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科学的見地から地球外生命の可能性を考察。先人たちが宇宙人についてどう考えたかが詳しい。
仮説宇宙人99の謎_5442.JPG  四つの目2.jpg 四つの目0.JPG
仮説宇宙人99の謎―宇宙は生命にあふれている (1978年) (サンポウ・ブックス)』 草下 英明 in「四つの目」)

仮説宇宙人99の謎_5443.JPG 本書の著者・草下英明(1924-1991)は誠文堂新光社など出版社勤務を経て独立した科学解説者、科学ジャーナリストで、「現代教養文庫」の宇宙科学関係のラインアップに、『星座の楽しみ』('67年)、『星座手帖』('69年、写真:藤井旭)、『星の百科』('71年)、『星の神話伝説集』('82年)などこの人の著書が多くありました( 保育社の「カラーブックス」の中にもあった)。その中でも、『星座の楽しみ』『星座手帖』『星の神話伝説集』は2000年に再版され、版元の社会思想社の倒産後は、2004年に文元社から「教養ワイドコレクション」としてオン・デマンド出版されています(版元が倒産しても本が出るのは内容がしっかりしているからということか)。

四つの目1.jpg また、「四つの目」という、NHKで1966(昭和41)年から1972(昭和47)年まで放送された小学生向けの科学をテーマにした番組の解説も務めていたので"視覚的"にも馴染みのある人です。「四つの目」とは、通常の撮影による「肉眼の目」、高速・微速度撮影による「時間の目」、顕微鏡・望遠鏡などによる「拡大の目」ウルトラアイ NHK.jpgガッテン!.jpg、Ⅹ線撮影による「透視の目」を意味し、物事を様々な「目」で科学的に分析するというもので、この番組スタイルは、後番組の「レンズはさぐる」('72年~'78年)を経て(草下英明はこの番組にも出ていた)、より生活に密着したテーマを扱う「ウルトラアイ」('78年~'86年)、「トライ&トライ」('86年~'91年)へと受け継がれ(共に司会は局アナの山川静夫)、「ためしてガッテン」('95年~'16年)や現在の「ガッテン!」('16年~)はその系譜になります。

 ということで、本書はトンデモ科学本などではなく、極めて真面目に、宇宙人の可能性について解説した本です。まえがきでUFOの存在をはっきり否定し、自身が遭遇したUFOと間違えそうな4つの経験を挙げ、すべてその正体を明かすなどして、UFO=宇宙人という考えの非科学性を説いています。その上で、科学的見地から地球外生命の可能性を考察しています。ただし、著者はSFにも詳しこともあり、地球外生命について先人たちはどのように考え、イメージを膨らませてきたかなどについても紹介していて、そのため堅苦しささは無く、楽しく読めるものとなっています。

 本書は全8章から成り、その章立ては、
  第1章「想像の宇宙人―人類はなにを夢見たか」、
  第2章「宇宙と生命―なにが宇宙人なのか」、
  第3章「地球と生命―環境はなにを決定するか」、
  第4章「惑星と生命―太陽系内生命の可能性を推理する」、
  第5章「恒星と生命―きらめく星の彼方になにがあるか」、
  第6章「宇宙人逮捕―宇宙人とどう交信するか」、
  第7章「宇宙と文明―ホモ・サピエンスはどこまで進化するか」、
  第8章「夢の宇宙人―どこまで宇宙人にせまれるか」、
 となっていて、その中に99の問いが設けられていますが、1つの章の中で各問いに連続性があるため、読みやすく、また理解しやすいです。

 特に先人たちが宇宙人についてどう考えたかが詳しく、第1章では、シラノ・ド・ベルジュラックの『月両世界旅行記』(1649)、ジュール・ベルヌの『地球から月へ』(1865)、H・G・ウェルズの『月世界の最初の人間』、コンスタンチン・ツィオルコフスキーの『月の上で』などにおいて作者が生み出した宇宙人が紹介されており(ツィオルコフスキーは「宇宙飛行の父」と呼ばれる学者であるともにSF作家でもある)、第8章では、ロバート・ハインラインの『人形使い』('51年発表)やハル・クレメントの『重力の使命』('54年発表)、アイザック・アシモフの『もの言う石』、ジヤック・フィニイの『盗まれた街』などに出てくる宇宙人が紹介されていて、更には、フレッド・ホイルの『暗黒星雲』にあらわれる星雲生命やClose Encounters.jpg、アルフレッド・E・バン・ボクトの『宇宙船ビーグル号の航海(航海)』('50年発表)の超生命なども紹介されています。また最後の〈問99〉「未知の宇宙人との遭遇は、どうなされるか」では、著者が本書を書き終えようとしていた頃に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の「未知との遭遇」('77年)にも言及しています(高く評価している)。
「未知との遭遇」('77年)

