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自分の経験を作品に"昇華"させることにより自らの明日を切り拓いていく(自己セラピー?)。

人間仮免中 卯月妙子.jpg人間仮免中』 失踪日記 吾妻 ひでお.jpg失踪日記』 失踪日記2 アル中病棟.jpg失踪日記2 アル中病棟

 『人間仮免中』は、2012(平成24)年度「『本の雑誌』編集部が選ぶノンジャンル・ベスト10」第1位。

人間仮免中1.jpg 夫の借金と自殺、自身の病気と自殺未遂、AV女優など様々な職業を経験―と、波乱に満ちた人生を送ってきた私は、36歳にして25歳年上の男性と恋をする―。

 '12(平成24)年に刊行された、'02年刊行の『新家族計画』以来10年ぶりとなる作者の描き下ろし作品ですが、単行本刊行時から話題なり、作家の高橋源一郎氏が「朝日新聞」の「論壇時評」(2012年5月31日朝刊)で紹介(推奨)していたり、同時期によしもとばなな氏、糸井重里氏といった人たちも絶賛しており、更には漫画家ちばてつや氏が自らのブログで「ショックを受けた」と書いていたりしました。

『人間仮免中』

 作者の病気とは「統合失調症」であり、衝動的に歩道橋から飛び降り、顔面を複雑粉砕骨折...この作品ではそれ以降のリハビリの日々が描かれていますが、まず思ったのは、動機らしい動機もないままにふわ~と歩道橋から飛び降りて、何の防御姿勢もとらずに顔面から地面に激突したというのが、統合失調症らしいなあと(そう言えば、昨年['13年]8月にマンションから転落死(飛び降り自殺)した藤圭子も、一部ではうつ病と統合失調症の合併障害だったと言われていたなあ)。

 夫の自殺で経済的苦境に陥ったとは言え、いきなりグロ系AV女優の仕事をするなどし、また飛び降りによる顔面骨折で顔がすっかり"破壊"されてしまうなど、経験していることが一般人のフツーの生活から乖離している分、恋愛物語の部分や家族との絆の部分の温かさが却ってじわっと伝わってくる感じでした。

 統合失調症(かつては「精神分裂症」と呼ばれていた)は罹患した個人によって症状が様々ですが、共通して言えるのは「常識」が失われるということであると、ある高名な精神科医(木村敏)が書いていたのを以前に読みましたが、この作品で言えば、病院のスタッフに対する被害妄想意識などがその顕著な例でしょう。統合失調症の一般的な病症についても書かれており、「闘病記」としても読めます。

 但し、Amazon.comのレビューには、読んでいて辛くなるというのも結構あり、身内にうつ病者がいて自殺したという人のレビューで、「精神病の人は自分の事しか考えていません。読んで再度、認識しました」という批判的なものもありました。

『失踪日記』('05年).jpg漫画家の吾妻ひでお.jpg この作品を読んで思い出されるのが、'05(平成17)年3月にこれもイースト・プレスから刊行された漫画家・吾妻ひでお氏の『失踪日記』('05年)で、こちらは'05(平成17)年度・第34回「日本漫画家協会賞大賞」、'05(平成17)年・第9回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞」、'06(平成18)年・第10回「手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞しました。過去に「漫画三賞」(小学館や講談社といった出版社が主催ではない賞であることが特徴の1つ)と言われるこれら三賞すべてをを受賞した漫画家は吾妻ひでお氏のみです(このほかにフリースタイル刊行「このマンガを読め!2006」ベストテン第1位も獲得)。「日記」と謳いつつも"創作"の要素が入っていることを後に作者自身が明かしています。

 『失踪日記』にしてもこの『人間仮免中』にしても、もし作者が自分や周囲の人々の苦しみをストレートに描いていたら、あまりに生々しくなり、ユーモアの要素が抜け落ちて、コミック作品としては成立しなかったのではないかと思われます。『人間仮免中』についてのAmazon.comのレビューには、「意外と悲惨に感じなかった」というのもありましたが、個人的な印象はそれに近く、そうした印象を抱かせるのは"作品化"されていることの効果ではないかと。

