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第18話、第19話比べると、個人的には第18話の方がかなり良かった。
名探偵MONK シーズン2 DVD-BOX.jpg 18話「同居人に文句あり」.jpg 19話)/スター誕生1.jpg
名探偵MONK シーズン2 DVD-BOX」/第18話「同居人に文句あり」"Mr. Monk and the Very, Very Old Man"/第19話「スター誕生」"Mr. Monk Goes to the Theater"

第18話「同居人に文句あり」
18話)/同居人に文句あり3.jpg 老人ホームで暮らしていた男性長寿世界一のホリング(パトリック・クランショー)が、115歳の誕生日直前に死ぬ。以前、彼を取材したことがあるーランド警部の妻でドキュメンタリー映画監督のカレン(グレン・ヘドリー)は、彼のクセを熟知し18話)/同居人に文句あり2.jpgていて、ベッドで亡くなったのは、誰かに殺されたからだと言う。捜査を頼み込むカレンに警部は、モンクが殺人だと言えば捜査をすると言い、渋々モンクを現場に派遣するが、警部の意に反してモンクは他殺説を支持する。そこで遺体を掘り起こして検死解剖すると、死因は窒息死だった。この件で妻と喧嘩になった警部は、モンクの家に転がり込むことに―。

18話)/同居人に文句あり1.jpg 115歳の老人の殺人事件の犯人は誰かという話ですが、ストットルマイヤー警部が奥さんと夫婦喧嘩してモンクの家に転がり込んできたサブストーリーの方がメインになっている印象が強く、邦題もそれに沿ったものとなっています。しかし、夜中にいきなり掃除を始めるとはモンクらしいけれど、同居人にすればさすがに文句も言いたくなる? 結局、これに我慢しきれなくなった警部は、最後は自ら奥さんのところに戻ることになり、モンクにお前は最高に結婚生活カウンセラーだと言い放つのが可笑しいです。

Mr Monk and the Very Very Old Man.jpg また、警部は、奥さんが老人の死が他殺であると主張するのに対し、自分はそれが見抜けなかったことで自信喪失になっていましたが、最後は奥さんのドキュメンタリーのビデオを見てモンクに先んじて犯人を推察するという、この辺りの自信回復に至る作りも上手いです。更には、すべてが整然としてしているモンクの家で、リビングのテーブルだけが椅子と平行になっていない(むしろ警部の方がそのことが気がかりになっている)、その謎が最後に明かされるのも良かったです(評価★★★★)。


第19話「スター誕生」
 シャローナはモンクを連れて、妹19話)/スター誕生2.jpgで女優のゲイル(エイミー・セダリス)の舞台を観に来ていた。だが、劇中でゲイルが相手俳優ハルをナイフで刺す場面で、倒れたままのハルは目撃者300人の観客の前で死亡が確認される。最近、交際していたハルに振られたゲイルは、殺人容疑者として拘束されてしまう。娘の芝居を観ようとフロリダからやって来たシャローナ姉妹の母親シェリル(ベティ・バックリー)から捜査の依頼を受けたモンクは、ゲイルの代役として準備万端の様子で張り切るジェナ(メリッサ・ジョージ)に違和感を覚える―。

19話)/スター誕生3.jpg モンクが殺害された俳優のピンチヒッターで舞台に立つことになるなど、変わった趣向で面白かったです。ライバル女優を殺害するのではなく、その元恋人を殺害してその女優に容疑を被せるというのが凝っていて、どうやって犯行に及んだのかと思ったら、共犯者がいたというのも意外でした。でも、300人の観客の前であのような犯行が実際可能なのかと、ふと思ってしまいました(評価★★★)。