 尤も、本論は第2章から第7章の間にあるわけで、宇宙人とは何かという定義から始まって、太陽系内の惑星を1つずつ生命が住めるか検証し、さらにそれを恒星宇宙に広げていき、さらに宇宙人との交信方法や人類の未来について考察していますが、その中においても、先人たちはどう考えたのが随所に紹介されていて、興味を持って読めます。地球外生命論については、立花隆、佐藤勝彦ほか著の『地球外生命 9の論点―存在可能性を最新研究から考える』('12年/講談社ブルーバックス)などもありますが、本書が"経年劣化"しているとはまだ言えず、単著で纏まりがあるという点で、本書は自分の好みです。

 因みに、〈問1〉「世界で最初に宇宙人を想像したのはだれか」によると、世界で一番古い宇宙旅行小説(SFの元祖)は、紀元前二世紀頃にギリシャのルキアノスが "イカロスの翼"伝説に触発されてメニッポスという実在の哲学者を主人公にして書いた『イカロメニッポス』というものだそうで、そのあらすじがまた面白かったです。

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時々手にして、人類存在の神秘、いのちの不思議さに思いを馳せるのもいい。

40億年 いのちの旅.jpg                 人類が生まれるための12の偶然.jpg
40億年、いのちの旅 (岩波ジュニア新書)』['18年]『人類が生まれるための12の偶然 (岩波ジュニア新書)』 ['09年]

 40億年に及ぶとされる、地球における生命の歴史を、いのちとは何か? いのちはどのようにして生まれたのか? どのように考えられてきたのか? というところからその歴史をひもときながら、人類の来た道と、これから行く道を探っった本。

 第1章で「いのち」とは何かをを考え、第2章で、「いのち」の特徴である多様性と普遍性がどのようなものか、それらがゲノム・DNAを通じてどのように発揮されてきたかを考えています。

 第3章では「いのち」の始まりとその後の進化について考え、「いのち」の旅の方向づけに大きな影響を与えた事項・イベントとして、光合成と酸素呼吸の出現や真核細胞の登場、性の出現、陸上への進出など7項目に焦点を当てています。

 後半の第4章、第5章、第6章では、ヒトの過去・現在・未来についてそれぞれ考えています。まず、化石とDNAからヒトの進化の旅を振り返り、次に、地球上で生き物の頂点に君臨する現況を改めて考え、最後に、これからヒトはどのような旅をするのかを考えています。

 こうした学際的な内容のヒトの歴史に関する本では、同じ岩波ジュニア新書に眞淳平著『人類が生まれるための12の偶然』('09年)がありましたが、あちらは宇宙や地球の誕生から説き起こしているのに対し、こちらは40億年前の生命の誕生から説き起こしていることになります。

 また、著者の専門が細胞生化学であることもあってか、細胞内小器官の話など細胞学に関する説明はやや高度な内容を含んでいたように思いますが(と言っても高校の教科書の生物基礎程度の知識があれば何とかついていけるか)、減数分裂における遺伝子の組み換えの説明などは分かりやすい方だったと思います。

 最新の研究成果も織り込まれています。個人的に興味深かったのは、ネアンデルタール人と現生人(ホモ・サピエンス)の関係で、共に約90万年前にアフリカかヨーロッパのどこかで誕生したホモ・ハイデルベルゲンシスを先祖とし、ネアンデルタール人はヨーロッパにいたホモ・ハイデルベルゲンシスから進化したと考えられ、現生人は、20万年前アフリカにいたホモ・ハイデルベルゲンシスから進化したと考えられとのこと。先祖が同じでも、先祖のいた場所が違うのかと。

 陸上に生息する動物の個体数の総重量が一番重いのはウシで、2番目がヒトだが、以下、スイギュウ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、ウマと続くという話も興味深かったです。要するに、これら(ヒト以外)は全部"家畜"であって、ヒトは自分たちが生きるために、膨大な量の生物を飼育しているのだなあと。

 巻末に長谷川真理子著『進化とはなんだろうか』['99年/岩波ジュニア新書]など関連の参考図書が紹介されています。時々この種の本を手にして、人類が存在することの神秘、自分が生まれてきたことの不思議さに思いを馳せるのもいいのではないでしょうか。

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最古の生命は約40億年前に誕生。難解部分もあるが、ユーモラスな語り口で最後まで導いてくれる。