 一方で『人間仮免中』の場合、最後はやや無理矢理「感動物語」風にしてしまったキライもありますが、こうしたことからも、作者の場合は創作活動が自己セラピーになっている面もあるのではないかと思われました。大袈裟に言えば、自分の経験を作品に"昇華"させることによって、自らの明日を切り拓いていくというか...。

失踪日記 夜を歩く.jpg 吾妻ひでお氏の『失踪日記』は、うつ病からくる自身の2回の失踪(1989年と1992年のそれぞれ約4か月間)を描いたものでした。1回目の失踪の時は雑木林でホームレス生活をしていて、2回目の失踪の時はガス会社の下請け企業で配管工として働いていたという具合に、その内容が異なるのが興味深いですが、1回目の失踪について描かれた部分は「極貧生活マニュアル」みたいになっていて、2回目は下請け配管工の「お仕事紹介」みたいになっています。

 1回目の失踪で警察に保護された際に、署内に熱烈な吾妻ファンの警官がいて、「先生ともあろうお方が...」とビックリされつつもサインをせがまれたという話は面白いけれど、事実なのかなあ。熱心な吾妻ファンである漫画家のとり・みき氏と1995年に対談した際に、「失踪の話はキャラクターを猫にして...」と言ったら、「吾妻さんが(ゴミ箱を)あさったほうが面白いですよ(笑)」と言われて、その意見も参考にしたとも後に明かしています。
『失踪日記』

 『失踪日記』も、個人的には、自らの経験を漫画として描くことが自己セラピーになっている面もあるのではないかと思うのですが、作者はこの失踪事件から復帰後、今度はうつ病の副次作用からアルコール中毒に陥り、重症のアルコール依存症患者として病院で治療を受けていて(但し、本作『失踪日記』が世に出る前のことだが)、この経験も「アル中病棟」(『失踪日記2-アル中病棟』('13年10月/イースト・プレス))という作品になっています。

 最後ばたばたっと"感動物語"にしてしまった『人間仮免中』よりは、「極貧生活マニュアル」乃至は「お仕事紹介」になっている『失踪日記』の方が、ある意味"昇華度"(完成度)は高いように思われますが、繰り返し"うつ"になってしまうということは、吾妻ひでおという人は根本的・気質的な部分でそうした素因を持ってしまっているのだろうなあと思われる一方で、「アル中病棟」退院後は断酒を続けているとのことで、セラピー効果はあったのか。

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「21世紀」が「20世紀」の"解題"になってない。大風呂敷、拡げてたたまずの感。編集者が作品に口出しするのも良し悪し。

20世紀少年 全巻.jpg21世紀少年下.jpg21世紀少年 上.jpg20世紀少年22.jpg『20世紀少年 22』
映画「20世紀少年」.jpg『21世紀少年 (上・下)』

 '99(生成11)年から'07(平成19)年まで「ビッグコミックスピリッツ」で連載され、「小学館漫画賞」「日本漫画家協会賞」「講談社漫画賞」「文化庁メディア芸術祭優秀賞」などを受賞した作品。'08年には堤幸彦監督により映画化されました('08年公開は全3部作のうち第1部のみ)。

 ケンヂたちが少年時代に遊びで作った「世紀末預言書」の内容が、成長した彼らに現実となって襲いかかり、ケンジとその仲間たちは地球を救うため立ち上がる―。

 話は、ケンヂ達の少年時代('70年前後)と「血の大晦日」('00年)前後を行き来し、そして「ともだち暦」(2015年)にはいり、最終章では『21世紀少年』と改題されていますが、24巻で一つの作品と見てよいものです。

プロフェッショナル仕事の流儀 0701.jpg ストーリーテラーらしい複雑な物語構成と、世界制覇を企む「ともだち」とは何者かという〈大きな謎〉で、ぐいぐい読む者を引っぱっていく力量はさすがで、相変わらず飽きさせません。ところが、気宇壮大であることは結構なのですが、「21世紀少年」と改題までされた結末部分が、実際の"解題"とはなっておらず、「大風呂敷、拡げてたたまず」といった感じで終わってしまっていて、『MONSTER』の読後感のようなカタルシスは得られませんでした。

