2024年9月 Archives

「●「死」を考える」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3528】 久坂部 羊 『寿命が尽きる2年前
「●光文社新書」の インデックッスへ

「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」。だんだん「法話」みたいになってくる。

死は存在しない1.jpg死は存在しない 2022.jpg
死は存在しない ― 最先端量子科学が示す新たな仮説 (光文社新書)』['22年]

 本書では、最先端量子科学に基づくとされる「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」というものを紹介しています。それは、一言で述べるならば、この宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙すべての出来事のすべての情報が「記録」されているという仮説です。この説によれば、我々の意識などもすべてそこに記録されているということです。

 「以心伝心」「予感」「予知」「シンクロニティ」など現在の科学で証明できない「不思議な現象」も、すべてこの「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」で説明できるとのことで、フィールドに「ホログラム原理」で記録されている「すべての波動」は「部分の中に全体が宿る」ホログラム構造のため、そこにアクセスすることで情報を得ることができるとしています。「前世を記憶する子どもたち」といったような不思議な話も、彼らが何らかのかたちでに「ゼロ・ポイント・フィールド」にアクセスして情報を得ているからだろうと(誰かが「クラウド」と言っていたが、簡単に言えばそんな感じか。でも、どうやってアクセスしているのかが本書では書かれていない)。

 では、我々が死んだらどうなるのか。肉体の死後、「自我意識」はしばらくこの世を漂った後、ゼロ・ポイント・フィールド内の「深層自己」に移って生き続けていき、フィールド内では「自我」の意識が消えていき、苦しみも消失し、至福に満たされた世界に向かっていって、言わば「宇宙意識」のようなものに取り込まれていくらしいです。

 読み始めた時は科学的な話なのかなと思いましたが(著者は科学者である)、「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」についてのそう突っ込んだ科学的な解説は無く、「仮説」でありながらも(まあ、すべての科学は仮説だと言えるが)、もう「ゼロ・ポイント・フィールド」があるものとして、話がどんどん進んでいっているように思いました。

 様々なメタファーや類似概念を用いて(「惑星ソラリス」のようなSF映画なども例に引き)説明していますが、これまで宗教家やスピリチュアリストらが語ってきたことをうまく科学と辻褄合わせをしているように読み取れなくもなく、これはこれで(「霊」という言葉の代わりに「意識」という言葉を用いた)ある種の宗教のようでもあり、少なくともスピリチュアルな話であるように思いました。

 興味深い話ではありましたが(最近「死」をテーマにした著作が多い、医師で作家の久坂部羊氏もそう述べていた)、後半にいけばいくほど、「祈り」の意味とか「裁き」の心を捨てることとか、どんどん「法話」みたいになっていって、最後は〈科学〉と〈宗教〉はやがて一つになると言っており、これが著者がいちばん言いたかったことなのかとも思いました(結局、〈宗教〉入ってる?)。

 「最先端量子科学が示す新たな仮説」というサブタイトルは嘘ではないでしょうが、あまり「最先端量子科学」という言葉に振り回されない方がいいかも。前著を見れば『運気を磨く―心を浄化する三つの技法』(光文社新書)とかあるので、まあ、その流れの言わば『「田坂」本』と思って読むと、それほど違和感ないのかもしれません。

死は存在しない ― 最先端量子科学が示す新たな仮説 (光文社新書)』['22年]/『運気を磨く 心を浄化する三つの技法 (光文社新書) 』['19年]/『人間を磨く 人間関係が好転する「こころの技法」 (光文社新書) 』['16年]/『教養を磨く 宇宙論、歴史観から、話術、人間力まで (光文社新書 1263) 』['23年]/『知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書) 』['14年]/『運気を引き寄せるリーダー 七つの心得 危機を好機に変える力とは (光文社新書) 』['14年]
死は存在しない2.jpg

「●医療健康・闘病記」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3532】 久坂部 羊 『健康の分かれ道
「●「老い」を考える」の インデックッスへ

「GLS―1阻害薬」は万能? まだ「可能性」の話であって、やや先走っている印象も。

老化は治療できる!宝島社新書.jpg老化は治療できる! (宝島社新書) 』['21年]

 本書は、著者ら東京大学医科学研究所などの研究チームがマウス実験から「老い」の原因となる「老化細胞」を除去する薬として2021年に発見した「GLS―1阻害薬」というものを紹介した本。この薬には老化した人間の肉体も若返させる可能性があるとし、研究チームの東大の先生が、老化のメカニズムと「アンチエイジング治療薬」の可能性を解説しています。

 まず前提として人間の寿命は最長120歳ほどで、これは変わらないだろうとし、ただし、「GLS―1阻害薬」にとって老化細胞が除去されることで老化は抑えられ、さらにはがんの治療に役立つ可能性もあるとのことです。マウスに投与すると老化細胞が死んで、加齢性疾患が改善することが分かっており、有効ながん治療薬として臨床試験が進められています。