生命はなぜ生まれたのか.jpg  生命はなぜ生まれたのか2.jpg    高井研氏.jpg 高井 研 氏 (独立行政法人 海洋研究開発機構)
生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書)

  「生命はどのようにして誕生したか」、タイトルに沿って言い換えれば「生命はなぜ地球に生まれたか」―この命題を、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者で、"地球生物学者"乃至"宇宙生物学者"を名乗ることが多いという著者が解説したもの。
 結構「ブルーバックス」並みに難しかったというのが正直な感想で、それでも、著者の軽妙でユーモア満載の語り口に導かれて、理解が及ばないところはそのままにしておきつつも、最後まで楽しく読めました。

 第1章で、「この地球で最初に繁栄したであろう、最古の生態系の面影を最も色濃く残した現存する微生物の共同体」を探るために南インド洋の海底にある深海熱水活動域の研究調査に赴くにあたって、地球深部探査船「ちきゅう」に乗り込むところの話などは、『ドクトルマンボウ航海記』みたいな感じで、シズル感を持って楽しく読めます。

ジャイアントチューブワーム.jpg これまでに深海で発見された奇妙な生物たち、例えばジャイアントチューブワームなどがどのような化学合成を行っているかを紹介していて、チューブワームは、鰓(えら)から取り込まれた硫化水素と二酸化炭素を、体内で共生菌を養っている栄養体に運搬し、細菌が硫化水素を酸素で硫黄や硫酸に酸化させることでエネルギーを獲得しつつ有機物を合成し、口が無くとも3mくらいに成長するという―ああ、確か通常我々がイメージする生物とは全く違った仕組みだったなあと思い出すとともに、ちょっと難しいかなとも思いましたが、これはまだ序の口。

ジャイアントチューブワーム

 第2章以降、第5章までの実質本編部分では、読み進むにつれて難易度が上がっていく感じで、特に第5章の「エネルギー代謝からみた持続生命」は、化学の基本知識がないとかなり難しかったです。
 先に第6章の、それまでに紹介された研究内容や考察から著者が提唱する仮説の部分を先に読んでから第2章に戻るのも、一つの読み方かもしれません。

 学校の「生物」の授業で最初の"生物"の誕生は約30億年前と習った記憶がありますが、太陽系が45億6700万年前に誕生して以降の「失われた6億年」「冥王代」と呼ばれる6億年(先カンブリア時代は「冥王代~太古代~原生代」から成る)、その冥王代後期から太古代初期にかけて、すでに「化学進化から"生命"が誕生し、最古の持続可能な生態系」が形成されていた可能性があることを、著者は示唆しています(ここで「生命」「生物」の定義についても一くさりある)。
 40億年前の地球には、オゾン層も無くて宇宙からの有害光線が直接降り注ぐ中、深海では、地殻を突き破ったマントルと海水が化学反応を起こしていて、400℃の熱水が噴き出すエネルギーの坩堝があり、その「深海熱水孔」で生まれたのが、地球最初の"生き続けることのできる"生命「メタン菌」であると。

 現在発見されている、世界最古の生命の痕跡が見つかった堆積岩は、38億年前の海洋底の堆積物を含んだもので(最古の地層もこれより少し前ぐらいとのことで、従って以降が「太古代」ということになる)、これは38億年前の深海熱水活動域に近い深海底で生成された可能性が高いとのこと。生命の誕生と持続的な最古の生態系の始まりは38億年以上前に起きたと考えられるとしています。
 そして、35億年前の地層からは、より鮮明な生命の痕跡が窺え、水素と二酸化炭素からメタンを生成する好熱メタン菌(酸素、要らないわけだ)など、微生物のエネルギー代謝の幾つかのパターンが成立していたと考えられると。

 いま流行の「地球生命は宇宙から飛来した生命に始まる」という「パンスペルミア説」についても言及されており、地球生命の起源はどこか遠い宇宙から飛来したという説は、飛来から伝播に至るまでの必要要素ごとの確率の掛け合わせからみてまず無理があるとし、「火星で先に生命が生まれた」とする火星生命誕生は、大いにあり得るが、地球独自の持続的生命の誕生・適応・進化があったと考える方がよく、無理に火星に起源を求める理由は見当たらないとしています。

 このように様々な仮説を紹介しながらも、著者はあくまでも40億年前の深海熱水活動に生命の起源を求めており、それを当時の大気の状況などの考察も踏まえ、論理的、或いは実証的に検証しています。生命の起源は「RNA分子のもやもやした集合体から始まった」という「RNAワールド」説に対しても、一時は自身もハマったことがあったが、今は懐疑的であるとしてその理由を挙げ、この部分は、現在の学術トレンドが「RNAワールド」説に批判的傾向にあることと符合し、ああ、わりかしオーソドックスなのかなあと。