 IMDbの評価を見ると、第18話、第19話ともに8.1ポイントとまずまずの評価で拮抗していますが、個人的には第18話の方がかなり良かったでしょうか。
     
MR. MONK AND THE VERY, VERY OLD MAN2.jpg18話)/同居人に文句あり4.jpg「名探偵モンク(第18話)/同居人に文句あり」(Season 2 | Episode 5)●原題:MR. MONK AND THE VERY, VERY OLD MAN●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/07/25●監督:ローレンス・スリリング●脚本:ダニエル・ドラッチ●時間:44分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)グレン・ヘドリー/パトリック・クランショー●日本放映:2004/08/10●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)

Mr. Monk Goes to the Theater 3.jpg19話)/スター誕生0.jpg「名探偵モンク(第19話)/スター誕生」(Season 2 | Episode 6)●原題:MR. MONK GOES TO THE THEATER●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/08/01●監督:ロン・アンダーウッド●脚本:ウェンディー・マス/スチュー・リーヴァイン/トム・シャープリング●時間:44分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)エイミー・セダリス/ベティ・バックリー/メリッサ・ジョージ●日本放映:2004/08/17●放送:NHK-BS2(評価:★★★)

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犯人が誰なのか、わからない話(第16話)、犯人がどうやったのか、わからない話(第17話)。

名探偵MONK シーズン2 DVD-BOX.jpg 名探偵モンク(第16話)/ホームランボールの謎.jpg 名探偵モンク(第17話)/宙を舞う殺人者.jpg
名探偵MONK シーズン2 DVD-BOX」/第16話「ホームランボールの謎」"Mr. Monk Goes to the Ballgame"/第17話「宙を舞う殺人者」"Mr. Monk Goes to the Circus"

第16話「ホームランボールの謎」
MR. MONK GOES TO THE BALLGAME 01.jpg GPSカーナビの入力先とは違う、見知らぬ工場団地駐車場に誘導された大富豪ローレンスと妻エリン。そこでエリンは銃弾4発を撃ち込まれ、ローレンスも撃たれ、「具はチリ・エビ15枚のピザ」という謎の言葉を残して息絶える。遺体発見時、車にカーナビは無かった。警察はローレンスを狙った犯行だと主張するが、モンクは妻が標的だと断言。彼女がプロ野球のスターMR. MONK GOES TO THE BALLGAME04.jpg選手スコット(クリストファー・ウィール)と不倫関係にあったことを突き止め、彼に会いに行くが―。

MR. MONK GOES TO THE BALLGAME05.jpg 野球選手と心を通わすモンクというのが珍しいですが、愛する者を喪った者同士ということで(野球選手の方は不倫相手なのだが)、もの悲しくもあります。ホームランボールの話が出てくるのはモンクが犯人が誰だか気づく最終盤であり、日本語タイトルはイマイチかも。犯人の殺人の動機としてもやや牽強付会と言うか、確実性は必ずしも高くないかもしれません(評価★★★☆)。


第17話「宙を舞う殺人者」
第17話「宙を舞う殺人者」ド.jpg レストランのオープンテラスで食事をしていたセルゲイが、建物の避難ハシゴから飛び降りてきた人物に撃たれて死亡。犯人はテーブルに飛び乗り、派手な宙返りをして逃げ去る。被害者がサーカス団員だったことから、モンクらは町へ来ているサーカスへ事情聴取に向かう。セルゲイが殺害された際同席していた女性は、犯人は彼の嫉妬深い元妻で軽業師のナターシャだと告げる。モンクはナターシャが犯人だとにらむが、2週間前に骨折した彼女に犯行は不可能だった―。
  
第17話「宙を舞う殺人者」1.jpg 面白かったです。凝っていると思いました(ロマって現代医療を拒否しているのか。そういえばナターシャはテントでジプシーカード占いみたいなことしてたなあ)。ただ、このシリーズにしては珍しくエグい殺人のシチュエーションがあり、実際にそのシーンは映してませんが、その前のゾウのスイカ割りのシーンでモンタージュ効果十分。あれではシャローナはますますゾウ恐怖症になってしまうのではないかなあ(自分を撥ねようとしたクルマの前に立ちふさがってくれただけでは治らない?)。それと、賢い犯人が犯行に使った小道具を"現場"にそのままにしておくとは考えにくく(普通は即回収するでしょう)、サーカスに関係するシーンが本格的だっただけに、そこが惜しかったでしょうか(評価★★★☆)。
  