 確かに、長生きはしたいけれど、老いの苦しみを味わうのは嫌だという思いは誰しも抱いていると思われるし、こうした「老化を治療する」薬の発見は喜ばしいことだと思います。120歳まで30歳のまま生きれるのならば、こんないいことはないです。ただ、あくまでもまだ研究段階なので、あまり喜びすぎるのもどうかと思いました。

ライフスパン.jpg 「老化は治療できる」という考え方は、『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』の著者のハーバード大学のデビッド・シンクレア教授が急先鋒ですが(日本人ではワシントン大学の今井眞一郎教授で、今井教授は、「100歳まで寝たきりにならず、120歳くらいまでには死ぬという社会は、10年、20年後には来ると思う」と言っている)、あの本では「NMN」という物質が万能薬のように書かれていました(そのシンクレア教授でさえ、その"特効薬"の点滴は時期尚早だと反対している)。

LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』['20年]

 本書は若干「GLS―1阻害薬」が万能であるというトーンが強いように思いました。開発者としては、それぐらいの希望を持って研究することでモチベーションは上がるだろうし、世間も大きな期待を寄せるかと思いますが、まだ「可能性」の話であって、やや先走っている印象も受けました(タイトルから、今すぐ出来る「老化を治療する方法」があるのだと思った人もいたのでは)。

 ただし、国内外でこの「GLS―1阻害薬」は現在も進行中のようで、本書刊行後も、経口薬が開発され、安価で供給できる見通しが立ったとの情報もあるようです。でも、その前に、国内で認可を得て治験を積み重ねていくことがカギとなるのではないでしょうか。

「●筋トレ」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 「●雑学・クイズ・パズル」 【1732】 多湖 輝 『頭の体操 〈第4集〉

紹介されている種目が類書に比べ多い。石井直方先生のご逝去を悼む。

筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典1.jpg筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典.jpg 石井直方.png
筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典』['19年] 石井直方(1955-2024)

 本書は、バイオメカニクスに基づき、主要な筋トレ種目の動作を分析し、負荷のかかる範囲、最大負荷の位置を解説したものです。姿勢や負荷のかけ方を変えた多彩なバリエーション種目を紹介し、ひとつひとつの種目に「負荷のかかる範囲」「最大負荷の位置」を解説、筋トレの効果を最大限に得るために最適な種目選びが可能となるよう、理論と実践を紹介しています。

 筋トレは、各トレーニング種目の姿勢や負荷のかけ方を変えることで、鍛えられる部位や筋肉、トレーニング強度が変わってくるため、こうした知識は筋トレの効率を上げる上で欠かせないものと言えるでしょう。BIG3種目からフリーウエイト、自重種目、マシン種目までを網羅し、各種目の動作を写真で解説しているので、正しいポジションや動きを目で見て確認することができます。

 特長としてはやはり、紹介されている種目が類書に比べ多いことでしょう。その分、1種目当たりの解説が少なくなっているかというとそうでもなく、個人的には満足しています(あまり詳しすぎても頭に入らないのでちょうどいいくらい)。電子版が出れば、ジムなどで確認できるかと思うのですが、シリーズとして、電子版を出すことはしていないようです(図版ものなので、この先もずっと出ないかも)。

筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典図1.jpg

 2019年刊で、以前から持っていましたが、今回敢えて取り上げたのは、本書の監修者であり、"筋肉博士"として有名な、東京大学名誉教授の石井直方(いしい・なおかた)先生(1955年生まれ)が、今年['24年]8月20日に69歳で亡くなったこともあってです(ご逝去を悼みます)。東大生時代には「東京大学運動会ボディビル&ウェイトリフティング部」に所属し、1975年から関東学生パワーリフティング選手権で6連覇、1976年から全日本学生パワーリフティング選手権で2連覇、1977年に全日本学生ボディビル選手権で優勝するなど、輝かしい成績を残しています。癌を起因とする疾患が死因とのことで、ビルダーのイメージからしても、もっと長生きしてほしかったです。

谷本道哉.jpg 順天堂大学スポーツ健康科学部教授で、NHKの「みんなで筋肉体操」(今は「あさイチ」でやっている)でお馴染みの谷本道哉氏の恩師にあたる人でもありました。谷本氏はボディービルディングの専門誌で石井先生の記事を読み、「この人の元で学びたい」と東大大学院へ入るための勉強を始め、大学卒業後に就職した会社を辞め、ゴールドジムの正社員として働きながら勉強を続け、大学院の試験に合格、東大の石井直方研究室で修士と博士課程を修了しています(今年['24年]、順天堂大の先任准教授から教授になった)。