漫画家・浦沢直樹 氏 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」('07年1月18日放送)

 NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に、'07年1月に作者・浦沢氏が、11月には漫画原作者で浦沢作品の編集者でもある長崎尚志氏が出演していましたが(両方の放送を見ると、長崎氏の浦沢作品に対する関与の度合いの大きさがわかる)、長崎氏に言わせれば、浦沢作品は複雑なことをわかりやすく伝えているのが魅力であり、また、わからないものにこそ人は魅力を感じると―。

長崎尚志.jpg 今回は、「ともだち」とは誰かという謎を敢えて謎のまま残そうとした意図が見てとれますが、これは長崎氏の強い意向ではないだろうかと思いました。ところが、その答えが意外とミエミエなのは、浦沢氏のサービス精神(?)が出てしまったためで、それなのに無理矢理ミステリアスに仕立てようとする、そうした不整合が、ストーリーを収束し切れなかったり、矛盾を生じたりする原因になっているような気もしました。

漫画原作者・長崎尚志 氏 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」('07年11月6日放送)

20世紀少年 一場面.jpg 少年期の壮大な想いや仲間同士の結束・反目というのは、大人になっても無意識に抱えているものかも知れず、それが表面化し再現されるという設定も悪くないのですが、やはり結末が...。

 スティーブン・キングの作品(この人のも、途中から何でもありになってしまうものが多いと思うが)や映画「ターミネーター2」を想起させられる部分がありましたが、読後は、ストーリー(編集者の影響が及ばぶ部分)よりも、作者の自分史に重ねた昭和の時代(万博とか)への郷愁や、昭和漫画(ナショナルキッドとか)に捧げたオマージュの方が印象に残りました(編集者の影響が及ばない部分)。

 編集者が作品に口出しすることの良し悪しを考えさせられます(ましてや、長崎氏は自身が漫画原作者でもある)。良い方向に転ぶ場合が無いとは言えませんが...。

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センセーショナリズム? 暴走気味の主人公の独善が気になる。

ブラックジャックによろしく.jpg                 ブラックジャックによろしくドラマ3.jpg
ブラックジャックによろしく (1)』 〔'02年〕 「ブラックジャックによろしく 涙のがん病棟編 [DVD]」妻夫木聡

立花隆.bmp '02(平成14)年に第1巻が刊行され第6回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門」で優秀賞を受賞した(その後、'04(平成16)年・第33回「日本漫画家協会賞」大賞も受賞)このシリーズは、あの立花隆氏が絶賛、氏曰く―、「(この漫画は)いまやコミックを超え、ノンフィクションを超え、文学すら超えて、我々の時代が初めて持った、知・情・意のすべてを錬磨する新しい情報メディアとなった。これからの時代、『ブラックジャックによろしく』を読んで悩み苦しんだことがない医者にはかかるな、と言いたい」と、ものすごい褒めようで、東大での講義素材にも使ったりしていますが、確かに医療現場においてあるかもしれない問題を鋭く突いているなあという感じはします(実態とかけ離れているという現場の声もあったようですが)。

ブラックジャックによろしく1.jpg この第1巻では、研修医の劣悪な労働条件や治療よりも研究を優先する大学病院の内実を抉っていて、続く第2巻で主人公の研修医は、大学病院の面目を潰してまでも患者を市井の名医に診せたりしています(なかなかの行動力)。

ブラックジャックによろしく がん病棟編.bmp 第3巻、第4巻でダウン症の生前告知を通して新生児医療の問題を扱っていて(これは感動しました)、第5巻~第8巻のガン告知の問題を扱っているところまで読みましたが(この部分は'03年にTBS系でテレビドラマ化されたシリーズの中では取り上げられず、翌年の正月にスペシャル版としてドラマ化された)、その後も精神障害とマスコミ報道の問題を扱ったりしているようで、どちらかと言うとジャーナリスティックな(悪く言えばセンセーショナリスティックな)路線を感じます。