 第16話「ホームランボールの謎」は犯人が誰なのか、なかなかわからない話(フーダニット)、第17話「宙を舞う殺人者」は犯人がどうやって殺人を犯したのか、なかななかわからない話(ハウダニット)。切り口が違って面白いです。なかなかわからないもので、どちらの話も、モンクがセラピーの最中にクローガー先生(スタンリー・カメル)に事件が壁にぶつかっていることを相談をしてたなあ。

MR. MONK GOES TO THE BALLGAME06.jpg「名探偵モンク(第16話)/ホームランボールの謎」(Season 2 | Episode3)●原題:MR. MONK GOES TO THE BALLGAME●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/07/11●監督:マイケル・スピラー●脚本:ハイ・コンラッド●時間:43分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)クリストファー・ウィール/レイン・ウィルソン●日本放映:2004/07/06●放送:NHK-BS2(評価:★★★☆)
   
第17話「宙を舞う殺人者」2.jpg「名探偵モンク(第17話)/宙を舞う殺人者」(Season 2 | Episode4)●原題:MR. MONK GOES TO THE CIRCUS●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/07/18●監督:ランドール・ジスク●脚本:James Krieg●時間:43分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)ロリータ・ダヴィドヴィッチ●日本放映:2004/07/13●放送:NHK-BS2(評価:★★★☆)

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モンクのキャラも確立し、安定感ある第2シーズンのスタート。第14話、第15話とも愉しめた。

名探偵MONK シーズン2 DVD-BOX.jpg MONK14-0.jpg monk15-0.jpg
名探偵MONK シーズン2 DVD-BOX」/第14話「時計台の殺人」"Mr. Monk Goes Back to School"/第15話「空からの水死体」"Mr. Monk Goes to Mexico"
 主人公のエイドリアン・モンクは、サンフランシスコ警察の元刑事で、妻トゥルーディが何者かに殺害され、その事件が迷宮入りとなって以来、妄想や強迫観念に囚われるようになり、過度の恐怖症に陥って休職を余儀なくされています。高い所や暗い場所がダメで、目に見えない細菌が気になり、除菌ティッシュが手放せない潔癖症。加えてちょっとした物のズレが気になって仕方ない神経質な所があり、社会への適応能力はゼロに等しいモンクですが、いざ事件の現場に立つと、比類なき洞察・推理力で難事件を解決していきます。

 2002年7月スタートのシーズン1(全13話)(日本ではNHK-BS2で2004年3月からレギュラー放送を開始したが、シーズン1については2003年6月から「モンク」のタイトルでビデオレンタルとしてVol.1〜6(全13話)が出されていた)では、モンクが警察官への復職を強く望み、元同僚や上司に疎まれながらも難事件・怪事件を解決していくというパターンが主でしたが、次第に彼の特質に対する周囲の理解が浸透し、シーズン後半では、警察からの信頼が増し、関係性の改善が図られています。それに伴い、コンサルタントmonk tv series  season2.jpgとしてのモンクのポジションが安定し、違和感なく事件に関わるようになってきます(モンクの哀愁は妻の事件が絡む時に集約されるようになったが、細部へのこだわりの方はむしろ強くなった?)。2003年6月スタートの第2シーズンでは、モンクの才能全開という感じでしょうか。因みに、モンク役のトニー・シャルーブは2003年にゴールデングローブ賞コメディシリーズ部門、エミー賞コメディ部門で共に主演男優賞を受賞しています(エミー賞コメディ部門主演男優賞は2005年・2006年度も受賞)。