谷本道哉氏

ボディ・ビルダー入門.jpg窪田登.jpg 石井直方先生の前の時代のウェイトトレーニングの先達と言えば、早稲田大学名誉教授だった窪田登(くぼた・みのる、1930-2017/87歳)先生が思い浮かびます。いちばん最初に読んだのが窪田先生の『新ボディビル入門』('72年/スポーツ新書(ベースボール・マガジン社))で、その後、早稲田大学での体育の授業にウェイトトレーニングというのがあって、縁あって70年代後半に授業の助手のアルバイトをしたのが個人的には懐かしいです。
新ボディビル入門.jpg窪田登『新ボディビル入門 (スポーツ新書 174) 』['72年]

窪田登(くぼた・みのる、1930-2017)(「月刊ボディビルディング」1968年9月号)

「●医療健康・闘病記」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3565】 ニコ・ニコルソン/佐藤 眞一/小島 美里 『マンガ認知症【施設介護編】
「●「死」を考える」の インデックッスへ 「●「老い」を考える」の インデックッスへ 「●く 久坂部 羊」の インデックッスへ

「アンチエイジング」本ではなく「死」を受け入れよという趣旨の本。

健康の分かれ道-死ねない時代に老いる.jpg「後悔しない死に方」.jpg
講演中の久坂部羊氏('24.4.10 学士会館/夕食会&講演会)講演テーマ「後悔しない死に方」
健康の分かれ道 死ねない時代に老いる (角川新書) 』['24年]

 本書では、老いれば健康の維持が難しくなるのは当然で、老いて健康を追い求めるのは、どんどん足が速くなる動物を追いかけるようなものであり、予防医学にはキリがなく、医療には限界があるとしています。その上で、絶対的な安心はないが、過剰医療を避け、穏やかな最期を迎えるためにはどうすればよいかを説いています。

 第1章では、「健康」は何かを考察してます。こここでは、健康の種類として、身体的健康、精神的健康のほかに、社会的健康や、さらには霊的健康というものを挙げているのが、個人的には興味深かったです。この健康の定義は、本書全体を通して意味深いと思います。

 第2章では、健康センターに勤めた経験もある著者が、健康診断で何が分かるのかを解説、ある意味、健康診断は健康人を病人に誘うシステムであるとしています(因みに、著者は受けていないと)。

 第3章では、メタボ検診の功罪を問うています。診断基準に対する疑問を呈し、メタボ判定を逃れる裏技として、腹式呼吸すれば息を吐いたときに腹がへこむので引っ掛からないとのこと、自分で腹を膨らませたときとへこませたときの差を測ったら13㎝あったとのことです。

 第4章では、現代の健康について解説しています。人々の健康観はメディアの力に大きく作用され、週刊誌情報を盲信する患者には医者も泣かされる一方、そうした怪しげな健康ビジネスがはびこっていると。また、日本はタバコに厳しく酒に緩いともしています。さらにがん検診にはメリットもあればデメリットもあるとしています。免疫療法は「溺れる者がすがるワラ」のようなものであるとし、PSA検査や線虫卯がん検査にも疑問を呈しています。また、認知症はその本態がまだ明らかになっておらず、近年開発されている"特効薬"も〈竹槍〉のようなものだと。

 第5章では。精神の健康とは何かを考察しています。年齢段階ごとにどのような精神的危機があるかを解説しています。また、「メンヘラ」「ヤンデレ」「インセル」といった言葉が拡がるのはレッテル貼りだと。さらに、「新型うつ」は病気なのか、また「代理ミュンヒハウゼン症候群」についても解説しています。

 第6章では、健康と老化について考察しています。老いを拒むとかえって苦しむとし、「アンチエイジング患」になり、「健康増進の落とし穴」に嵌る人の多いことを指摘し、また「ピンピンコロリ」という言葉には嘘があるとしています。さらに、誤嚥性肺炎が起きる理由を解説し、QOLの観点から最近はもう治療しないという選択もあると。生にしがみつくのは不幸で、認知症も早期に発見しない方が良かったりもするとしています。

 第7章では、健康を見失って見えるものとして、同じ難病でも心の持ちようで大差が出ることや、がんを敢えて治療しなかった医師の話、胃ろうやCVポートの問題点、現在非常に進化している人工肛門などについて解説した上で、健康にばかり気をとられていると、やるべきこでないこととしなければならないことに追われ、何のために生きているのか見失いがちになるとしています。

 第8章では、健康の「出口」としての死をどう考えるべきかを考察しています。そして、死に対して医療は無力であり、人生の残り時間をわずかでも伸ばすことに心を砕くより、有意義に使うことを考えた方が賢明であると。自分が「死の宣告」を受けたとシミュレーションしてみるのもいいし、好きなことをやって自分を甘やかすのも、死を迎える準備になるとしています。自分の人生を愛する「感謝力」「満足力」が大事であると。