 それはそれでいいのですが、主人公の正義感がややもすると暴走的な行動に表れ、主人公の独善に思えてきます。山崎豊子の『白い巨塔』では、この種の"正義感"を揶揄するような描き方がありましたが、この漫画は、「強者は悪者で、善なる者は弱者」みたいな構図の中で、弱者にはどんな非常手段も許される...みたいなを感じがあるのが引っかかります。

Er.jpgER 緊急救命室.jpg 同じ「青臭さ」でも、個人的には、テレビドラマ『ER』初期の研修医時代の"カーター君"みたいな、周囲に対するセンシビリティのあるタイプの方が好きなのですが、多分、立花氏は、自分とは違った視点でこの作品を見ているのだろうなあと。
   
  
  

ブラックジャックによろしくドラマ2.jpg
ブラックジャックによろしく47.jpg
「ブラックジャックによろしく」●演出:平野俊一/三城真一/山室大輔●チーフプロデューサー:貴島誠一郎●脚本:後藤法子●音楽:長谷部徹●原作:佐藤秀峰●出演:妻夫木聡/国仲涼子/鈴木京香/加藤浩次/杉本哲太/松尾政寿/綾瀬はるか/今井ブラックジャックによろしく  緒形拳.jpg陽子/伊東四朗/泉ピン子/原田芳雄/笑福亭鶴瓶/吉田栄作/横山めぐみ/浅茅陽子/石橋凌/伊東美咲/藤谷美紀/阿部寛/鹿賀丈史/小林薫/薬師丸ひろ子/三浦友和/緒形拳●放映:2003/04~06(全11回)●放送局:TBS

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大人でも解けない問題を子どもの前にシンプルな形で提示している。

2ブラック・ジャック.jpgブラック・ジャック (1) (少年チャンピオン・コミックス) .jpg          ブラック・ジャック.jpg
ブラック・ジャック (1) (少年チャンピオン・コミックス)』['74年] 『ブラック・ジャック 1 [新装版] (1)』秋田書店 〔'04年〕
『ブラック・ジャック (全25巻)』(1974 /秋田書店・少年チャンピオン・コミックス)

 '73(昭和48)年11月から'83(昭和58)年10月まで約10年にわたり「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に連載された医療漫画の元祖で、今だこれを超える医療漫画はないとされている手塚治虫の代表作。'75(昭和50)年度・第4回「日本漫画家協会賞」の特別優秀賞、'77(昭和52)年度・第1回「講談社漫画賞(少年部門)」を受賞しています。

 この作品を発表する前頃の作者は、少年誌の世界では既に古いタイプの漫画家とされ、'73年に自らが経営していた虫プロ商事が倒産、それに続いて虫プロダクション(既に経営者を退いていた)も倒産し、個人的にも巨額の借金を背負うことになったこともあって、「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)の壁村耐三編集長の「手塚の最期を看取ってやろう」という厚意で始まった連載だったそうですが、この作品で作者は起死回生の大復活を果たすことになります。

ブラック・ジャック2.jpg このマンガがスゴイなあと思うのは、大人でも解けないような問題を、子どもでも読めるシンプルな形で提示しているところで、例えば、第17話の「二度死んだ少年」で、ブラック・ジャックが命を救った少年が結局は死刑になるという話。これを読んだ子どもはどう考えるのでしょうか。「子どもの死刑」など、小説では成り立ちにくい設定かもしれませんが、その点はマンガの利点を活かしていると思います。でも、こうしたテーマに対する答えを出すのは大人にも難しいでしょう。

 テレビアニメ化されましたが、1話当たりが長くなっているため、原作の本筋は変えないものの、"装飾品"が多くなってしまっている感じがします。それと、何だかやたら明るいのです。原作のタッチはもっと暗いし、ストーリーもゲッというようなものもあります(少年チャンピオン・コミックスでも最初のうちは「恐怖コミックス」と銘打っていた)。