 そして、第5章で、「地球生命は深海熱水活動から始まった」という考えにより明確な筋道をつけるべく、「どんな深海熱水活動からどのように始まり、どのように繁栄したか」を、エネルギー代謝とはそもそも何かというところから説き起こしていますが、う~ん、やっぱりこの部分は難しいなあと。

ハイパースライムが見つかったインド洋深海にある「かいれいフィールド」熱水活動域の写真(海洋研究開発機構 深海・地殻内生命圏探索研究(SUGER)プロジェクトHPより)
かいれいフィールド.jpgかいれいフィールド2.jpg 生命を生み出す深海熱水活動にも、生命誕生の条件となる性質に制約があるらしく、それが冒頭の、火山列島である日本の近海ではなく、わざわざ南インド洋まで出かけて調査をするという話に繋がっていきます(水素濃度が一定以上でないとダメなわけだ)。

 言わば、最古の持続的生命の生き残りを探しにいく旅ということになるわけですが、インド洋の「かいれいフィールド」において、そのお目当てである地球最古の生態系の名残り、太陽エネルギーとは無縁で地球を食べる超好熱生態系生態系「ハイパースライム」(HyperSLiME:Hyperthermophilic Subsurface Lithoautotrophic Microbial Ecosystem)の存在証明である超好熱メタン菌を採取することに成功、著者によって発見された「ハイパースハイパースライムの一次生産者である超好熱メタン菌.jpgライム仮説」は、現在、様々な検証を経て、補強と進化の過程にあるという―まさに、最先端研究の始終を、一般読者に対しても手を抜くことなく開示してみせた本でした。

 ユーモラスな言い回しも、時折専門度が高くなる内容に、読者が敬遠気味になるのを防ぐための配慮と思われ、また新たな研究者(それも最先端の)兼サイエンスライターが登場したとの印象を受けました。

 う~ん、40億年前に深海のチムニー付近で発生した超好熱メタン菌が、我々生物の"ご先祖様"なのか。

ハイパースライムの一次生産者である超好熱メタン菌(海洋研究開発機構 深海・地殻内生命圏探索研究(SUGER)プロジェクトHPより)

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個々のテーマについて掘り下げて書かれているのはいいが、横の繋がりが今一つという気も。

地球外生命 9の論点 (ブルーバックス).jpg地球外生命 9の論点 (ブルーバックス)』['12年]

 少し以前までは、学者が地球外生命を論じるのは科学的でないとしてタブー視されていたようですが、どちらかと言うとよりこのテーマに近い専門家である生物学者らの、地球に生命が誕生したのは奇跡であって、地球以外では生命の発生はあり得ないとする《悲観論》が、宇宙のどこかには地球の生命とは別の生命が存在するのではないかという宇宙学における《楽観論》を凌駕してきたということもあったかもしれません。

 それが近年、系外惑星が候補も含め3千個以上発見されているとか、太陽系内にも水がある衛星やかつて水があった惑星がある可能性があるといった天文学者の指摘や、隕石や宇宙空間から有機物が発見されているという新事実から、生物学者の中にも生命の生成が地球外でもあり得るとの仮説を検証しようという動きが出てきたように思われます。

 そうした意味では、生物学者、物理学者らが、それぞれの専門的視点から地球外生命の存在を考察している本書は、学際的な切り口として大変興味深いものがあります。

 9人の専門家(加えて、立花隆氏と宇宙物理学者の佐藤勝彦氏が寄稿)が考察する9つの論点は次の通り。
  1.極限生物に見る地球外生命の可能性 (長沼毅)
  2.光合成に見る地球の生命の絶妙さ (皆川純)
  3.RNAワールド仮説が意味するもの (菅裕明)
  4.生命は意外に簡単に誕生した (山岸明彦)
  5.共生なくしてわれわれはなかった (重信秀治)
  6.生命の材料は宇宙からきたのか (小林憲正)
  7.世界初の星間アミノ酸検出への課題 (大石雅寿)
  8.太陽系内に生命の可能性を探す (佐々木晶)
  9.宇宙には「地球」がたくさんある (田村元秀)