 著者が「死」や「老い」について書いた本を何冊か読んできましたが、今回は「健康」という切り口でした。巷に溢れる「長生きする人がやっていること」といった「アンチエイジング」本ではなく、むしろ「死」を受け入れよという趣旨の本であり、結局最後は終章にあるように、健康の「出口」としての死というものに繋がってはいくのですが、これはこれで「死/老い」を包括するテーマであり、良かったです。

 これまで読んだものと重なる部分もあったし、体系的と言うよりエッセイ風に書かれている印象。ただし、、この著者のこの分野の本からは、知識を得ると言うより、考え方を学ぶという要素が大きいため、読み直すつもりで新刊にあたってみるのもいいかなと思いました。

「●映画」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【269】 双葉 十三郎 『外国映画ぼくの500本
「●成瀬 巳喜男 監督作品」の インデックッスへ 「●溝口 健二 監督作品」の インデックッスへ 「●や‐わ行の日本映画の監督」の インデックッスへ「●あ行外国映画の監督」の インデックッスへ「●斎藤 一郎 音楽作品」の インデックッスへ(「秋立ちぬ」)「●鈴木 静一 音楽作品」の インデックッスへ(「銀座化粧」)「●黛 敏郎 音楽作品」の インデックッスへ(「赤線地帯」)「●宮川 一夫 撮影作品」の インデックッスへ(「赤線地帯」) 「●乙羽 信子 出演作品」の インデックッスへ(「秋立ちぬ」)「●藤原 釜足 出演作品」の インデックッスへ(「秋立ちぬ」)「●夏木 陽介 出演作品」の インデックッスへ(「秋立ちぬ」)「●加東 大介 出演作品」の インデックッスへ(「秋立ちぬ」「赤線地帯」)「●田中 絹代 出演作品」の インデックッスへ(「銀座化粧」)「●東野 英治郎 出演作品」の インデックッスへ(「銀座化粧」)「●香川 京子 出演作品」の インデックッスへ(「銀座化粧」)「●笠 智衆 出演作品」の インデックッスへ(「東京画」)「●若尾 文子 出演作品」の インデックッスへ(「赤線地帯」)「●京 マチ子 出演作品」の インデックッスへ(「赤線地帯」)「●木暮 実千代 出演作品」の インデックッスへ(「赤線地帯」) 「○日本映画 【制作年順】」の インデックッスへ 「○外国映画 【制作年順】」の インデックッスへ ○東宝DVD名作セレクション(成瀬巳喜男監督作品)(「秋立ちぬ」)

改題増補されて入手できたのは喜ばしい。それにしても、まだ観るべくして観ていない映画が多い。
映画の中の東京.jpg映画の中の東京2002.jpg 秋立ちぬ1960.jpg 「銀座化粧」1951.jpg 「赤線地帯」1960.jpg
映画の中の東京 (平凡社ライブラリー さ 8-1)』['02年]「秋立ちぬ<東宝DVD名作セレクション>」「銀座化粧 [DVD]」田中絹代 「赤線地帯 4K デジタル修復版 Blu-ray」京マチ子
東京という主役: 映画のなかの江戸・東京』['88年]
東京という主役.jpg佐藤忠男.jpg 日本映画には東京を描いた作品が多いのですが、本書は、一昨年['22年]に91歳で亡くなった映画評論家の佐藤忠男(1930-2022)が、映画における東京の風景の役割や意味、人々の暮らしぶり、監督論等を語ったもので、『東京という主役―映画のなかの江戸・東京』('88年/講談社)の改題増補版になります。
佐藤忠男(1930-2022)
東京物語111.jpg 第1章では、小津安二郎、黒澤明、成瀬巳喜男の3人の監督の作品を取り上げていますが、まず何をもってもしても小津安二郎! 生涯に作った53本の作品の内、東京を舞台にしていない作品はせいぜい8本ぐらいしかないそうです。「東京物語」(53年)をはじめタイトルに東京という言葉がついている作品が5本あり、どの作品をとっても東京論になるといった感じ。

野良犬 1949 dvd.jpg野良犬 三船.jpg 黒澤明作品については、「野良犬」(49年)を「東京をかけめぐる映画」だとし、盛り場の描かれ方などに注目しています。そう言えば小林信彦氏が「週刊文春」のエッセイで、闇市の風景を一番忠実に描いているのは、黒澤明の「酔いどれ天使」と「野良犬」だと述べていました。

「はたらく一家」(38年).jpg 成瀬巳喜男作品では、ミルクホールを舞台にした「はたらく一家」(38年)に着眼していますが、個人的には未見。「ミルクホール」というものの起源が解説されているのが興味深かったです(ホテルニューオータニに「ミルクホール」という名のそう高くない洋食屋があって、コーヒーのみだが打ち合わせで等で50回近く利用した。また、時々利用する中伊豆・吉奈温泉にある旅館「東府やResort&Spa-Izu」にも「ミルクホール」というフリードリンクスペースがあり、数回行ったことがある)。