第14話「時計台の殺人」
MONK14-1.jpg モンクはリーランド・ストットルマイヤー警部(テッド・レヴィン)の依頼で、亡き妻トゥルーディの母校で転落死した教師ベスの調査に当たる。ベスは化学教師フィルmonk14 6.jpgビー(アンドリュー・マッカーシー)と不倫関係にあり、モンクはフィルビーが殺害したと確信するが、彼にはその時間には授業をしていたという完璧なアリバイがあった。モンクが代理教師として学校へ入り込み捜査を続ける中、第二の不審死が発生。モンクは二件ともフィルビーの犯行だと考えるが―。

 第2シーズンのスタートとして、まずはオーソドックスにいこうとしたのか、第一の殺人の目撃者の口封じのために第二の殺人を犯MONK14-2.jpgすというのはある種パターンであるし、時計台の時計の針を使ったトリックというのもありそうだし、証拠物件をわざと放置して、それをエサに犯人をおびき寄せるというのも「刑事コロンボ」などでもありましたが、それらを自然に組み合わせているのが上手いと思います。市長から捜査の協力依頼がくるということから、モンクの評価は定着していることを窺えます。モンクのキャラクターも確立し、モンクを馬鹿にした生徒に詰め寄るシャローナ(ビティ・シュラム)などのキャラも相変わらずいいです。安定感のある第2シーズンのスタートといった感じでしょうか(評価★★★★)。

第15話「空からの水死体」
monk15-2.jpg 休暇中に訪れたメキシコでスカイダイビングを無料体験した米国人学生チップが、地面に激突。しかし、検死結果は溺死だった。チップの父親が友人のサンフランシスコ市長に相談したことから、モンクが現地に派遣される。事件の鍵を握る人物を探しに来たホテルで、手掛かりを得るモンクとシャローナ。だが、酒豪のモンク15-.jpgシャローナは学生たちと羽目を外してしまい、モンクは単独で捜査を続行。翌日、二日酔いのシャローナのもとに思わぬ訃報が舞い込む―。

 市長からのご指名ということで、モンクの評価は確立済みということでしょうか。メキシコの刑事が最初はモンクなど捜査に役立たないと思っていたのが、最後は、その仕事ぶりに接して光栄だったと彼モンク15-1.jpgにすがりつくのが可笑しいですが、それ以上に可笑しかったのが、ストットルマイヤー警部が、モンクがメキシコで死んだという連絡を受けて警察葬をすると言い、ディッシャー警部補(ジェイソン・グレイ=スタンフォード)が警官でないから出来ないと言うと、それが出来ないなら自分は辞めるとまで言った矢先、実はそれは誤報でモンクは生きていると分かり、その途端に「アイツなんか大嫌いだ」と言い放つのが可笑しかったです。シャローナが、殺害されたのはモンクではなかったことに気づくところもいいです。モンクにとって、メキシコに着いた矢先に衣類から何から荷物を全部盗まれたという災難が、逆に命拾いすることに繋がったという作りも上手いし、「ライオンに噛まれて亡くなった男」の事件の挟み込み方も上手。フーダニット色が強く、これも愉しめました(評価★★★★)。


monk 14-5.jpg「名探偵モンク(第14話)/時計台の殺人」(Season 2 | Episode 1)●原題:MR. MONK GOES BACK TO SCHOOL●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/06/20●監督:ランドール・ジスク●脚本:デイビット・ブレックマン/Rick Kronberg●時間:44分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)アンドリュー・マッカーシー/デヴィッド・ラッシュ●日本放映:2004/06/22●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)

MR. MONK GOES TO MEXICO.jpg「名探偵モンク(第15話)/空からの水死体」(Season 2 | Episode 2)●原題:MR. MONK GOES TO MEXICO●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/06/27●監督:ロン・アンダーウッド●脚本:リー・ゴールドバーグ/ウィリアム・ラブキン●時間:43分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)マイケル・B・シルヴァー●日本放映:2004/06/27●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)


monk tv series  season1.jpgモンク タイトル.jpg「名探偵モンク」 Monk (USA Network 2002 ~2009/12) (2004/03~2010/07 NHK BS2/ミステリチャンネル)