 う~ん。もう、これまで地球外生命の存在に慎重だった生物学者側の方も、今や《楽観論》が主流になりつつあるのかな。
 
 かつて水があった惑星の最有力候補は火星であり、こうなると、地球生命の起源は火星にあるのかも知れないと―(彗星や隕石が火星の有機物を地球に運んできた)。

 但し、本書によれば、海底の熱水噴出孔近くなどの特異な環境で生きる生物の実態が近年少しずつ分かってきており、こうなると、まず地球単独で生命を生み出す条件を揃えていることになったりもして、火星から有機物をわざわざ持ってこなくともいいわけです。

 もちろん、太陽系内で液体の水や火山活動など生命が存在しうる環境が見つかってきていることも、大いに関心は持たれますが、一方、太陽系外となると、生命存在の可能性はあっても、地球に到達する可能性という面で厳しそうだなあと。
 ましてや、知的生命体との遭遇なると、本書にも出てくる「ドレイク方程式」でよく問題にされる「生命進化に必要な時間」と「高度な文明が存在する時間の長さ」がネックになるかなあと。

 まあ、この辺りは不可知論からロマンはいつまでもロマンのままであって欲しいという情緒論に行ってしまいがちですが、これ、一般人に限らず、本書に寄稿している学者の中にもそうした傾向が見られたりするのが興味深いです(やっぱり、自分が生きている間にどれぐらいのことが分かるか―というのが一つの基準になっているのだろうなあ)。

 個々のテーマについて掘り下げて書かれているのはいいけれど、横の繋がりが今一つという気もしました(本当の意味での"学際的"状況になっていない?長沼毅氏以外は、専ら研究者であり、一般向けの本をあまり書いていないということもあるのか)。結局、まだ学問のフィールドとして市民権を得ていないということなんでしょうね。でも、各々のフィールドでの研究は着々と進んでいる印象を受けました。
 
 「自然科学研究機構」というのは、国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の5研究機関から構成される大学共同利用機関法人で(大学院もある)、「異なる分野間の垣根を越えた先端的な新領域を開拓することにより、21世紀の新しい学問を創造し、社会へ貢献することを目指して」いる団体とのことで、こうしたコラボを継続していくのでしょうね。現機構長である佐藤勝彦氏に期待したいところ。

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わかり易い。「スノーボールアース仮説」の検証過程をスリリングに解説。

凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語.jpg  田近 英一.jpg  田近 英一 氏 (経歴下記)  全球凍結-大型生物誕生の謎.jpg 全地球凍結.jpg
凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語 (新潮選書)』['09年]「NHKスペシャル地球大進化 46億年・人類への旅 第2集 全球凍結 大型生物誕生の謎 [DVD]」  川上 紳一 『全地球凍結 (集英社新書)』 ['03年]

 かつて地球の表面は完全に氷で覆われていたという「スノーボールアース仮説」(全球凍結仮説)は、'04年にNHKスペシャルとして放映された「地球大進化-46億年・人類への旅」の「全球凍結-大型生物誕生の謎」で広く知られるところとなったのではないでしょうか。本書は、この「スノーボールアース仮説」の成立とそれがもたらした地球史観を解り易く紹介した本です。

 スノーボールアース仮説は、'92年にカリフォルニア工科大学のジョー・カーシュビンク教授がアイデアとして専門誌に発表し、その後は封印されていたのが、'98年にハーバード大学のポール・ホフマン教授が、ナミビアでの地質調査の結果をもとにこれを支持する論文を科学雑誌「サイエンス」に投稿したわけですが、本書は、その発表を見逃していた著者のもとに、ホフマン教授から当の「サイエンス」誌が送られてきたところから始まります。

 そして、当初は"奇説"とも看做されていたこの仮説が、様々な反論を退けて、次第に有力な学説であると認知されるようになるまでを、本書は丹念に追っていますが、著者自身も、'99年のカーシュビンク、ホフマン両教授が企画した米国地質学会の特別セッションに参加するなどして、そうした論争の只中におり、そのため本書はシズル感のある内容であると共に、考えられる様々な反論に、緻密な論理構成で論駁を加えていく様はスリリングでもありました。

 とりわけ、全球凍結が起こる原因となる、温室効果を生む大気中の二酸化炭素の量が変化する要因について詳しく解説されていて、火山活動や大陸の風化作用、海底堆積物の形成など、大気や海洋と固体地球との相互作用が、大気中の二酸化炭素の循環的な消費プロセスを形成していることが解ります。