東府やResort&Spa-Izu「大正館」ラウンジ「ミルクホール」
東府やミルクホール.jpg

映画の中の東京  0.jpg 第2章では、江戸から東京への推移を写し出した作品を取り上げていて、山中貞雄監督の「人情紙風船」(37年)などは確かに江戸長屋をよく描いていました。「東京五人男」(46年)の熱の籠った解説がありますが、個人的にはこれも観よう観ようと思っていながらも未見。章の終わりの方では、黒澤明の「素晴らしき日曜日」(46年)や小津安二郎の「風の中の牝雞」(46年)を取り上げています。

 第3章は、山の手と下町の比較論で、下町ものとして、小津安二郎の「出来ごころ」(33年)、「東京の宿」(35年)などを挙げていますが、山の手ものと呼ばれる映画の分野はないとのこと。ナルホド。

乙女ごころ三人姉妹.jpg秋立ちぬ1960.jpg「銀座化粧」1951.jpg 第4章では盛り場の変遷を浅草・銀座・新宿の順で取り上げ、浅草だと成瀬巳喜男の「乙女ごころ三人姉妹」(35年)、ただしこれも個人的は観れていないです。銀座はこれも成瀬巳喜男の「銀座化粧」(51年)と「秋立ちぬ」(60年)を取り上げていますが、片や酒場(女給バー)が舞台で片や八百屋が舞台だけれども、場所は同じ銀座でした。吉村公三郎の「夜の蝶」(57年)を"究極の銀座讃歌"としていますが、これも観れておらず。新宿のところで取り上げられている大島ロビンソンの庭1.jpg闇のカーニバル・ゴンドラ.jpg渚の「新宿泥棒日記」(69年)も未見。山本政志監督の「闇のカーニバル」(81年)は旧ユーロスペースで観ました。伊藤智生監督の「ゴンドラ」(86年)はラストに疑問が残るとしています。山本監督の「ロビンソンの庭」(87年)は「闇のカーニバル」に続く作品ですが、白黒映画から一転して、鮮やかな緑の溢れる映像美へ(主演は今回も本業ロック歌手の太田久美子)。これを「闇のカーニバル」の"もう一つの悪夢"としています(後に芥川賞作家となる町田康や、室井滋、田口トモロヲなども出ていた)。
 
東京画toukyouga 04.jpg 第5章は、外国映画の中の東京を取り上げ、ヴィム・ヴェンダース監督(「パリ、テキサス」('84年/西独・仏))の小津安二郎へのオマージュとも言える旅日記風ドキュメンタリー映画「東京画」(85年/米・西独)について、ヴェンダースが撮った東京は、高層ビルとネオンがPERFECT DAYS2023.jpg林立する、小津の映画とは似ても似つかぬ東京であり、彼は小津の時代は遠くに過ぎ去り、日本的なものが失われたと感じたと(映画の中では、東京タワーで落ち合った友人のヴェルナー・ヘルツォーク監督(「アギーレ/神の怒り」('72年/西独)、「フィツカラルド」 (82年/西独))も同様のことを述べている)。それでもヴィム・ヴェンダース監督は、笠智衆や小津作品のカメラマン原田雄春へのインタビューを通して、二人の人柄がまさしく小津映画そのものであることを発見して満足したようだと。そのヴェンダース監督が40年後に、渋谷近辺の公演のトイレ清掃を舞台とした「PERFECT DAYS」 (23年/日・独)を撮り、第76回「カンヌ国際映画祭」で日本人2人目の男優賞を受賞した役所広司を、「私の笠智衆」と称えることになります。

赤線地帯 09.jpg 第6章では、映画における"東京名所"を場所ごとに見ていきますが、吉原(浅草)のところで、溝口健二の遺作「赤線地帯」(56年)を取り上げています。吉原で働く女性たちを描いた群像劇ですが、映画のクレジットに芝木好子「洲崎の女」とあるように、芝木好子の短編集『洲崎パラダイス』の一部を原作にして、舞台は〈洲崎〉から〈吉原〉に置き換えられています。キャラクターの描き分けがよく出来た作品でした。

「赤線地帯」
 
 最終第7章は、映画を軸とした著者の半生の振り返りで、東京から地元の新潟へ戻っての映画論文の投稿家時代から、再上京し、映画雑誌の編集者になるまでの経緯が書かれています。人生の様々場面で映画に自身を照射させていたことが窺え、自ら言う"無学歴"でありながら、映画評論の泰斗となった著者の遍歴が窺え、興味深いものでした。

 文庫解説の川本三郎氏の文章もよく、巻末に地名・人名・映画題名の各索引があるのも親切。改題増補されて手にすることができたのは喜ばしいです。それにしても、まだ観るべくして観ていない映画が多く(まったくの個人的理由で著者には責任がないが)そこがやや残念だったでしょうか。というとで、今年['24年]になって観た、ともに成瀬巳喜男監督作で、あたかも「銀座」を定点観察したような関係になる2本「秋立ちぬ」「銀座化粧」と、溝口健二の遺作となった吉原を舞台とした「赤線地帯」を以下に取り上げます。