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「刑事というのは因果な商売で」。

刑事コロンボ   別れのワイン.jpg別れのワイン vhs.jpg 別れのワイン dvd.jpg 刑事コロンボ/死者のメッセージ 第41話.jpg
特選「刑事コロンボ」完全版~別れのワイン~【日本語吹替版】 [VHS]」「刑事コロンボ 完全版 Vol.10 [DVD]」「刑事コロンボ 完全版 Vol.21 [DVD]

刑事コロンボ/別れのワイン 1.bmpANY OLD PORT IN A STORM 1.jpg ワイナリー経営者エイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)のもとへ、腹違いの弟でワイナリーのオーナー(父親からの相続人)であるリック(ゲイリー・コンウェイ)がやって来て、金が要るのでワイナリーを売却すると言う。ワイナリーに人生を捧げてきたエイドリアンは、そんなことはさせないとリックと口論になり彼の後頭部を一撃、床に倒れ意識を失ったリックをワイン貯蔵庫に運び、ロープで手足を縛って、空調装置のスイッチをオフにした。やがてリックは窒息死するはずである―。

ANY OLD PORT IN A STORM.bmp 「刑事コロンボ」シリーズ第19話で、シリーズの中でも傑作との呼び声が高い作品ですが、犯行が衝動的なものであるため、犯行後の犯人のアリバイ工作が咄嗟にしてはそれなりに冷静に練られたものではあるものの、コロンボの手に掛かれば穴が多いものにならざるを得なかったような...。では、なぜこの作品の評価が高いかというと、ワイン通である犯人が、常人では判別できないワインの劣化を言い当てることで、自らが犯人であることの疑いを強めてしまうといったストーリーの旨さもさることながら、やはり多くのファンが指摘するように、捜査の進展とともに犯人とコロンボの関係がワインを通して深まっていくところにあるのでしょう。

ANY OLD PORT IN A STORM.jpg別れのワイン ラスト.jpg ラストも、第1シーズンによく見られた意外なネタ明かしと突然のエンディングという終わり方ではなく、コロンボが観念した犯人を乗せた愛車プジョーを犯人のワイナリーの前に止めて、自分が選んでおいたワインを取り出し(この頃にはコロンボも勉強の甲斐あってすっかりワイン通になっている)、車中で犯人と杯を交えるという余韻を残したものとなっています。
 
エデンの東ポスター.jpgジュリー・ハリス4.jpg別れのワイン2.jpg 映画「大脱走」('63年/米)の名脇役ドナルド・プレザンス(1919‐1995/享年75)(「007は二度死ぬ」('67年/英)での犯罪組織スペクターの首領役などもあった)が演じた犯人は、ワインのプロであると同時に、ある意味"ワイン・オタク"であり、必ずしも人好きがするタイプではありませんが、犯行には過失致死的要素もあり、何となく同情を引きます。コロンボの検証は状況証拠によるもので、犯人側からすれば反駁の余地もありそうなものですが、自分のワイナリーのワインがダメになってしまったショックや、「エデンの東」のジュリー・ハリス(1925‐2013/享年87)演じる女性秘書に秘密を握られ、関係を迫られていたりしたこともあって、むしろ解放されたような気分で自首を受け容れます。

 「刑事というのは因果な商売で」というのはコロンボが容疑者に対して細かい質問をする際の常套句ですが、こうした状況においても犯人を挙げなければならないというのが、本当のところ一番の「因果」な点かもしれません。

名探偵モンク 悲恋.jpg それで思い出したのが、「刑事コロンボ」と同じく「ホームズ型」のドラマで、潔癖症の元刑事エイドリアン・モンクが活躍する「名探偵モンク」の第7シーズン(日本放映では第6部)第6話「悲恋」(通算・第99話)でした。
 
