年自殺死)
   
「少年忍者風のフジ丸 白土三平.jpg少年忍者風のフジ丸 2.jpg 更に、白土三平(1932-2021/89歳没)の貸本漫画集『忍者旋風』(1959年)や少年マガジン連載の『風の石丸』(1960年)を原作ベースとした「少年忍者風のフジ丸」(1964-65年)などもあって、放映はフ「少年忍者風のフジ丸 TV.jpgジテレビ(CX)」ではなくNET(現・テレビ朝日)。「藤沢薬品工業」の提供だったため「フジ丸」というネーミングになったもので(主題歌の最後に「ふじさわ~、ふじさわ~」という歌詞が入る)、作画は、白土三平の影響を受けたという久松文雄でした(この作品に続く久松氏の作品が、彼の代表作となる「スーパージェッター」('65年))。

仮面の忍者赤影1.jpg仮面の忍者赤影2.jpg 一方、「伊賀の影丸」の横山光輝が原作の「仮面の忍者赤影」(1967-68年)というのもあって、これも「忍者部隊月光」と同じく実写版、イケメンの赤影(坂口祐三郎)が、大凧を操る熟年忍者の白影(牧冬吉)、少年忍者の青影(金子吉延)と共に活躍するというもので、CX系の関西テレビの制作ですが、脚本・音楽等のスタ週刊少年サンデー★1967年 昭和42年 2月26日.jpgッフがTBS系の「隠密剣士」と重なっており、昭和30年代に始まったこの「忍者ブーム」が、昭和40年代前半ぐらいまで続いたことが窺えます。

「少年サンデー」1967年2月26日号

「仮面の忍者赤影」第2部.jpg飛騨の赤影.jpg 漫画版の『仮面の忍者赤影』は、1966(昭和41)年から「週刊少年サンデー」(11月6日号)で連載がスタートし(『伊賀の影丸』の後継連載ということになる)、1966年11月6日号~67年1月15・22日合併号までのタイトルは「飛騨の赤影」だったのが、TV版の放映が決定して1967年1月29日号から「仮面の忍者 赤影」に変わっています(同年5月7日号まで連載)。これも懐かしい漫画ですが、TV版との大きな違いは、赤影自身が少年忍者っぽい点でしょうか。前半部分がTV版でのストーリーに使われたのに対し、タイトルをTV版に合わせた後半部分は漫画版のオリジナル・ストーリーになっており、作者のサービス精神が感じられます(後にアニメ版('87-'88年)も作られた)。 
隠密剣士3.jpg
隠密剣士1.jpg
「隠密剣士」●演出:船床定男/外山徹●製作:小林利雄●脚本:加藤泰/伊上勝●音楽:小川寛興(主題歌:ボニージャックス「江戸の隠密渡り鳥」)●出演:大瀬康一/牧冬吉/勝木敏之/小林重四郎/天津敏/三島謙/石川竜二/灰地順/種村正/梅沢薫/安田隆久/森正樹●放映:1962/10~1965/03(全130回)●放送局:TBS
 
忍者部隊月光o.jpg忍者部隊月光.bmp「忍者部隊月光」●演出:土屋啓之助●製作:梅村幹比古/佐川滉●脚本:西田一夫/高久進/藤川桂介●音楽:渡辺宙明(主題歌:デューク・エイセス「忍者部隊月光」(作詩・山上路夫、作曲・渡辺宙明))●原作:吉田竜夫●出演:水木襄/渚健二/石川竜/山口暁/中山昭二/広川太一郎/森槙子/沖竜次/九重京司/須永恒/国方伝/金沢重勝/大月ウルフ/岡竜弘/原田一雄/松井明和/近藤圭三/浅沼創一/加川淳子/小島康則/山本磯六/手塚しげお/園浦ナミ→/吉田亜矢●放映:1964/01~1966/03(全118回)●放送局:フジテレビ 

風のフジ丸2.jpg「少年忍者風のフジ丸」2.jpg風のフジ丸.jpg「少年忍者風のフジ丸」●演出:白川大作/矢吹公郎/田宮武●原案/木谷梨男/福原宗司●脚本:飯島敬/志原弘/内田弘三●音楽:服部公一●原作:白土三平(第28話まで)●作画/久松文雄●出演(声):小宮山清/芳川和子/山本嘉代子/芳川和子/加藤みどり/伊藤牧子/中川謙二/久富惟晴●放映:1964/06~1965/08(全65回)●放送局:NET(現・テレビ朝日)

仮面の忍者 赤影.bmp0仮面の忍者赤影ges.jpg「仮面の忍者赤影」●演出:倉田準二/山内鉄也/曽根勇/小野登●製作:高田正雄/平山亨/加藤哲夫●脚本:伊上勝●音楽:小川寛興●原作:横山光輝●出演:坂口祐三郎/金子吉延/牧冬吉/里見浩太郎/天津敏/大辻伺郎/汐路章/楠年明/大泉滉/倉丘伸太郎●放映:1967/04~1968/03(全52回)●放送局:関西テレビ