「秋立ちぬ」
「秋立ちぬ」000.jpg
秋立ちぬ<東宝DVD名作セレクション>
秋立ちぬ3.jpg ある真夏の午後、小学校6年生の秀男(大沢健三郎)は、母・深谷茂子(乙羽信子)に連れられて呆野から上京した。父を亡くし、銀座裏に八百屋を開くおじ山田常吉(藤原釜足)の店に身を寄せるためだった。挨拶もそこそこに、母の茂子は近所の旅館へ女中として勤め、秀男は長野から持って来たカブト虫秋立ちぬ6.jpgと淋しく遊ぶのだった。そんなある日、近所のいたずらっ子に誘われて、駐車場で野球をした秀男は、監視人につかまってバットを取られてしまう。遊び場もない都会の生活に馴染めぬ秀男の友秋立ちぬ4.jpg達は、気のいい従兄の昭太郎(夏木陽介)と、小学校4年生の順子(一木双葉)だった。順子は茂子の勤めている「三島」の一人娘、母の三島直代(藤間紫)は月に2、3回やって来る浅尾(河津清三郎)の二号だった。順子の宿題を見てやった秀男は、すっかり順子と仲よしになった。山育ちの秀男は順子と一緒に海を見に行ったが、デパートの屋上から見る海は遠く霞むばかりであった。しかもその帰り道、すっかり奇麗になった母に秋立ちぬ1q-.jpg会った秀男は、その喜びもつかの間、真珠商の富岡(加東大介)といそいそと行く母の後姿をいつまでも恨めし気に見なければならなかった。その上、順子にやる約束をしたカブト虫も箱から逃げてしまっていた。秋立ちぬ 260.jpgしかも、更に悲しいことに、母が富岡と駈け落ちして行方不明になる。傷心の秀男と順子は月島の埋立地に出掛ける。そこで見つけたキチキチバッタ、しかし、これも秀男がケガをしただけで逃げられてしまう。夏休みも終りに近づいたある日、秀男の田舎のおばあさんからリンゴが届く。箱の中に偶然カブト虫も。秀男は喜び勇んで家を飛び出し、順子の家へ走るが、浅尾の都合で「三島」は商売替えし、順子はいなかった。呆然とした秀男は、カブト虫を手に、かつて順子といっしょにいったデパートの展望台の上で、秋立つ風のなかをいつまでも立ちつくしていた―。

 成瀬巳喜男監督の1960(昭和35)年公開作。出演は大沢健二郎(子役)、一木双葉(子役)、乙羽信子、藤原鎌足、賀原夏子、夏木陽介、原知佐子、藤間紫、加東大介、河津清三郎など。

秋立ちぬ5.jpg 子どもを主人公に、その眼を通して大人たちを描いた作品ですが、ちゃんと子どもの心情を中心に据えていて、個人的には、成瀬巳喜男ってこういう作品も撮ることができたのかあとちょっと意外でした。少年のひと夏の出来事が切なく描かれており、これって傑作ではないでしょうか。感動させようと過度な感情を交えるようなことはせずに、淡々と描いているのが成功しています。銀座で、八百屋が舞台というのが独特(今ではちょっと考えられない)。そこの気のいいあんちゃんを夏木陽介が好演していました。


「銀座化粧」
「銀座化粧」000.jpg
銀座化粧 [DVD]
銀座化粧4.jpg 銀座のバー「ベラミ」で女給をしている津路雪子(田中絹代)は5歳になる息子の春雄(西久保好汎)と暮らしているが、昔の愛人・藤村安蔵(三島雅夫)は今でも金の無心に来る。ある日雪子は昔の仲間・佐山静江から上京してきた資産家の息子・石川京介(堀雄二)の案内役を頼まれる。相手をしているうちに雪子は石川との結婚を夢見るが、春雄の行方が突然わからなくなってしまい、石川の相手を妹分の女給・京子(香川京子)に頼んで自分は帰宅する。春雄は見つかったが、その一夜の間に京子と石川は婚約してしまっていた。諦めた雪子は今日も銀座で働くのだった―(「銀座化粧」)。

 成瀬巳喜男監督の1951(昭和26)年公開作で、出演は田中絹代、花井蘭子、香川京子、堀雄二、柳永二郎、三島雅夫、東野英治郎など。

‌銀座化粧 堀.jpg 「秋立ちぬ」と同じく銀座を舞台にしています。ただし、遡ること9年、女給バーとかちょっとレトロな感じ(一応"高級バー"ということらしい)。雪子(田中絹代)が東京案内を頼まれた、お上りさんの資産家の息子を演じていたのは、後にドラマ「七人の刑事」('64年~'69年/TBS)でキャップの赤木係長を演じる堀雄二(1922-1979)ですが、若いなあ(まあ、「忘れられた子等」('49年/新東宝)や「宗方姉妹(むねかたきょうだい)」('50年/東宝)に出ていた時はさらに若かったのだが)。