瞳の中の訪問者 映画チラシ.jpg瞳の中の訪問者.jpg瞳の中の訪問者 宍戸錠.jpg 後半にいくにつれヒューマンな色合いが強くなりますが、カルト的な楽しみも見出すことも出来ます。例えば第167話の「春一番」は、'77年に脚本・ジェームス三木、監督・大林宣彦で「瞳の中の訪問者」というタイトルで実写版映画化されていて片平なぎさ 新人_.jpg 、'77年に歌手デビューしたばかりのホリプロの"新人"片平なぎさを売り出すためのプロモーション映画ともとれるものでした(「ブラック・ジャック」の実写版は加山雄三と本木雅弘がそれぞれブラック・ジャックを演じたものが知られているが、この作品でブラック・ジャックを演じたのは宍戸錠)。     
瞳の中の訪問者zj.jpg映画チラシ/DVD「瞳の中の訪問者」/サントラLP(廃盤)

瞳の中の訪問者8.gif 珍品というか、今では一種のカルトムービーのような評価になっているようです。原作との対比で見ると面白く、結構笑えます(原作の方がずっとマトモ)。カルト的価値を加味すべきか否か、結局自分でも判断がつかず評価不能ということに(志穂美悦子が意外と可愛い)。

[瞳の中の訪問者.jpg「瞳の中の訪問者」●制作年:1977年●監督:大林宣彦●製作:堀威夫/笹井英男●脚本:ジェームス三木●撮影:阪本善尚●音楽:宮崎尚志●原作:手塚治虫 「春一番(「ブラック・ジャック」)」●時間:100分●出演:片平なぎさ/宍戸錠/山本伸吾/>志穂美悦子/峰岸徹/和田浩治/月丘夢路(特別出演)/長門裕之(特別出演)/(以下、友情出演)千葉真一/壇ふみ/藤田敏八●公開:1977/11●配給:ホリプロ=東宝(評価:★★★?)
瞳の中の訪問者8.png

0「瞳の中の訪問者」.jpg

ピノコ誕生.jpg この新書版(コミックス版全25巻)のほかに、講談社の全集 (全22巻)や秋田文庫(全17巻)などにもありますが、読者クレームなどのため途中で抜いた話もあるようです。ただ、第2巻から登場のピノコも、双子の片割れの「畸形膿腫(きけいのうしゅ)」だったわけで、この話はテレビアニメでも放送開始後1年経ってようやく「ピノコ誕生」というタイトルで放映されましたが...(BJによる"回想"というかたちで)。 

ブラック・ジャックdx.jpg 新書の新装版も刊行中ですが、さらに収録されない作品が出てくるかも。   
講談社 DX版 〔'04年〕

 ピノコについては、この物語を、BJとピノコの恋愛物語(ロリータ愛ということになる)と見る見方もあるようで、ナルホド、ピノコは本当は18歳(18年間、母体内にいた)、だけれども女性というよりは少女、むしろ幼児近い(「人工」の身体という意味では人形にも近い)、こうした女性に成りきらない「女の子」というのは、他の手塚作品でも結構いたことに思い当たります。

ブラック・ジャック 2004 2.jpgブラック・ジャック 2004_.jpg「ブラック・ジャック」●演出:手塚眞●制作:諏訪道彦●音楽:松本晃彦●原作:手塚治虫●出演(声):大塚明夫/水谷優子/富田耕生/川瀬晶子/阪口大助/江川央生/渋谷茂/山田義晴/滝沢ロコ/渡辺美佐/小形満/後藤史彦/佐藤ゆうこ●放映:2004/10~2006/03(全63回)●放送局:読売テレビ

 【1974年コミックス版(全24巻+1巻)・1987年四六判(全17巻)・2001年B6判(全24巻)・2004年新装コミックス版判(全17巻)[秋田書店]/1977年全集・2004年B6判(DX版)[講談社(全22巻)]/1993年文庫化[秋田文庫(全17巻)]/2010年再文庫化[講談社(手塚治虫文庫全集BT)]】

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