 生物の光合成作用もこの「炭素循環」に関与していて、光合成により大気中の二酸化炭素が取り込まれ有機化合物が形成され、その結果、植物プランクトンなどの死骸の一部は二酸化炭素を含んだ海底堆積物となり、それが海洋プレートと共に大陸の下に沈み込み、沈み込み帯の火山活動によって再びマグマと共に大気中に放出される―この「炭素循環」が、大気中の二酸化炭素量、ひいては大気温を調節し、生命にとってハビタブルな環境を生み出しているわけですが、普段"地震の原因"ぐらいにしか思われていないプレートテクトニクスが、我々の誕生に重要な役割を果たしているというのは、興味深い話ではないでしょうか。

 全球凍結は、こうした温室効果バランスがずれる「気候のジャンプ」により起こり(全球凍結を1つの安定状態と看做すこともできるのだが)、判っているもので6億年前と22億年前に起きたとのことですが、「全球」凍結のもとで生命が生き延びてきたこと自体が、「全球」凍結説への反駁材料にもなっていて、本書では、この仮説にまた幾つかのパターンがあって(赤道部分は凍結していなかったとか)、その中での論争があること、その中で有力なものはどれかを考察しています。
 著者の考えでは、現在の地球が全球凍結しても、地中海やメキシコ湾の一部は凍らないかもしれないとし、全球凍結状態においても、こうした生命の生存に寄与する「ホットスポット」があった可能性はあると。

 終盤部分では、全球凍結が無ければ、地球上の生物はバクテリアのままだったかも知れないと、全球凍結が生物進化に多大の影響を及ぼしていることを解説すると共に、太陽系外の惑星にもスノーボールプラネット乃至オーシャンプラネットが存在する可能性を示唆しており、そうなると地球外生命の存在の可能性も考えられなくもなく、今後の研究の展開が楽しみでもあります。

川上 紳一教授.jpgスノーボールアース  ウォーカー.jpg全地球凍結.jpg 本書を読んだのを契機に関連する本を探してみたら、本書にも登場する川上紳一岐阜大学教授の『全地球凍結』('03年/集英社新書)が6年前に刊行されていたのを知り、NHKスペシャル放映の前に、もうこのような一般書が出されていたのかと―(川上紳一氏は、毎日出版文化賞を受賞した女性サイエンスライターのガブリエル・ウォーカーの『スノーボール・アース』['04年/早川書房、'11年/ハヤカワ・ノンフィクション文庫]の邦訳監修者でもあった)。

 川上氏の『全地球凍結』でも田近氏の本と同様、全球凍結を巡る論争の経緯をしっかり追っていますが、川上氏は'97年に南アフリカのナンビアで、ポール・ホフマン教授らと共に、全球凍結仮説を裏付ける氷河堆積物の地質調査のあたった人でもあり、それだけに地質学的な観点から記述が詳しく、その分、新書の割には少し難度が高いかも知れず、また、やや地味であるため目立たなかったのかなあ("全球凍結"と"スノーボールアース"の語感の差もあったかも)。

 '03年刊行のこの本の段階で既に、全球凍結状態においても、「ホットスポット」があった可能性なども示唆されていて、内容的には田近氏と比べても古い感じはしないのですが、読み易さという点でいうと、やはり田近氏のものの方が読み易いと言えるかと思います。

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田近 英一
1963年4月 東京都出身
1982年3月 東京都立西高等学校卒業
1987年3月 東京大学理学部地球物理学科卒業
1989年3月 東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻修士課程修了
1992年3月 東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了
1992年4月 東京大学気候システム研究センターPD(日本学術振興会特別研究員)
1993年4月 東京大学大学院理学系研究科地質学専攻助手
2002年7月 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻助教授
2007年4月 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻准教授
2008年8月 文部科学省研究振興局学術調査官(併任)

受賞歴
2003年 山崎賞奨学会 第29回山崎賞
2007年 日本気象学会 堀内賞

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自分が今、この時空に生きていることの不思議さ、有難さに思いを馳せることが出来る本。

人類が生まれるための12の偶然.jpg  『人類が生まれるための12の偶然 (岩波ジュニア新書 626)』 ['09年]

 「人類が生まれるためにはどのぐらいの偶然の要素が重なったのか」というテーマは自分としても関心事でしたが、宇宙誌、生物誌(生命誌・進化誌)に関する本の中で個々にそうしたことは触れられていることは多いものの、それらを通して考察した本はあまり無く、そうした意味では待望の本でした。

 宇宙の誕生から始まり、量子物理学的な話が冒頭に来ますが、「ジュニア新書」ということで、大変解り易く書かれていて、しかも、宇宙誌と生物誌の間に地球誌があり、更に、生命の誕生・進化にとりわけ大きな役割を果たした「水」についても解説されています(水の比熱が小さいこと、固体状態(氷)の方が液体状態(水)より軽いということ、等々が生命の誕生・進化に影響している)。