 堀雄二については、私生活において前年に次のようなエピソードがあります。仕事で京都のある旅館に泊まっていた時、後に妻となるる甲斐はるみと偶々旅館が一緒で、堀のほうが先に仕事が終わり、その晩東京都に帰る時、「食事でもしましょう」と先斗町へ連れて行き、その時から親しくなったとのこと。本作との比較で面白い話ですが、当時堀には妻子がおり「女房と別れるから結婚してくれないか」とプロポーズしたというのは本作と大違い(笑)。

銀座化粧01.jpg 田中絹代演じる雪子は、堀雄二演じる石川との結婚銀座化粧057.jpgを夢見ますが、最初から"夢"で終わるのは見えていたのではないかな(それでも夢を見るのが女性というものなのか)。ましてや、香川京子演じる若い京子(満19歳で女給役を演じた)がライバルではかなわない(かえっ銀座化粧08.jpgて諦めがついたか)。京子が、石川が一晩同じ部屋にいて何もしなかったのでますます好きになるというのは、どうなんだろう(その結果、一晩で婚約を決める)。これって当時の女性の一般的な感覚なのだろうか。現代女性だったらどうだろうか―いろいろ気を揉んでしまいました。 


「赤線地帯」
「赤線地帯」000.jpg
赤線地帯 [DVD]
「赤線地帯」dvd.jpg 売春防止法案が国会で審議されている頃、吉原の「夢の里」では娼婦たちがそれぞれの事情を負って生きていた。より江(町田博子)は普通の主婦に憧れている。ハナエ(木暮実千代)は病気の夫と幼子を抱えて一家の家計を支えている。ゆめ子(三益愛子)は一人息子との同居を夢見ている。やすみ(若尾文子)は客を騙して金を貯め、仲間の娼婦に金貸しを行って更に貯金を増やしていた。不良娘のミッキー(京マチ子)も加わり「夢の里」は華やぐが、結婚したより江は夫婦生活が破綻する。ハナエの夫は将来を悲観して自殺未遂を起こす。ミッキーは自分を連れ戻しに来た父親を、女癖の悪さを責めて追い返す。ゆめ子は愛する息子に自分の仕事を否定されて発狂する。やすみは自分に貢ぐために横領した客に殺されかける。ラジオが法案の流産を伝え、行き場のない彼女たちは今日も勤めに出る。しかしやすみだけは倒産して夜逃げした元客の貸布団屋を買い取って女主人に納まった。退職したやすみに変わって、下働きのしず子(川上康子)が店に出る事になる。着物を換え、蠱惑的な化粧を施されるしず子。女たちがあからさまに男たちの袖を引く中、ためらいながら、しず子は男に誘いかける―(「赤線地帯」)。

赤線地帯 9.jpg 溝口健二監督の1951(昭和26)年公開作で、出演は若尾文子、三益愛子、町田博子、京マチ子、木暮実千代、川上康子など。

 映画の一部が芝木好子の原作とされていて、実際タイトル隅に「洲崎の女」よりと出ますが(前述の通り、映画の舞台は〈洲崎〉から〈吉原〉に置き換えられている)、これは芝木好子の短編集『洲崎パラダイス』(川島雄三監督により映画化された表題作「洲崎パラダイス 赤信号」('56年/日活)が有名)の中で唯一、遊郭の中にいる人物を描いた作品。三益愛子演じる「ゆめ子」は(原作では「登代」)は、年増女であるため思うように客が付かず、さらに上京した息子に冷たくされて赤線地帯 京2.jpg発狂しますが、原作では最初から精神を少し病んでいて(それも客がつかない原因になっている)、息子のために働いてきたのにその息子に自分の仕事を非難され(これは映画と同じ)、かつて息赤線地帯 山.jpg子を連れて空襲の中を逃げ回った記憶に囚われながら入水自殺します(映画よりさらに悲惨!)。このほかに、ミッキー(京マチ子)のような、享楽のために(?)特飲街に居続ける女性もいて、自分を連れ戻しに来た父親を、その女癖の悪さを責めて追い返しています。さらには、やすみ(若尾文子)のよう赤線地帯 やすみ.jpgに客に貢がせて、最後はその客を破綻させ、自分が代わって経営者になるといったヤリ手も。一方で、ハナエ(木暮実千代)のように、病気の夫と幼子を抱えて一家の家計を支えるために特飲街で働く女性もいて、四者四様で、群像劇でありながら、この描き分けにおいて新旧の女性像が浮き彫りにされてた、優れた映画でした(やすみ・ミッキーが「新」、ゆめ子・ハナエが「旧」ということになるか)。実は、このやすみ・ミッキーに似たタイプの女性も短編集『洲崎パラダイス』にある作品に登場するので、おそらく溝口健二はそれらも参考にしたのではないかと思われます。
 
