● 併存型ポイント制(勤続ポイント+役割ポイント)のポイント設定例と退職金計算例

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この例では、1年あたりの「勤続ポイント」は、勤続5年超で大きく引き上げ、20年超で最大になりますが、25年を超えると小さくなり、35年を超えると新たには付与していません。
「役割ポイント」は、"平社員"からチーフ(S2)または主任(S1)クラスに昇進したときに1年当たりに付与するポイントを引き上げ、さらに管理職(M)になったときに大きくしています。
どこに付与ポイントのアクセントを置くかはそれぞれの企業の考え方によります。(自己都合係数は、最近の制度改定の傾向では、90%~100%到達に要する年数が早まっています。)

勤続25年の上級管理職(M1)社員が自己都合で退職した場合、ポイント単価1万円として退職金がいくらになるか計算例を示します。

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●ポイント制退職金制度の特長
① 基本給からの絶縁
"ベアハネ"が無いため、賃金昇給額に関係なく独自の水準管理が可能になります。給付抑制効果だけでなく、退職時基本給を算定基礎とした場合、定年時に最終賃金が下がった人は支給額が減ってしまう、といった制度的問題もクリアされます。
② 年功的比重の縮小し、貢献度を反映
「長期勤続に対する功労報奨」的性格を弱めるとともに、会社への貢献度を支給額に反映させることが可能になります。このことにより、中途入社者や早期退職者が極端に不利になることを回避できます。
③ 「その都度確定」
給付額(給付ポイント)が1年毎に確定するため、今時点での個々の支給水準の把握が容易であるとともに、「退職金前払い制度」や確定拠出年金制度(日本版401k)など、次段階の制度に移行し易くなります。

●ポイント制退職金制度(併合型)の設計の流れ
① 新制度における退職給付水準を決める
全体として給付水準を上げたいのか、抑制したいのか、方向性を決めます。
② 既存モデルカーブを作る
実在者モデルから、勤続年数ごとの支給水準モデルを作成します。通常はS字カーブを描くことになります(下図左)。さらに、単年度ごとの増加額(積上げ額)を算出します(下図右)。
 
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③ 各等級別の新モデルラインを作る
ア.どの等級までいった社員の最終支給額をどの程度にするか、仮設定します。
イ.各役割等級別の昇進モデル(滞留年数モデル)を作ります。
ウ.到達等級別に給付額の新モデルラインを作ります。
④ ポイント単価および各等級別の付与ポイントを設定する
③のカーブに沿う積上げ額になるように、ポイント単価と等級別付与ポイントを仮設定します。
⑤ 算定シミュレーションし、現行制度との調整を検討する


●ポイント制退職金制度の特長
 「ポイント制」の手法をベースに、毎年度ごとの評価をポイントに反映させることで、より貢献度の反映度合いを強める退職金制度とする企業も出てきました。ここに2つ事例紹介します。

① 東芝(2000年導入)
東芝では、退職金の算定式を次の通りにしました。
退職金=(勤続ポイント累計+仕事給ポイント累計)×単価×自己都合係数
 仕事給ポイントは、同じ資格段階であっても人事考課の結果により格差が生じるようになっています。勤続ポイントは、勤続30年を超えると、1年単位の積上げが3分の1になります。

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② 川崎重工業(2002年導入)
川崎重工業では、退職金のポイント制への移行に際して、職能資格別の加算点に、さらに賞与の業績評価による加算点を加えることにしました。若干ポイントが小さい気もしますが、加算点方式で制度にポジティブな意味合いを持たせるよう工夫するとともに、幹部社員の業績加算相当額は賞与時に支給するなどして、退職時支給額の高騰抑制、給付の分散化が図られています。

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この他に、役割等級別の基本ポイントに賞与評価に応じた加算ポイント(年2回)を付与することとし、勤続ポイントを設けない(併合型)事例もあります。



●「評価反映型ポイント制」退職金制度の設計手順
① 新制度における退職給付水準を決める
② 既存モデルカーブを作る(既存モデルでの単年度ごとの積上げ額を調べます。)
③ 各等級別の新モデルラインを作る(ア.等級別の最終支給額の水準を仮設定し、イ.各役割等級別の昇進モデルを作ったうえで、ウ.到達等級別に新モデルラインを作ります)。
④ ポイント単価および各等級別の付与ポイントを設定する

43-01.gif ここまでは、通常のポイント制(併合型)と同じです。昇進モデルに沿った単年度ごとの積上げ額の推移イメージはグラフのようになります(55歳以降、役職離脱し、専任職となる事例)。
「評価反映型」では、ここで設定した付与ポイントを標準評価(B)でのものとし、評価ごとのポイント格差を一定の基準により設定し、役割等級・評価別のポイント数を決めます。(下図)








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●通常のポイント制の退職金制度と「評価反映型」のポイント制退職金制度のシミュレーション
制度設計の最終段階でシミュレーションをして、制度改定の趣旨(給付の抑制やS字カーブの直線化など)がどの程度に反映されているかを確認し、必要に応じて全体調整します。

下左図は、通常のポイント制(併合型)の例です。ここでは、当初の設計方針が例えば、ア.従来モデルの最終支給額は、新制度における"順調にM1(部長クラス)まで昇進したモデル"の水準とする。(給付抑制)、イ.M2(課長クラス)またはM3(係長クラス)までしか昇進しなかった場合のモデルは段階的にそれより低い水準にする、ウ.ただし、E1・2(専任職)までしか経験しなくても一定水準はキープする、というものだったとした場合、その通りになっているかを確認するわけです。

下右図は、「評価反映型ポイント制」のシミュレーションです。役割等級別・評価別にシミュレーションします。評価別の考え方は、例えば、ほぼ恒常的に上位評価(平均A)だった場合と、標準評価(平均B)、下位評価(平均C)だった場合、というふうにします。
同じ等級経験者でも、ずっと上位評価だった場合と、標準評価、下位評価だった場合では開きがでることになり、経験職位が上でも支給水準は必ずしも上位に来ないことを示しています。
また、最大最小格差が、評価を入れないポイント制よりも当然のことながら大きくなっています(550万円→1000万円)。こうした格差が自社にとって適正範囲(許容範囲)であるかどうかも、現状の受給額の格差状況などを見ながら判断していきます。

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