 タクシー運転手が殺された事件で、遺留品のブレスレットから故国の難民支援で働く女性レイラ(ジョアンナ・パクラ)が容疑者として浮かび上がりますが、モンク(トニー・シャルーブ)は亡妻トゥルーディに似たその女性に一目惚れし、根拠なく彼女は犯人ではないと主張、彼女とモンクの間にはいったんは恋愛感情を帯びた信頼関係が構築されますが、それまで犯行を否認していた彼女が、突然、自分が犯人だと言い出します。

 実は、殺されたタクシー運転手は、彼女の故国で多くの民を殺害したかつての独裁者で、彼を殺したのは、たまたまその男が運転するタクシーに乗り合わせてそのことに気付いた彼女の母親、彼女は母親を守るために偽証したわけですが、そのことに気付いたモンクによって母親は逮捕され事件は解決。但し、母親を検挙した男と共に居ることは考えられず、彼女はモンクのもとを去っていくという、コメディタッチのシリーズには珍しく「やや重」の結末となっています。

 前のシーズンで一旦打ち切りが決まった後で再開されたシーズンということで、ややこれまでと違った毛色の作品もあったりするのか。どんなに同情すべき背後事情があろうと、「犯人を挙げる」のが仕事であるという刑事(乃至探偵)という仕事の「因果な」性質において、「別れのワイン」に通じるものがありました。

 因みに、ピーター・フォークは「刑事コロンボ」でエミー賞ドラマ部門の主演男優賞を3回受賞していますが、トニー・シャルーブも「名探偵モンク」でコメディ部門の主演男優賞を3回受賞しています(2003年、2005年、2006年)。

刑事コロンボ(第41話)/死者のメッセージ7.jpg刑事コロンボ/死者のメッセージ .jpg なお、刑事コロンボのシリーズ作中、この第19話「別れのワイン」と同じく、犯人が被害者を密室に閉じ込めて窒息死させるという殺害方法の刑事コロンボ(第41話)/死者のメッセージes.jpgものに、第41話「死者のメッセージ」があります。70歳を超えた今も第一線で活躍するアビゲイル・ミッチェルという人気女流ミステリ作家が、「ヨット事故で亡くなった姪」の夫エドモンドを殺害したもので、ミステリ作家としての鋭い勘で姪がエドモンドが姪を殺害したと推理したアビゲイル・ミッチェルが、その復讐を果たすというもの(アビゲイル・ミッチェル役のルース・ゴードンはシリーズ最高齢の犯人役を演じたことになり、自身、本作制作時には80歳を超えていた)。こちらで被害者が閉じ込められるのは、ワインセラーではなく金庫室です。

刑事コロンボ(第41話)/死者のメッセージ 8.jpg このエピソードの中で、コロンボがアビゲイル・ミッチェルの講演会に顔を出したところいきなり振られてスピーチをすることになり、その中で「時には殺人犯を尊敬し、好意を抱くこともある」と述べていますが、これはまさにアビゲイル・ミッチェルを指しているともとれます。アビゲイル・ミッチェルもそのことを察してか、コロンボに自らの犯行を突き詰められた際に、自分は年寄りだから見逃してくれないかと懇願しますが、コロンボは、「あなたもプロなら私もプロなのでそれは出来ない」と言います。この辺りも、「別れのワイン」や名探偵モンクの「悲恋」に通じるものがあるように思いました。作品の雰囲気はいいのですが、被害者のダイイング・メッセージが見つからない可能性が高いよう思われ(或いは逆にコロンボより先に犯人が見つけてしまう可能性もあるため)、個人的評価はその分やや引いて星3つ半としました。

The Best Columbo Episodes (Original Series: 1968-1978) Music: Johnny Cash - "Sunday Mornin' Comin' Down" (from the episode: Swan Song)