 
 
秋立ちぬ」[Prime Video]
秋立ちぬ19602.jpg秋立ちぬ あp.jpg秋立ちぬ7.jpg「秋立ちぬ」●制作年:1960年●監督・製作:成瀬巳喜男●脚本:笠原良三●撮影:安本淳●音楽:斎藤一郎●時間:80分●出演:大沢健三郎/一木双葉/乙羽信子/藤間紫/藤原釜足/夏木陽介/原知佐子/加東大介/河津清三郎/菅井きん●公開:1960/10●配給:東宝●最初に観た場所:神保町シアター(24-05-02)(評価:★★★★☆)

銀座化粧05.jpg‌銀座化粧 ddvd.png「銀座化粧」●制作年:1951年●監督:成瀬巳喜男●製作:伊藤基彦●脚本:岸松雄●撮影:三村明●音楽:鈴木静一●原作:井上友一郎●時間:87分●出演:田中絹代/西久保好汎/花井蘭子/小杉義男/東野英治郎/津路清子/香川京子/春山葉子/明美京子/落合富子/岡龍三/堀雄二/清川玉枝/柳永二郎/三島雅夫/竹中弘正/田中春男●公開:1951/04●配給:新東宝●最初に観た場所:神保町シアター(24-05-02)(評価:★★★☆)

ロビンソンの庭1987.jpgロビンソンの庭2.jpg「ロビンソンの庭」●制作年:1987年●監督:山本政志●製作:浅井隆●脚本:山本政志/山崎幹夫●撮影:トム・ディッチロ/苧野昇●音楽:JAGATARA/吉川洋一郎/ハムザ・エル・ディン●時間:119分●出演:太田久美子/町田町蔵(町田康)/上野裕子/CHEEBO/坂本みつわ/OTO/ZABA/横山SAKEV/溝口洋/利重剛/室井滋/田トモロヲ/江戸アケミ●公開:1987/10●配給:レイライン●最初に観た場所:渋谷・ユーロスペース(88-07-09)(評価:★★★☆)


東京画笠智衆.jpg「東京画」●制作年:1985年●製作国:アメリカ・西ドイツ●監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース●製作:クリス・ジーヴァニッヒ●撮影:エド・ラッハマン●音楽:ローリー・ペッチガンド●時間:93分●出演:ヴィム・ヴェンダース(ナレーション)/笠智衆/ヴェルナー・ヘルツォーク/厚田雄春●公開:1989/06●配給:フランス映画社(評価:★★★☆)
東京タワーで語るヴェルナー・ヘルツォーク(「アギーレ/神の怒り」('72年/西独)、「フィツカラルド」 ('82年/西独))/ヴィム・ヴェンダース(「パリ、テキサス」('84年/西独・仏)、「PERFECT DAYS」 (23年/日・独))とヴェルナー・ヘルツォークのスナップ写真(映画ではヴェンダースはナレーションのみで姿は映らない)
 東京画 ヴェンダース ヘルツォーク.jpg


赤線地帯 出演者.jpg赤線地帯00.jpg「赤線地帯」●制作年:1956年●監督:溝口健二●製作:永田雅一●脚本:成澤昌茂●撮影:宮川一夫●音楽:黛敏郎●原作:芝木好子(一部)●時間:86分●出演:若尾文子/三益愛子/町田博子/京マチ子/木暮実千代/川上康子/進藤英太郎/沢村貞子/浦辺粂子/十朱久雄/加東大介/多々良純/田中春男●公開:1956/03●配給:大映●最初に観た場所:国立映画アーカイブ(24-05-26(評価:★★★★☆)
前列左より京マチ子、溝口健二監督、後列左より町田博子、宮川一夫、若尾文子、木暮実千代、三益愛子
赤線地帯 9.jpg赤線地帯 1.jpg

京マチ子
赤線地帯ps.jpg

進藤英太郎映画祭2.jpg「進藤英太郎映画祭」中野武蔵野ホール
進藤英太郎映画祭.jpg

《読書MEMO》
●目次
第1章 東京の顔--映画監督と東京
第2章 江戸から東京へ--時代と東京
第3章 山の手と下町--東京の都市構造と性格
第4章 盛り場の変遷--浅草・銀座・新宿
第5章 アジア的大都市TOKYO--外国映画の中の東京
第6章 映画の東京名所
第7章 出会いと感激の都--私と映画と東京と


About this Archive

This page is an archive of entries from 2024年9月 listed from newest to oldest.

2024年8月 is the previous archive.

2024年10月 is the next archive.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1