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装丁、絵本、漫画、アニメ、グッズやオリジナル作品を収め、保存版として貴重なムック版。

柳原良平の仕事.jpg 柳原良平の仕事 TVCM.jpg  柳原良平の装丁.jpg
柳原良平の仕事 (玄光社mook)』['15年](29.9 x 21 x 1 cm)『柳原良平の装丁』['03年]
柳原良平(1931-2015)
柳原良平.jpg 2015年8月に84歳で亡くなった、イラストレーター、デザイナーで、船の画家でもあり、アンクルトリスの生みの親でもある柳原良平(1931-2015)の仕事集。このムック版が初めての本格的仕事集とのことですが、上記に加え、漫画家、文筆家としても知られたように、仕事の範囲がかなり広範に及び、また晩年まで活動していたため、本人が亡くなってやっとこうしたものが刊行されるということになるのでしょう。装丁、絵本、漫画にアニメーション、さらにはグッズやオリジナル作品まで、900点以上を図版に収めています。

トリスを飲んでハワイへ行こう!TVCM.jpgトリスを飲んでハワイへ行こう!.jpg柳原良平の仕事 アンクルトリス.jpg まず最初に、アンクルトリス誕生の初期の作品を紹介しています。柳原良平はよく知られているように、サントリーの前身「寿屋」の社員だったわけですが、50年代の終わりから60年代にかけて、広告の変遷を通してアンクルトリスのキャラクターが確立されていく過程が見えて、なかなか興味深いです。

アニメーション3人の会.jpg でも、1959年にはもうテレビコマーシャルになっているのだなあ。1960年に、久里洋二、真鍋博と「アニメーション3人の会」を結成していますが、その時点でアニメーション経験があったのは柳原良平だけで、「寿屋」に所属していたというのは大きかったと思います(「3人の会」上映会は'60年、'61年、'63年の3回行なわれ、'64年の第4回からは一般公募と海外からの招待作品も含めて上映する「アニメーション・フェスティバル」へと発展し(-1966)、日本の自主制作アニメーション界全体の活性化と次代を担う人材の育成につながったほか、和田誠、横尾忠則、宇野亜喜良など他の分野で活躍していたアーティストがアニメーション制作を行なう契機となり、虫プロダクションを設立したばかりの手塚治虫も実験的な短編を制作して参加した)。

柳原良平の仕事 新社会人広告.png 1978年から約20年続いた山口瞳(1926-1995)との新社会人を激励する新聞広告(全国紙の4月1日朝刊に掲載)も懐かしいです。広告代理店に入社して、4月1日の入社式が終わった後の研修で、講師である役員から「読んだか」と訊かれ、即答できず皆ぼーっとしていたら怒鳴られたのを覚えています(広告業界の者にとって必見の広告。ましてや自身が訴求ターゲットである新社会人であることからして、これを読まずに会社に来るなんてトンデモナイということか)。

 仕事全体としては、装丁を手掛けた書籍が300冊以上に及び、挿画や新聞連載漫画、絵本の製作などもあり、絵本では『かお かお どんなかお』などベストセラーもあります(絵本、思っていたより結構多かった)。本書に収められているものでは、新聞連載漫画などは興味深く(サラリーマン漫画などを描いている)、また珍しいのではないでしょうか。初期作品の図版なども貴重であり、オリジナルの絵画(船の絵)もあります。

柳原良平の装丁ード.jpg 全体を通してみると、やはり装丁の仕事が最も多いという印象で、全体的な仕事集としてはこのムックが初とのことですが、装丁集としては以前に『柳原良平の装丁』('03年/DANぼ)が出され柳原良平の装丁 山口.jpgており、柳原良平は当時72歳でしたが、それまでに装丁を手掛けた約300冊の内、50年代~2003年までの200冊以上の装丁を収録しています。

 一番多いのは、「寿屋」宣伝部で共に広告制作を担当した山口瞳の本であり、まあ、「山口瞳の本と言えば柳原良平の表紙」というイメージになるでしょうか。遠藤周作や八切止夫、開高健(山口瞳と同じく「寿屋」の同僚)、筒井康隆や阿川弘之、北杜夫の本も手掛けています。それでも結構絞り込んでいる感じ新入社員諸君 角川.jpgもしますが、では、装丁を手掛けた作家とは付き合いがあるのかというと、八切止夫や筒井康隆の本は何冊も手掛けているのに、作家本人には会ったことがないと述べているのが意外でした(最期まで会うことはなかったのだろうか?)。

 どちらも楽しめますが、『柳原良平の仕事』の方がムック版で判型が大きく、それだけ多くの内容を取り込んでいるという感じでしょうか。保存版として貴重です。

《読書MEMO》
●「3人の会」第2回上映会(1961年12月)チラシ(デザイン:和田誠)
3人の会 2-1.jpg

3人の会2-2.jpg

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