 本書で抽出されている「12の偶然」の中には、「太陽から地球までの距離が適切なものだったこと」など、今まで聞いたことのある話もありましたが、「木星、土星という2つの巨大惑星があったこと」など、知らなかったことの方が多かったです(巨大惑星が1つでも3つでもダメだったとのこと)。

 その他にも、太陽の寿命は90億年で現在46億歳、終末は膨張して地球を呑みこむ(蒸発させる)とうことはよく知られていますが、太陽が外に放出する光度のエネルギーが増え続けるため、あと10億年後には地球は灼熱地獄になり、すべての生物は生きられなくなるというのは、初めて知りました。

 最後に、気候変動の危機を説いていますが、環境問題を考える際によく言われる「地球に優しく」などいう表現に対して、人類が仮に核戦争などで死に絶えたとしても、生き残った生物が進化して新たな生態系が生まれることは、過去の恐竜が隕石衝突により(その可能性が高いとされている)絶滅したお陰で哺乳類が進化発展を遂げた経緯を見てもわかることであり、「私たちや今の生態系が滅びないために」と言うべきであると。

 ナルホド、「宇宙は偶然こうなった」のか、「神が今のような姿にすべて決めた」のか「何らかのメカニズムによって必然的にこうなった」のかは永遠の謎ではあるかも知れませんが、仮に地球が生命を求めているとしても、地球にとって人類の替わりはいくらでもいるわけだなあ。

 監修の松井孝典博士は、日本における惑星科学の先駆者で、幅広い視野と斬新な発想を兼ね備えた、日本では珍しいタイプの研究者であるとのこと(田近英一著(『凍った地球』('09年/新潮選書)によると)。
 最新の研究成果までも織り込まれた本であると同時に(しかし、まだ解っていないことも多い)、自分が今、この時空に生きていることの不思議さ、有難さに思いを馳せることが出来る本です。

《読書MEMO》
偶然1 宇宙を決定する「自然定数」が、現在の値になったこと(自然定数=重力、電磁気力、中性子や陽子の質量)
偶然2 太陽の大きさが大きすぎなかったこと (太陽がもし今の2倍に質量だと寿命は約15億年しかない)
偶然3 太陽から地球までの距離が適切なものだったこと (現在の85%だと海は蒸発、120%だと凍結)
偶然4 木星、土星という2つの巨大惑星があったこと (1つだと地球に落下する隕石は1000倍、3つだと地球は太陽に落下するか太陽系の圏外に放り出される)
偶然5 月という衛星が地球のそばを回っていたこと (月が無ければ地球の自転は早まり、1日は8時間、1年中強風が吹き荒れる)
偶然6 地球が適度な大きさであったこと (火星ほどの大きさだと大気は逃げていた)
偶然7 二酸化炭素を必要に応じて減らす仕組みがあったこと (プレート移動や大陸の誕生、海などがCO2を削減)
偶然8 地磁気が存在したこと (磁場が宇宙線や太陽風などの放射線を防ぐ働きをしている)
偶然9 オゾン層が存在していたこと (紫外線から生物を守っている)
偶然10 地球に豊富な液体の水が存在したこと (水が液体でいられる0〜100℃という狭い温度範囲に地球環境があったこと)
偶然11 生物の大絶滅が起きたこと (恐竜の繁栄もその後の哺乳類の繁栄も、その前にいた生物の大絶滅のお陰)
偶然12 定住と農業を始める時期に、温暖で安定した気候となったこと (65万年前から寒冷期が続いたのは、約1万年前に突然、今のように温暖安定化)

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人間は日々作り替えられているのだ...。読み易く、わかり易い(藤原正彦の本と少しだぶった)。

生物と無生物のあいだ_2.jpg生物と無生物のあいだ.gif            福岡伸一.jpg 福岡 伸一 氏 (略歴下記)
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)』 ['07年]

 2007(平成19)年度「サントリー学芸賞」(社会・風俗部門)受賞作であり(同賞には「政治・経済」部門、「芸術・文学」部門、「社会・風俗」部門、「思想・歴史」部門の4部門があるが、元々人文・社会科学を対象としているため、「自然科学」部門はない)、また、今年(2008年)に創設された、書店員、書評家、各社新書編集部、新聞記者にお薦めの新書を挙げてもらいポイント化して上位20傑を決めるという「新書大賞」(中央公論新社主催)の第1回「大賞」受賞作(第1位作)でもあります。