刑事コロンボ 別れのワイン.jpg刑事コロンボ/別れのワイン 2.bmp「刑事コロンボ(第19話)/別れのワイン」●原題:ANY OLD PORT IN A STORM●制作年:1973年●制作国:アメリカ●監督:レオ・ペン●製作:ロバート・F・オニール●脚本:スタンリー・ラルフ・ロス●ストーリー監修:ジャクソン・ギリス●音楽:ディック・デ・ベネディクティス●時間:95分●出演:ピーター・フォーク/ドナルド・プレザンス/ジュリー・ハリス/ジョイス・ジルソン/ゲイリANY OLD PORT IN A STORM2.jpgANY OLD PORT IN A STORM1.jpgー・コンウェイ/ダナ・エルカー/ロバート・エレンスティーン/リジス・コーディック/ヴィト・スコッティ/モンテ・ランディス/リード・スミス/ロバート・ウォーデン/モンテ・ランディス/マイケル・ラリー●日本公開:1974/06●放送:NHK(評価:★★★★)

ドナルド・プレザンス/ヴィト・スコッティ/ジュリー・ハリス
   
刑事コロンボ 完全版2.jpg刑事コロンボ完全版 DVD-SET 2 【ユニバーサルTVシリーズ スペシャル・プライス】
Disc6 (11) 悪の温室:約74分 (12) アリバイのダイヤル:約74分
Disc7 (13) ロンドンの傘:約97分 (14) 偶像のレクイエム:約74分
Disc8 (15) 溶ける糸:約73分 (16) 断たれた音:約74分
Disc9 (17) 二つの顔:約74分 (18) 毒のある花:約73分
Disc10 (19) 別れのワイン:約95分 (20) 野望の果て:約98分
Disc11 (21) 意識の下の映像:約73分 (22) 第三の終章:約74分
     

名探偵MONK シーズン7.jpgMr. Monk FALLS IN LOVE.jpg「名探偵モンク(第99話)/悲恋」(Season 7 | Episode 6)●原題:MR. MONK FALLS IN LOVE●制作年:2008年●制作国:アメリカ●本国放映:2008/08/22●監督:アーリーン・サンフォード●脚本:ジョッシュ・シーガル/ディラン・モーガン●時間:41分●出演:トニー・シャルーブ/トレイラー・ハワード/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)ジョアンナ・パクラ/ジェイムス・ゴメス/クリスティーナ・アナパウ●日本放映:2009/05/11●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)
名探偵MONK シーズン7 DVD-BOX」(2012年リリース)

刑事コロンボ(第41話)/死者のメッセージ2.jpg「刑事コロンボ(第41話)/死者のメッセージ」●原題:TRY AND CATCH ME●制作年:1977年●制作国:アメリカ●監督:ジェームズ・フ死者のメッセージド.jpgローリー●製作:リチャード・アラン・シモンズ●脚本:ジーン・トンプソン/ポール・タッカホー●原案:ジーン・トンプソン●撮影:デッド・ヴォイトランダー●音楽:パトリック・ウィリアムズ●時間:73分●出演:ピーター・フォーク/ルース・ゴードン/マリエット・ハートレイ/G・D・スプラドリン/チャールズ・フランク●日本公開:1978/04●放送:NHK(評価:★★★☆)

ピーター・フォーク/ルース・ゴードン

刑事コロンボ完全版 DVD-SET 4 【ユニバーサルTVシリーズ スペシャル・プライス】
刑事コロンボ4.jpg(35)闘牛士の栄光:約74分
(36)魔術師の幻想:約89分
(37)さらば提督:約96分
(38)ルーサン警部の犯罪:約73分
(39)黄金のバックル:約76分
(40)殺しの序曲:約73分
(41)死者のメッセージ:約73分
(42)美食の報酬:約73分
(43)秒読みの殺人:約98分
(45)策謀の結末:約97分
          
名探偵モンク1.jpg名探偵モンク2.jpg「名探偵モンク」 Monk (USA Network 2002 ~2009/12) (2004/03~2010/07 NHK BS2/ミステリチャンネル)

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