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美しく再現されたカラーページが懐かしい。もしかして「鉄人28号」より強いのではと...。

完全版「鉄のサムソン」.jpg鉄のサムソン1.jpg鉄のサムソン2.jpg鉄のサムソン - 完全版.jpg  横山光輝.jpg 横山光輝(1934-2004/享年69)
鉄のサムソン―完全版』(2010/04 小学館クリエイティブ)

復刻「鉄のサムソン」4巻セット.jpg 1962(昭和37)年から1964(昭和39)年にかけて小学館の学年誌「小学一年生」('62年1月号~'64年8月号)から持ち上がりで「小学四年生」まで連載された横山光輝(1934-2004/享年69)によるロボットSF漫画です。「鉄人28号」から「魔法使いサリー」まで幅広い創作活動をし、「三国志」など中国史モノにも強かった漫画家でした(『三国志』(全60巻)は全巻持っているのだが、なかなか再読できないでいる)。

 この「鉄のサムソン」は1991年に「アップルBOXクリエート」から復刻版(全4巻)が刊行されていたものの、とうに絶版となり入手困難となっていたところ、2010年に「小学館クリエイティブ」から第1部と第2部を復刻し、2冊を一函に収め、複製原画を付録につけた函入りの豪華限定版として刊行されました(同年には『鉄のサムソン』の後連載の『みどりの魔王』も復刻)。

 「完全版」というのは、(雑誌からではなく)原画から"完全再生"したことを指し、元のストーリー自体は「ガイタンクの巻」「第2部:サタン博士の巻」「第3部:海賊ロボットの巻」の通算32回の連載から成っています。

てつのサムソン.jpg 「サムソン」は「鉄人28号」と同様リモコンで少年に操られ、悪と戦う巨大ロボット。なぜその少年「のぼる君」がサムソンを操っているのかというと、近所のマッドサイエンティストから偶々サムソンを譲り受けたということで、完全に少年の個人所有物となっています(因みに「鉄人28号」は、太平洋戦争中に秘密兵器として開発されたものが、戦争が終結して使われずに眠っていたという設定)。まあ、この辺りはかなり緩い状況設定ですが(「鉄腕アトム」の生みの親・天馬博士もマッドサイエンティストと言えばそういうことになる)、動かない時のサムソンは野晒しになっていて何だか寂しそう。個人が格納庫を有するはずもありませんが、メンテナンスは大丈夫なのか? 「小学3年生」1968年8月号(連載第30回) 「てつのサムソン - 横山光輝「光ロボ」と昭和の操縦」より

鉄のサムソン―完全版2.jpg 本書は"完全"と謳うだけに原画から復刻したカラー部分が美しく再現されています。連載時は巻頭にカラーページがあった時と無かった時がありましたが、改めてカラーで見るとほれぼれします(価格も相応に高いけれど)。夕焼け空をびゅーんと飛んでいくサムソンを夢想した子供時代の記憶が甦ってきました。テレビアニメのイメージが浮かぶ「鉄人28号」に対し、こちらは雑誌漫画のイメージで(テレビアニメ化されなかった)、個人的に懐かしい作品です。

 「鉄人28号」の初出は月刊「少年」1956(昭和31)年7月号で、テレビアニメ「鉄人28号」は1963(昭和38)年から1965年まで全83話がフジテレビ系で放送されていますが、そうすると、「鉄のサムソン」の後半部分の連載時期は、「鉄人28号」のアニメ放映の前半部分と重なっていたことになります。「鉄人28号」も強いイメージはありますが、「鉄のサムソン」は自分より遥かに図体のデカい「ガイタンク」と戦って勝ったことで、もしかして「鉄人28号」より強いのではないかと思ったりもしていたことを思い出します。

アニメ 鉄人28号2.jpgアニメ 鉄人28号 1.jpg「鉄人28号」●演出:庵原和夫/渡辺米彦/山本功/若林忠雄/上金史朗/瀬古常時/河内功/松木功●脚本:岡本欣三/大野満男●音楽:越部信義(主題歌:西六郷少年合唱団(一部資料ではデューク・エイセス))●原作:横山光輝●出演(声):高橋和枝/矢田稔/富田耕生/久野四郎/加茂喜久/田畑明彦/安藤敏夫/高津杏子/梅屋かおる/浦野光/安田隆/白石冬美/はせさんじ/森山周一郎/永山一夫/藤本譲/兼本新吾/富山敬/坂本新兵●放映:1963/10~1965/05(全84回)●放送局:フジテレビ

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