 刊行後1年足らずで50万部以上売り上げた、この分野(分子生物学)では異例のベストセラーとか言うわりには、読み始めて途端に"ノックアウトマウス"の話とかが出てくるので、一瞬構えてしまいましたが、読み進むにつれて、ベストセラーになるべくしてなった本という気がしてきました。

Rudolf Schoenheimer (1898-1941).jpg プロローグで、表題に関するテーマ、「生物」とは何かということについて、「自己複製を行うシステム」であるというワトソン、クリックらがDNAの螺旋モデルで示した1つの解に対して、「動的な平衡状態」であるというルドルフ・シェ―ンハイマーの論が示唆されています。

Rudolf Schoenheimer (1898-1941)

 本編では、自らのニューヨークでの学究生活や、生命の謎を追究した世界的な科学者たちの道程が、エッセイ又は科学読み物風に書かれている部分が多くを占め(これがまた面白い)、その上で、DNAの仕組みをわかり易く解説したりなどもしつつ、元のテーマについても、それらの話と絡めながら導き、最後に結論をきっちり纏めていて、盛り込んでいるものが多いのに読むのが苦にならず、その上、読者の知的好奇心にも応えるようになっています。

 著者は、シェーンハイマーの考えをさらに推し進め、「生命とは動的平衡にある流れである」と再定義しています。
 ヒトの皮膚も臓器も、細部ごとに壊されまた再生されていて、一定期間ですっかり入れ替わってしまうものだとはよく言われることですが、本書にある、外部から取り込まれたタンパク質が身体のどの部位に蓄積されるかを示したシェーンハイマーの実験には、そのことの証左としての強いインパクトを受けました(歯も骨も脳細胞までも、常にその中身は壊され、作り替えられているということ)。

ダークレディと呼ばれて―二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実.jpgマリス博士の奇想天外な人生.jpg また、シェーンハイマーという自殺死した天才学者に注目したのもさることながら、科学者へのスポットの当て方がいずれも良く、ノーベル生理学・医学賞をとったワトソンやクリックよりも、無類の女性好きでサーフィン狂でもあり、ドライブ・デート中のひらめきからDNAの断片を増幅するPCR(ポメラーゼ連鎖反応)を発明したというキャリー・マリス博士(ワトソン、クリックらと同時にノーベル化学賞を受賞)や、ワトソン、クリックらの陰で、無名に終わった優秀な女性科学者ロザリンド・フランクリンの業績(本書によれば、ワトソンらの業績は、彼女の研究成果を盗用したようなものということになる)を丹念に追っている部分は、読み物としても面白く、また、こうした破天荒な博士や悲運な女性科学者もいたのかと感慨深いものがありました(著者は、キャリー・マリス、ロザリンド・フランクリンのそれぞれの自叙伝・伝記の翻訳者でもある)。 『マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)』 『ダークレディと呼ばれて 二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実

若き数学者のアメリカ 文庫2.jpgワープする宇宙.jpg アメリカでスタートを切った学究生活やそこで巡り合った学者たちのこと、野口英世の話(彼の発表した研究成果には間違いが多く、現在まで生き残っている業績は殆ど無いそうだ)のような、研究や発見に纏わる科学者の秘話などを、読者の関心を絶やさずエッセイ風に繋いでいく筆致は、海外の科学者が書くものでは珍しくなく、同じ頃に出た多元宇宙論を扱ったリサ・ランドール『ワープする宇宙』('07年/日本放送協会)などもそうでしたが、科学の"現場"の雰囲気がよく伝わってきます。 『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く
 日本では、こうした書き方が出来る人はあまりいないのでは。強いて言えば、数学者・藤原正彦氏の初期のもの(『若き数学者のアメリカ』『心は孤独な数学者』など)と少し似てるなという気がしました。 『若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

 俗流生物学に当然のことながら批判的ですが、今度´08年5月から、その"代表格"竹内久美子氏が連載を掲載している「週刊文春」で、著者も連載をスタート、更に、脳科学者の池谷裕二氏も同時期に連載をスタートしました。
 どうなるのだろうか(心配することでもないが)。竹内久美子氏は、もう、連載を降りてもいいのでは。
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福岡 伸一(ふくおか・しんいち)
1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ロックフェラー大学およびハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授を経て、青山学院大学 理工学部化学・生命科学科教授。分子生物学専攻。研究テーマは、狂牛病 感染機構、細胞の分泌現象、細胞膜タンパク質解析など。専門分野で論文を発表するかたわら一般向け著作・翻訳も手がける。最近作に、生命とは何かをあらためて考察した『生物と無生物のあいだ』(講談社)がある。

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